源泉徴収票の見方|課税対象額とは・支払金額と給与所得控除・大家が確定申告に転記する3箇所【令和7年分対応】

確定申告
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年末に会社からもらう源泉徴収票は、サラリーマン大家の確定申告の出発点です。ところが「支払金額と課税支給額はどう違う?」「課税対象額ってどの数字?」と、給与明細の用語と混ざって迷いやすい書類でもあります。本記事は、源泉徴収票の4つの数字の関係と、大家が確定申告書に転記する箇所を、国税庁の現行の給与所得控除(令和7年分以降)で整理したものです。

この記事は以下のような方におすすめです!
  • 確定申告で源泉徴収票のどの数字をどこに書くのか知りたい会社員大家
  • 「課税対象額」「課税支給額」と源泉徴収票の関係を整理したい方
  • 給与所得控除の現行の計算式(令和7年分以降)を確認したい方
🎯 30秒でわかる本記事の要点
  • 源泉徴収票の主役は4つの数字:支払金額(年収)→給与所得控除後の金額→所得控除の額の合計額→源泉徴収税額。左から順に引き算されていく構造
  • 「課税対象額」「課税支給額」は給与明細側の用語:課税支給額=支給額から通勤手当など非課税分を除いたもの/課税対象額=そこから社会保険料等を引いた源泉所得税の計算基準。源泉徴収票にはこの名前の欄はありません
  • 給与所得控除(令和7年分以降):最低保障65万円・年収850万円超は195万円で頭打ち(国税庁タックスアンサーNo.1410)
  • 大家の確定申告での転記は実質3箇所:支払金額・給与所得控除後の金額・源泉徴収税額。2019年4月以降、源泉徴収票の添付は不要(記載転記のみ)
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📄 1. 源泉徴収票の構造──4つの数字は「引き算の連鎖」

源泉徴収票の上段に並ぶ4つの金額は、バラバラの数字ではなく1本の計算の流れです。

意味 ひとことで
① 支払金額 給与・残業代・賞与・課税される手当の年間合計(税金や社会保険を引く前) いわゆる年収(額面)
② 給与所得控除後の金額 ①から給与所得控除(会社員の概算経費)を引いた金額 給与所得
③ 所得控除の額の合計額 社会保険料控除・生命保険料控除・基礎控除など年末調整で反映された控除の合計 人ごとの事情の控除
④ 源泉徴収税額 (②−③)に税率を掛けて算出された、その年に納めた所得税(復興特別所得税込み) 前払いした所得税の実額

大家として大事なのは④の見方です。不動産所得が赤字で損益通算すると、④で前払いした税金の一部が還付として戻る——確定申告の還付金の原資はこの数字です。

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🔤 2. 「課税支給額」「課税対象額」とは──給与明細の用語との対応

検索されることの多いこの2つの用語は、実は毎月の給与明細側の言葉で、源泉徴収票にこの名前の欄はありません。対応関係を整理します。

用語 意味 源泉徴収票との関係
課税支給額 その月の支給額のうち、通勤手当などの非課税分を除いた「課税される支給額」 12ヶ月分+賞与の合計が、おおむね①支払金額に対応
課税対象額 課税支給額から社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)を引いた、毎月の源泉所得税を計算する基準額 源泉徴収票には直接出てこない(月次の源泉徴収の計算用)
支払金額(源泉徴収票①) 年間の課税される支給の合計

ポイントは2つ。通勤手当(非課税限度内)は支払金額に含まれないので、「額面年収」と自分の感覚の年収がずれる一因になります。また月々の「課税対象額」ベースで引かれた源泉所得税は概算で、年末調整・確定申告で年間の正しい税額に精算されます。

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🧮 3. 給与所得控除の現行速算表(令和7年分以降)と計算例

①から②への引き算に使うのが給与所得控除です。国税庁タックスアンサーNo.1410の現行速算表(令和7年分以降)は次のとおりです。

給与等の収入金額 給与所得控除額
190万円まで 65万円(最低保障)
190万円超〜360万円以下 収入金額×30%+8万円
360万円超〜660万円以下 収入金額×20%+44万円
660万円超〜850万円以下 収入金額×10%+110万円
850万円超 195万円(上限)

計算例:年収432万円なら「360万円超〜660万円以下」に該当し、給与所得控除は432万円×20%+44万円=130.4万円。給与所得(②)は432万円−130.4万円=301.6万円です。

なお実際の源泉徴収票の②は、この速算式の結果と数百円単位でずれることがあります。収入660万円未満は速算式ではなく、4,000円刻みの区分で定められた表(所得税法別表第五)で②を求めるためです。筆者も初めて検算したとき数字が合わずに悩み、収入を4,000円で割って端数を切り捨ててから計算し直すとぴったり一致しました。検算が合わないときはこの端数処理を疑ってください。

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✍️ 4. 大家の確定申告で源泉徴収票から転記する3箇所

不動産所得がある会社員が確定申告書を書くとき、源泉徴収票から転記するのは実質3箇所です。

源泉徴収票の欄 確定申告書の転記先
① 支払金額 第一表「収入金額等」の給与欄
② 給与所得控除後の金額 第一表「所得金額等」の給与欄
④ 源泉徴収税額 第一表「税金の計算」の源泉徴収税額欄

③(所得控除の合計)は、内訳(社会保険料・生命保険料など)を第二表に書き写しながら第一表へ集計します。なお2019年4月以降、源泉徴収票の添付・提示は不要になっています(数字を転記するだけ。原本は手元保管)。e-Taxの場合はマイナポータル連携で自動入力も可能です。不動産所得側の集計(収支内訳書)は収支内訳書(不動産所得用)の書き方で、申告全体の流れは確定申告と税金の全体像で扱っています。

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⚠️ 5. 見落としやすい2つのケース

🚨 源泉徴収票でつまずく典型
  • 年の途中で転職した:前職分の源泉徴収票が現職の年末調整に反映されているか確認。反映されていなければ前職・現職の両方の源泉徴収票を使って確定申告が必要です
  • 「年調未済」や乙欄の表記がある:年末調整が済んでいない源泉徴収票は③以降が空欄のことがあり、確定申告で自分で控除を集計します
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❓ 6. よくある質問

Q1. 課税対象額とは何ですか?源泉徴収票のどこに書いてありますか?

A. 給与明細の用語で、課税支給額(非課税の通勤手当などを除いた支給額)から社会保険料を引いた、毎月の源泉所得税を計算するための基準額です。源泉徴収票にこの名前の欄はありません。年間ベースの対応でいえば、源泉徴収票の「支払金額」が課税される支給の年間合計に当たります。

Q2. 源泉徴収票はいつもらえますか?紛失したら?

A. 年末調整後(多くの会社で12月〜1月)に交付されます。紛失した場合は勤務先に再発行を依頼してください。会社には交付義務があります。

Q3. 確定申告に源泉徴収票の添付は必要ですか?

A. 不要です(2019年4月以降)。数字を転記するだけで、原本は自宅保管で構いません。e-Taxならマイナポータル連携での自動入力にも対応が広がっています。

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📚 7. まとめ──4つの数字の関係が分かれば、申告の入力は写すだけ

源泉徴収票は「①年収 −給与所得控除→ ②給与所得 −③所得控除→ 課税所得 ×税率→ ④源泉徴収税額」という引き算の連鎖が1枚に印刷されたものです。課税対象額・課税支給額は給与明細側の月次用語で、年間版が源泉徴収票だと押さえれば混乱は消えます。大家の実務では、①②④の3箇所を申告書へ転記し、不動産所得(収支内訳書)と合算して、④で前払いした税金との差額を精算する——これが毎年2〜3月にやることの全体像です。

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📖 この記事の根拠(出典・参考)

  • 国税庁タックスアンサーNo.1410「給与所得控除」(令和7年分以降の速算表・最低保障65万円・上限195万円。2026年8月参照)
  • 国税庁(確定申告書への源泉徴収票添付不要化:2019年4月以降/給与所得の金額は所得税法別表第五により4,000円刻みで算定されるため速算式と端数差が生じ得る)
  • 体験ベース:筆者が会社員時代の源泉徴収票(年収約432万円の年)を検算した実体験(速算式との端数差に気づき別表の仕組みを確認した経緯)
  • 監修について:本記事は税理士の監修を受けたものではありません。個別の申告判断は所轄税務署または税理士にご確認ください。
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執筆者 西本豪
執筆者:西本 豪(楽待新聞コラムニスト)

関西の不動産投資家・15年以上の実務経験。複数物件を保有し、税務・融資・賃貸経営・法人運営の現場で得た一次情報をもとに、机上の理論ではなく「実際に使える」実務ガイドを発信しています。

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