本日は去年(2013年)に購入した物件の返済明細をチェックしてました。
不動産マンションローンの融資元はジャックスで、貸出条件は以下の通りです。
- ローン残高…1,100万程
- 返済期間…20年間
- 貸出金利…2.47%(変動金利)
融資を受けるには利息と保証料が必要
投資物件に限らず住宅ローンへの返済額には「元本」と「利息+保証料」の2種類が含まれています。
ローン返済表に記載されている項目
具体的にどの程度利息が負担になっているか実際のローン返済表をもとに確認しておきたいと思います。
ローン返済表(2014年07月〜2014年12月)
元本と利息の違いについて
元本は金融機関から実際に借りたお金(ローン残高)から差し引かれる金額です。借りたお金を返しているだけなのでとてもシンプルな話です。
ですが金融機関からお金を借りると元本以外に金利分の利息の支払いが発生します。
住居用の不動産ローンの金利はここ最近(2014年〜2017年辺り)は1%前後ですが、投資用マンションローンの金利は2%〜4%程が一般的です。2%〜4%程と聞くとそれ程大きな負担では無いような印象かもしれませんが、実はこの金利分の利息が結構大きな負担になります。
さまざまな基準で金利が決められる
金利の基準を決める上で大きなポイントになるのがプライムレートです。
プライムレートとは銀行などの金融機関が一部上場企業のような優良企業に対して融資する際に最も優遇された最優遇金利のことです。プライムレートは以下の2つに分けられます。
- 長期プライムレート
- 短期プライムレート
長期プライムレートと短期プライムレート
長期プライムレートは金融機関が優良企業に長期(1年以上)の融資を行う場合の最低金利です。長期プライムレートは日本の国債市場の影響を受けて変動します。
なお住宅金融支援機構が提供している「フラット35」などは長期プライムレートを基準として設定されています。
一方、短期プライムレートとは短期(1年未満)の融資を行う場合の最低金利です。短期金融市場の取引をベースに独自に決められているため、金融機関ごとに若干の差があります。
なお民間の住宅ローンなどは短期プライムレートを基準として設定されています。
個人の属性も重要な基準となる
住宅ローンは短期プライムレートの金利が基準として変動する訳ですが、上記でも述べた通りプライムレートとは優良企業に対して融資する際に適応される最も優遇された最優遇金利です。
なので一般の個人が金融機関から融資を受ける場合はプライムレートの金利で融資を受けられる訳では無く、プライムレートから個人の属性や信用度に応じて若干プラスアルファされた金利が適応されることになります。
金融機関によって評価基準はさまざまですが、属性や信用度には主に以下のようなものが含まれます。
- 職業および勤続年数
- 年収
- 年齢
- 対象の融資を受ける前の借入金の総額
- 物件自体の収益性
- これまでの投資実績
マイホームを購入する場合は、個人の属性や借入金などが融資の基準になりますが、投資用マンションローンの場合は、物件自体の収益性や投資家としてのこれまでの実績などが大きく影響するそうです。
他にも評価基準があるかもしれませんが、これらの情報を元に金融機関が個人ごとに金利条件を設定することになるため、安い金利でお金を借りれる場合もあれば高い金利でしかお金を借りられなかったり、そもそも融資自体を断られてしまう場合もあります。
利息と保証料の違いは?
保証料は銀行やローン会社などの金融機関が貸付による貸倒リスクを回避(軽減)するためお金です。
連帯保証人と言う考えもありますが、住宅ローンの場合は高額かつ長期間の返済であるため保証金制度を取り入れることが多いです。最近では住宅ローンで一般の連帯保証人を立てることは余り無いそうで、言い方を変えれば保証会社に連帯保証人になってもらうイメージです。
万が一、返済責任者(借主)が金融機関に返済ができない場合、代わりに保証会社が肩代わりします。勿論、その後で借主が保証会社に対して返済をしないといけないので返済がチャラになる訳ではありません。
要するに「ちゃんと返せる」と自信を持って言える方には無駄以外の何者でもないです。
保証会社により若干の違いはあるそうですが、今回の条件だと年間で約16万円~18万円程の保証料が掛かりそうです。
保証料の一括払いと分割払い
ちなみに、この保証料の返済には契約時の一括返済と分割返済を選択できる場合もあり、一括返済の方が分割返済より2倍前後保証料が安くなることもあります。なので、もし選択可能なのであればなるべく保証料も契約時に支払った方がお得です。っと言いつつも借入金額がもっと高額(例えば3,000万円とか)であれば、保証料ももっと高額になります。
その額を契約時に支払うか分割にするかなのですが、そこで一つポイントがあります。
それは保証料を分割払いにするのであれば、最初(契約時)に数十万円分の出費が抑えられます。要するにそのお金をローン返済の頭金に追加できるため、その後の月々の返済額を少し(本当に少し)抑えることになります。
それを踏まえても契約時に一括で保証料を支払う方がお得な場合が多いそうですが、この辺りはケースによるので不動産会社の営業や金融機関に聞いてみても良いかもしれません。
ちなみに今回の金融機関(ジャックス)の場合は保証料だけを先行して一括返済することはできないとのことでした。
「金利」は「利息」と「保証料」の合計
金融機関によって「利息」だけであったり「利息+保証料」のように項目が細かく分かれている場合もあります。ただ、僕たちがローンを組む時に意識するのは主に金利が何%であるかだと思います。
なのでその内訳が利息が何%で保証料が何%かまでは意識する必要は余り無いかもしれません。
ちなみにこの利息と保証料の合計(今回であれば約2万円ちょい)がローン残高に対する金利(2.47%)となります。
※金利(2.47%)と別にさらに保証料が必要になる訳ではありません。
返済総額は想像以上に大きくなる?
月々の返済額は約6万円弱ですが元本の返済額は4万弱です。それはローンの返済には元金部分以外にも利息と保証料が掛かるからです。
仮にこのままのペースで返済を続けていくとどれくらいの返済総額になるでしょうか。
とりあえず貸出金利はについては将来的な金利は予測できないため返済当初の金利を採用したいと思います。
借入残高 | 11,000,000円 |
金利 | 2,47% |
返済期間 | 20年間 |
返済総額(概算) | 13,950,000円 |
利息+保証料(概算) | 2,950,000円 |
借入残高11,000,000円が最終的な返済総額は13,950,000円になっていることが分かります。
およそ3,000,000円程利息(利息+保証料)に掛かっていることが分かります。
大きな普段だと言うことが改めて分かりますね。
返済総額が変わる要因
ただしこの内容はあくまで「このままのペースで返済を続ければ」の結果になります。
それではどのようなことが起これば返済総額が変わるでしょうか。
このようなことが考えらると思います。
- 金利変動(金利上昇・金利低下)
- 繰上げ返済
- 物件の売却
- 契約内容変更(他行への借り換え・返済期間の短縮)
それぞれの項目について簡単にご説明したいと思います。
金利変動(金利上昇・金利低下)
金利の種類は大きく3種類に分けられます。
- 固定金利
- 固定金利選択型
- 変動金利
固定金利であればローンの返済が完了するまで金利は変わりませんが、固定金利選択型及び変動金利の場合は必ず金利は変わります。
実際に今回の金利である2.47%は2017年の時点では0.1%〜0.2%程下がっているためこのままの金利が続けば返済総額も抑えることができますが、これから先もずっと下がり続けるかは分かりません。もし金利が上昇すると当然のことながら返済総額はさらに大きくなってしまいます。
繰上げ返済
繰上げ返済をすることで返済期間を短縮するだけでなく、繰上げ返済した部分の金利も合わせて返済したことになるため、(ローン残高が多く残っている)早いタイミングで行えばその分、大きな効果が得られます。
もし他に大きな利回りが期待できる物件があるのであれば、手持ちの資金は繰上げ返済には利用せずにさらに規模拡大を目指す方がトータルとしての収益は大きくなりそうです。
物件の売却
安定した利回りが出続けていればずっとそのまま保有しておけば良いような気もしますが、必要に応じて売却を検討するのも有効です。
ただしローン返済が開始したタイミングでは上の「ローン返済表」の内容からも分かるように返済額の多くが利息や保証料であるため中々元金が減ってくれません。
余程高値で売却できるのであれば問題無いですが、売買益の計算を正確にしないと予想以上に損失が出る可能性があるため注意が必要です。
契約内容変更(他行への借り換え・返済期間の短縮)
借入当初の金利と現在の金利が大きく変わっている場合はローンの借り換えも有効かもしれません。
ただし単純に金利が安いからと言う理由だけで借り換えを進めるのでは無く、ローンの残額や借り換えに関わる手数料などの諸費用も踏まえて検討する必要があります。
借金をすることは損なのか?
それでは金融機関から融資を受けて不動産投資を行うことは損なのでしょうか。
一見、1件あたりの返済総額を見てみるだけでは3,000,000円も多く支払っているためとても損しているように見えてしまいますが。その分、借金することにもメリットはあります。
例えば以下のようなことが挙げられるのでは無いでしょうか。
- レバレッジを最大限にして早期に資産を拡大できる
- インフレに対応するために資産を不動産に変えて運用する
そしてこれらを考える上でポイントとなるのが「金利以上の利回りが得られるか?」です。
仮に金利が多少高くてもそれを上回る利回りが得られているのであればローン返済にも困らないはずです。
一見、大きく損しているような条件でも総合的に判断すると実は良い結果であることもあります。
少し難しいですが融資を受けることによるメリットとデメリットを洗い出し、どのようなお金の使い方が自分には向いているかを日々意識したいと思います。
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