自分の資産や物件を増やしていく方法は沢山ありますが、その中でも「ヤドカリ投資法」はとても安定した方法の一つです。
ヤドカリ投資法は小規模な物件の購入から始めることが多いため、資産を拡大していくスピードは必ずしも早くはありませんが、その分、借入金を返済できないといった破産によるリスクは非常に小さい堅実な方法です。
ヤドカリ投資法の仕組みとは
ヤドカリ投資法の流れはこんな感じです。
まず、将来、不動産経営として収益を得られそうな比較的安い物件を、住宅ローンを利用して購入し、返済しながら自分で住みます。
家庭を持っていれば最低でも40㎡~50㎡は欲しいですが、一人で住むならワンルームマンションでも良いでしょう。
その後、本業での収入などで、可能な限り住宅ローンの繰り上げ返済して、借入金を減らしていきます。
また、同時に次の物件を探し始めるのも良いでしょう。次に住む家は現状の物件より少し大きめの家にします。
繰り上げ返済の仕組みやメリットについては、以下の記事でもう少し詳しく解説しています。
次に、2件目を購入するタイミングで、最初に購入した現在住んでいる物件を賃貸に出し、同じように2件目の物件に住みならが住宅ローンを返済していきます。
仮に、物件の規模や購入金額が大きくなっていたとしても、その分、本業での所得も少しは上がっているははず(?)ですし、既に住宅ローンの返済が完済して、賃貸に出している1件目の家賃収入と合わせると、ある程度、無理をせずにローンを返済出来るはずです。
また、資産が出来た事もあり、金融機関からの融資も受けやすくなっているはずです。
2件目の住宅ローンを返済し終えたら、次は3件目を購入するというイメージで、この方法を繰り返していきます。
ちなみにヤドカリ投資法の名前の由来は、ヤドカリの自分の体の大きさ(成長)に合わせて、自分のすみかも一緒に大きくしていくと言う暮らし方からこの名前がついたそうです。
ヤドカリ投資法の特徴は
他の不動産経営と比べてヤドカリ投資法は安定していると言われますが、具体的にはこのようなメリットがあります。
- 住宅ローンを活用できる
- 破産リスクを軽減できる
- ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる
住宅ローンを活用できる
不動産を購入する際、金融機関からの借り入れについては以下の2種類の融資に分けられます。
- 住居用の住宅ローン
- 不動産投資用の住宅ローン
その名の通り、住居用の住宅ローンは自分やその家族が住むために購入するう住宅を購入する際に利用できる住宅ローンであるのに対して、不動産投資用の住宅ローンは投資用物件を購入する際に利用できる住宅ローンです。
貸出金利については住居用の住宅ローンの方が、1%程は金利が安いのですが、ヤドカリ投資法の場合は、自分の住む物件を購入する訳なので、条件に会えば住宅ローン減税やすまい給付金なども活用できます。
破産リスクを軽減できる
実際に自分が住むための物件を探すため、仕組み上、自分の身の丈に合わない先行投資を回避できます。
そのため自分の返済能力を大きく超える融資を受けた結果、返済ができずに破産してしまうと言う可能性は低くなります。
また最初の1件目を賃貸に出すまでには時間が掛かりますが、返済が終わるとその物件からは家賃収入が入ってきます。維持費や修繕費用など一部出費も必要にはなりますが、空室による精神的な負担も、かなり軽減されることになります。
ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる
個人的に大きなメリットだと思うのは数年単位で複数の物件を所有する事で転勤に伴う引越しや家族構成の変化に強い事だと思います。
所有物件を上手く不動産投資に回す事が出来れば、賃貸の感覚で物件を購入しても有りかもしれません。
こう考えると単身者の方が物件のサイズも小さくできますし、引っ越しなどの労力も少ないためオススメかもしれません。
資産拡大には時間が掛かることも…
一方、デメリットとしては冒頭でもご説明した通り、小規模な物件の購入から始めることが多く資産を形成していくのには少し時間が掛かることがあります。
また、一般的な不動産経営は資産がゼロの状態から多大な借り入れを行い一気に物件を購入するのに対して、ヤドカリ投資法は一つずつ物件を買い足していくようなイメージです。
勿論、頭金がゼロから始めることもできますが、堅実にすすめていくにはある程度まとまった資金があった方が物件購入のスピードは早くなります。
資産が拡大するにつれて収入が安定してくる
一つ一つ家賃を返済し終えてから次の物件を購入するため所有物件が増えればその分家賃収入が増えるため所有物件が増えれば増える程、規模拡大のスピードは飛躍的に伸びていきます。
最初のうちは中々物件を追加購入することが難しいですが、資産が拡大するにその楽しみが増えていきますし、より良い物件を購入する事で自分のモチベーションも向上するはずです。
ヤドカリ投資法の注意点
ここまで見てみるととてもワクワクする話しですが、やはり不動産投資の基本は安定した運用収入を得続ける事です。
自分の居住用としても基本の観点は同じだと思います。
まぁ自分が住む訳ですから可能な範囲で自分の好みも取り入れたいですけどね。
なので余り凝った部屋にする事は禁物ですが、自分が取り入れたい機能を取り入れるのも有りかもしれませんね。
万人にとって便利な機能であれば賃貸に出す時にオプション費用として少し高めの家賃収入に繋がる事もあるかもしれませんしね。
逆にリノベーションなどし過ぎて余りにも個性的な部屋にしてしまっては入居者を探す時に苦労するはずです。
基本的な考え方は一般的な不動産経営と同じ
ヤドカリ投資法を利用するからと言って、購入物件の条件が大きく変わる訳ではありません。
結局は空室にならない(長期化させない)ような観点が必要になるため、立地の良さや物件の販売価格、品質などを考慮した上で「安定した収益が見込めること」が大切になりますし、金利上昇や災害リスクについての考え方も一般的な不動産投資と同じです。
仮にリスクが低かったとしても入居希望者の需要を無視して自分の好き勝手な方法で進めて良い訳では無いですよね。
ちなみに僕の住居用の物件はまだまだ住宅ローンが残っており、まだヤドカリ投資法を検討することはありませんが、タイミングとしてはいつからでも始められます。
不動産経営には興味はあるものの、借り入れリスクを考えると踏み出せない人にはとてもオススメな方法だと思います。
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