日本政策金融公庫で賃貸経営は可能?政府系金融機関の特徴について

融資戦略
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銀行よりも低金利で融資をしてくれる金融機関をご存知ですか?

一般的に、不動産投資の貸出金利は2%台〜4%台であることが多いですが、日本政策金融公庫の融資の場合は貸出金利が1%台ととても低金利で借り入れができます。

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日本政策金融公庫の特徴は

日本政策金融公庫とは、政府系の金融機関であり元々は国民生活金融公庫という名前でした。

本来は中小零細企業や個人事業主を対象とした事業支援の役割を果たしています。

日本政策金融公庫の特徴は以下の通りです。

  • 貸出金利が1%台前半と低金利で固定金利
  • 貸出期間が最長15年程と比較的短い
  • 融資枠が比較的少ない
  • 無担保枠融資が受けられる
  • 保証人は不要だが団体信用保険にも加入しない
  • 購入物件のエリアの制限がない
  • 属性が低くても融資が可能

なお団体信用保険についてはこちらの記事で分かりやすく解説していますので、是非、あわせて読んで頂ければと思います。

日本政策金融公庫は政府系の金融機関です。

賃貸経営をする上で最も低金利な金融機関

公的機関ということもあり、貸出金利が1%〜1.25%程と低く、条件によっては貸出金利が1%を下回ることもあります。さらに驚くことに、契約時の貸出金利がずっと続く固定金利です。

ここ最近(2015年〜2018年頃)は、ジャックスやオリックス銀行などの金融機関も1%台で融資してくれるケースも増えてきていますが、それでも1%台前半という低い金利で融資を受けることができるのは、日本政策金融公庫を利用する一番のメリットだと言えます。

ちなみに、固定金利と変動金利の違いは以下の記事でもう少し詳しく説明しています。

変動金利が一番おすすめ!住宅ローン金利の決められ方と金利プランの比較について
住宅を購入し金融機関から住宅ローンの融資を受ける場合、どの金利プランを選択するかを決めることになります。今回はそれぞれの金利の種類について違いや特徴、注意点などをまとめてみました。

属性条件が緩いが担保物権の評価は厳しい

またその他の金融機関の貸出条件が年収500万円〜700万円以上を想定していることに対して、日本政策金融公庫の場合は、300万円程でも融資してもらえる可能性があります。

ただ、融資を受けるためには担保となる物件を提供する必要があり、適応される金利は融資額に対して、担保となる物件の評価割合によって変わります。2017年の時点では以下のような適応金利になっています。

担保物権の評価割合にもとづく適応金利(2017年現在)
物件の担保評価割合適応金利
100%1.16%
75%以上〜100%未満1.31%
50%以上〜75%未満1.46%
25%以上〜50%未満1.61%
25%未満1.76%

なお、日本政策金融公庫による独自の基準により、やや厳しめの評価となることが多く、一般的には時価総額の半額程の評価になることが多いようです。

日本政策金融公庫には担保物権の提供が必要になります。

融資額は比較的少なめで返済期間は短い

スルガ銀行や静岡銀行などの金融機関が1億円、場合によっては2億円、3億円といった融資が可能であるのに対して、日本政策金融公庫での初回融資額は基本的に4,800万円程までとなっています。

また、一般的な金融機関と比べ返済期間が短い事も特徴です。年齢や性別により条件は変わりますが、最大で15年〜20年程までしか借入が出来ないため、1Rマンションや築古の1棟物件など比較的小規模な物件に限られるかもしれません。

返済期間が短い場合、月々の返済負担は大きくなるため、キャッシュフローを確保することは難しくなります。ですが、低金利な上に返済期間が短いことを考えると、返済総額で考えた場合、その他の金融機関と比較しても、かなり金額を抑えることができます。

「投資」ではなく「事業」に対しての融資

日本政策金融公庫は貸倒れリスクを最小限に抑えるため「投資」を目的とした融資を対象としておらず、「事業」を目的とした融資が中心になっています。

勿論、賃貸経営は事業として認められていますが、売買益(キャピタルゲイン)を目的とした借入の場合は投機的と判断されてしまい融資を受けられない可能性が高くなります。

そのため、言い回しの問題ではありますが、「不動産投資」という言葉は使わずに、なるべく「賃貸経営」のように、事業としての取り組みであることを伝える必要があります。

ちなみに、日本政策金融公庫の審査については、事業の見通しや資金繰り・資産状況などについて詳しく調査される事になり、融資申し込み時には借入申込書等の必要書類の提出や面談などもあります。

融資の審査を受ける際には「投資」をいう言葉を使うのは控えましょう。

延滞や滞納には特に厳しい

政府金融機関という事もあり、借入金や公共料金の支払い延滞や、税金の滞納などの支払い漏れが無い事も融資条件となります。

属性によっては優遇がある

日本政策金融公庫は、以下のような社会的弱者と言われる人たちに対してに優遇処置が設けられています。

日本政策金融公庫の属性ごとの貸出期間と金利の優遇
融資希望者の属性最長の借入期間金利の優遇
女性(年齢不問)15年間 ※条件次第で20年間年間最大0.4%
29歳以下の若者15年間年間最大0.4%
55歳以上の高齢者15年間年間最大0.4%
30歳以上〜55歳以下の男性10年間特になし

個人的には高齢者や女性のことを一概に社会的弱者とは思いませんが、これらの属性の人に対しては、返済期間や貸出金利などでそれぞれ優遇されます。

一方、事業に対しての融資という意味合いを持っているため、本来は高属性とされている会社員や公務員に対しては、特に大きな優遇などはありません。

基本的に金融機関からの融資は高属性の人に対しては良い条件で融資を受けることができますが、日本政策金融公庫の場合は社会的弱者の方が良い条件での融資となります。

民間の金融機関などと違い利益の追求を重視している訳ではなく、セーフティネットの意味合いを持つ金融機関となります。

まずは事前に相談し、自分にはどのような優遇が適応されるかを把握した方が無難です。

日本政策金融公庫は社会的弱者に対しての優遇処置が設けられています。
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日本政策金融公庫の申し込みの手続き方法

基本的に日本政策金融公庫の申し込みの手続きには以下のようなステップになっています。

  1. 事前相談(電話または窓口訪問)
  2. 借入申込書およびその他の必要書類の提出
  3. 面接
  4. 融資決定
  5. 返済開始

一般的な金融機関と比べると、かなり手間が掛かりますね。

実際に申し込みを行う場合は、一度、日本政策金融公庫のホームページを確認してみることをオススメします。

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その他の金融機関と並行して検討してみる

 

低金利な融資先を探す事は利回りの高い物件を探す事と同じくらい大切な事です。

上記でも記載しましたが、日本政策金融公庫の融資条件として担保となる物件を提供できることが大前提となります。そのため、提供できる物件がない場合は融資を受けることは難しいかもしれません。

ただ、一概には言えませんが、融資の基準としては意外と敷居が低かったりもするため、その他の金融機関で融資が下りない場合は、一度、検討してみても良いかもしれません。

ちなみに不動産投資の世界で、日本政策金融公庫以外に有名とされている金融機関には以下のような融資元が含まれます。

  • スルガ銀行
  • 静岡銀行
  • オリックス銀行
  • ジャックス

これらの金融機関と並行して、自分にとって一番良い条件の融資を目指すことで最大限の成果に繋がると思います。

また、ジャックスやオリックス銀行の融資条件についてはこちらの記事で分かりやすく解説していますので、是非、あわせて読んで頂ければと思います。

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