頭金は無くて良い?住宅ローン減税を考慮したマイホーム購入時の考え方

住宅ローン金利

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マイホームを購入する際、購入時の頭金をどれくらい支払うべきか(準備できるか)は家計によって異なります。

「とりあえず物件価格の30%くらい」などと考える方もいるかもしれませんが、その計算だと安定した返済計画を考える上で余り根拠が無いように思えます。

将来想定される収入額や今後の必要資金など、自身の返済能力を踏まえて判断する方が無難です。

ただ、最近の低金利によりその辺りの判断方法がすごくシンプルになっているような気がします。結論から先に言うと住宅ローン減税を利用する場合、頭金は少なければ少ない方が返済総額がお得になりやすい傾向にあります。

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今さらながら住宅ローン減税とは

住宅ローン減税とは銀行などの金融機関から住宅ローンを利用し自身の入居用としての住宅を購入する場合に負担を軽減してくれる制度です。

具体的には年末時点でのローン残高に対して1%分を10年間納めた税金(所得税および住民税)から控除してくれます。

そして、この制度は新築物件だけではなく中古物件にも適応されますし、規模によってはリフォームなどの場合にも適応されます。

住宅ローン減税が適応されるかについてはかなり細かい判断基準がありますが、新築や比較的築浅の物件購入であれば基本的には適応されるはずです。

全て把握するのは大変ですが、主なポイントはこんな感じです。

  • 年間合計所得が3,000万円以下
  • 住宅ローンを10年以上借入れる
  • 床面積が50㎡以上
  • 木造は築20年まで
  • コンクリート造は築25年まで
  • リフォームは増改築費用が100万円以上
  • 物件購入の上限額は4,000万円まで

ただ住宅ローン減税は「少しでもマイホームを買いやすくするための政策」なので、社会情勢によって微妙に数値が変わり続けています。

特に消費税率の影響は大きく受けるはずなので、今のルールが長期的に続く訳ではありません。(予定では2019年までの期限付き)なのでマイホームを購入するタイミングで改めてチェックしておくべきです。

ちなみに投資用物件には(購入者が入居する訳では無いため)残念ながら住宅ローン減税は適応されません。

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低金利時代の考え方

最近の住宅ローン金利は本当に低いですよね。変更金利はおろか固定金利ですら1%前後の水準です。驚きです。

そして「住宅ローン減税で控除される1%よりも支払うべき住宅ローン金利の方が低い」と言うことは「住宅ローン減税を適応している期間はお金を沢山借りている方が(その分控除されるため)お得になる」ことを意味します。

少しややこしいですね。

要するに頑張って多額の初期費用(頭金)を準備するよりも、購入時は融資を受けるために最低限必要となる頭金(例えば10%とか)だけを支払い、残りはしっかり溜めておく。(できれば運用しておく)

そして、住宅ローン減税適応期間の終了後(融資開始から11年目以降)に可能な範囲で一括返済する方が、総返済額は安くなる傾向にあります。

また、上限額(4,000万円)以下の場合は少しでも大きい金額を借り続ける方が良いため返済期間もできるだけ長く(35年などに)した方が良いです。

もう少し具体的な事例をあげたいと思います。

例えば2,500万円のマンションを頭金無しで購入するとしましょう。

年間利子率は0.625%で10年間変動しないと仮定します。

返済期間は2016年の7月からとした場合、当初約10年間の支払利息の合計は住宅ローン控除満了時である2025年12月末で1,292,366円です。

一方、住宅ローン控除により返ってくる金額は2,179,238円です。
※下の表の各期末残高の1%を合計すると2,179,238円になります。

その結果、当初10年間の差引損益は886,872円であり、この金額が税金の還付による利益となります。10年間に支払う利息分よりも10年間の控除される住宅ローン減税の方が大きいため、事実上のマイナス金利になります!

支払日期末残高支払利息累計
2016年24,733,392円64,827円
2017年24,090,695円217,571円
2018年23,443,969円366,288円
2019年22,793,190円510,950円
2020年22,138,332円651,534円
2021年21,479,369円788,013円
2022年20,816,276円920,362円
2023年20,149,026円1,048,554円
2024年19,477,594円1,172,564円
2025年18,801,954円1,292,366円

ちなみに、フラット35などは団体信用保険は別加入になりますが、一般の金融機関の場合、住宅ローンに団体信用保険分が既に含まれていることもあるので、その場合は団体信用保険分は別として換算することになります。

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抑えておきたい注意点は

現時点で住宅ローン減税が適応される上限金額は4,000万円です。(認定長期優良又は低炭素住宅の場合は5,000万円だそうです)。なので、それ以上の高級住宅を購入しても控除額は変わりません。

また、住宅ローン減税は「お金がもらえる」のではなく「支払った所得税および住民税から控除される」仕組みです。そのため所得税や住民税を支払っていないと返ってきません。

確定申告をすることで、その年に支払った所得税から控除され、もし所得税だけで全て控除されない場合は翌年の住民税から残り分が控除されます。

ちなみに年収400万円の場合、所得税と住民税の合計は25万円程です。

が、住民税から控除される上限額は年間136,500円までと決められています。無駄にややこしいです。

それから、今回の内容だと住宅ローン減税(1%)から借入れ金利の利率を差し引いた分がそのままマイナス金利分になる訳なので(これはどんな状況でも言えることですが)そもそもの借入れ金利を低く抑えることが一番大切です。

なるべく低金利で借入れができる金融機関を選びましょう。※固定金利などで借入金利が1%を超えている場合は、そもそもこの仕組み自体が成り立たないです。

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最後に意外な落とし穴とし融資手数料があります。

一般的に融資手数料は融資額に比例します。仮に融資手数料が2%の場合、2,000万円の借入れであれば40万円ですが、4,000万円の借入れであれば80万円です。

この差(40万円)は結構大きいので場合によっては住宅ローン金利の仕組みを利用し僅かにマイナス金利を生み出したとしても、一気に覆ってしまう可能性もゼロではありません。

意外と盲点だったりします…

今回の比較はあくまで返済総額に対する損得のみに着目してみました。当然のことながら住宅ローン減税の控除額をマンション購入金額の判断材料とするのは正しくありません。。。

なので、あくまで購入金額は自身の返済能力や家庭として必要な大きさや立地を踏まえて考えるべきです。そして借入れ金額が確定した上で返済計画を調整して住宅ローン減税の恩恵を少しでも受けれるような考え方が良いと思います。

 


この記事は2016年07月11日に日刊不動産投資Libraryにて転載させていただきました。

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楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
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