FP試験の「不動産」分野は、計算問題と暗号のような用語が多く敬遠されがちですが、「数字(期間・%・面積)」さえセットで覚えれば確実に得点源になります。
2026年は3つの大改正が試験に直撃します:①住所等変更登記の義務化(2026年4月1日施行)、②省エネ基準の完全義務化(2025年4月1日施行)、③空き家3000万円控除の改正(相続人3人以上で2,000万円に減額)。さらに、2024年4月から始まった相続登記の義務化は運用2年目で、過去分の遡及適用(2027年3月31日が期限)も差し迫っています。
本記事では、法務省・国交省・国税庁の一次情報に基づき、2026年改正で新たに頻出論点となる項目を、FP試験対策に特化して整理します。
- 相続登記 義務化 FP試験:3年以内・10万円以下の過料/既存相続は2027/3末まで/相続人申告登記で簡便履行可
- 住所変更登記 義務化 2026 FP:2026/4/1施行・2年以内・5万円以下の過料/既存変更は2028/3末まで
- 省エネ基準 完全義務化 FP試験:2025/4/1施行・全新築対象・適合しないと建築確認NG
- 管理不全空家 固定資産税 6倍:勧告で住宅用地特例(1/6)解除→最大6倍に
- 居住用財産 3000万円控除 所有期間:所有期間を問わず適用
- 空き家3000万円控除 相続人3人 改正:2024年改正で相続人3人以上は2,000万円に減額/期限2027/12末
- 媒介契約 5日 7日 暗記:専属専任5日・1週/専任7日・2週/一般任意
- 田園住居地域 FP試験:2018/4新設・農業と調和した住居系の13番目
- FP 法令基準日 2026 不動産:4-5月=2025/4/1基準/6月以降=2026/4/1基準
- 4つの公的価格:路線価=公示価格80%/固定資産税評価額=70%
- FP3級・2級受験を控えており、2026年改正の不動産論点をピンポイントで押さえたい方
- 住所変更登記義務化(2026/4/1施行)が試験でいつから出題対象になるか知りたい方
- 省エネ基準完全義務化と空き家対策強化の最新ルールを整理したい方
- 居住用3000万円控除と空き家3000万円控除(相続人3人改正)の違いを区別したい方
- 媒介契約「5日・7日」など数字セット暗記の最終確認をしたい方
- 2026年のFP法令基準日の境界線を理解したい方
日本FP協会のCBT試験は、実施月によって法令基準日が異なります。
| CBT実施月 | 法令基準日 | 住所変更登記義務化(2026/4/1施行) |
|---|---|---|
| 2026年4月〜5月 | 2025年4月1日 | 出題範囲外 |
| 2026年6月〜2027年5月 | 2026年4月1日 | 出題対象 |
→ 2026年6月以降の試験から、住所等変更登記義務化が初めて出題対象。受験月によって押さえるべき範囲が1年スライドする点に注意。
- 📜 相続登記 義務化 FP試験(運用2年目・既存相続の期限が迫る)
- 🆕 住所変更登記 義務化 2026 FP(2026年4月1日施行・最新論点)
- 🏗 省エネ基準 完全義務化 FP試験(2025年4月1日施行・必出)
- 🏠 管理不全空家 固定資産税 6倍(2023年改正特措法・運用3年目)
- 💰 居住用財産 3000万円控除 所有期間(マイホーム特例)
- 🏚 空き家3000万円控除 相続人3人 改正(2024年改正・最重要)
- 🤝 媒介契約 5日 7日 暗記(FP試験の数字頻出)
- 🌾 田園住居地域 FP試験(13用途地域中の最新類型)
- 💴 不動産税金の補足(譲渡時の必須数字)
- 📊 4つの公的価格(暗記表)
- 🗺 都市計画法・建築基準法の数字暗記(法令上の制限)
- 📜 不動産登記・対抗要件の数字暗記
- 🏘 借地借家法・宅建業法の数字暗記(FP試験頻出)
- 💹 不動産の利回り・収益還元法(FP試験 計算問題)
- 📐 不動産取得税・登録免許税の数字暗記
- ❓ よくある質問(FAQ)
- 📝 まとめ──攻略のコツ:数字をセットで覚える
- 📖 この記事の根拠(出典・参考)
- 🔗 あわせて読みたい(FP試験対策シリーズ)
📜 相続登記 義務化 FP試験(運用2年目・既存相続の期限が迫る)
2024年4月1日施行の改正不動産登記法により、相続登記が義務化されました。FP試験では「3年・10万円」をセットで暗記してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施行日 | 2024年4月1日 |
| 申請期限 | 「相続の開始+所有権取得を知った日」から3年以内 |
| 違反時の制裁 | 正当な理由なく怠った場合10万円以下の過料 |
| 既存相続の経過措置 | 2024/4/1より前の相続も対象。2027年3月31日までに登記必須 |
相続人申告登記 FP試験対策(簡便履行制度)
遺産分割が長引いて期限内に登記できないケースの救済策として、相続人申告登記という制度が用意されています。
- 「自らが登記簿上の所有者の相続人であること」を期限内に登記官に申し出る
- 特定の相続人が単独で申し出可能(他相続人分の代理申出も可)
- これで「申請義務は履行」したことになる
- ただし権利関係を公示するものではないため、売却・抵当権設定には改めて相続登記が必要
- 遺産分割後の登記義務は相続人申告登記では履行不可


🆕 住所変更登記 義務化 2026 FP(2026年4月1日施行・最新論点)
2026年4月1日に施行された住所変更登記の義務化は、2026年6月以降のFP試験で初登場の論点です。相続登記との対比で覚えるのが効率的です。
| 項目 | 相続登記 | 住所等変更登記 |
|---|---|---|
| 施行日 | 2024年4月1日 | 2026年4月1日 |
| 申請期限 | 3年以内 | 2年以内 |
| 過料 | 10万円以下 | 5万円以下(半額) |
| 既存分の経過措置 | 2027年3月31日まで | 2028年3月31日まで |
| 対象 | 相続による所有権取得 | 所有権登記名義人の氏名・名称・住所変更 |
スマート変更登記制度(FP試験で問われる可能性あり)
- 本人の申出と検索用情報(生年月日等)を法務局に登録
- 住基ネットと連携して職権で自動的に変更登記(自然人)
- 法人は商業・法人登記システムと連携で原則自動
🏗 省エネ基準 完全義務化 FP試験(2025年4月1日施行・必出)
- 300㎡以上の中・大規模非住宅のみ適合義務
- 住宅は説明義務(300㎡以上)/届出義務制度(300㎡以上)
- すべての新築住宅・非住宅で省エネ基準適合義務(10㎡以下を除く)
- 適合しないと建築確認が下りない=建築できない
- 説明義務制度・届出義務制度は2025年4月1日以降廃止
FP試験での出題予想:「2025年4月1日以降に着工される新築住宅は、省エネ基準への適合が義務化されており、適合しなければ建築確認が下りない」――この知識が問われます。「説明義務制度・届出義務制度はもう存在しない」点も引っかけポイント。
🏠 管理不全空家 固定資産税 6倍(2023年改正特措法・運用3年目)
2023年12月13日施行の改正空家等対策特別措置法により、新たに「管理不全空家」という概念が導入されました。FP試験での出題ポイントは「勧告を受けると固定資産税が最大6倍」です。
「管理不全空家」と「特定空家」の区分
| 区分 | 状態 | 市町村長の対応 |
|---|---|---|
| 管理不全空家(新設) | 放置すれば「特定空家」に該当するおそれがある状態 | 指導・勧告 |
| 特定空家(従来) | 倒壊危険・衛生有害・著しく景観を損なう・その他放置不適切のおそれ | 指導・勧告・命令・代執行 |
固定資産税住宅用地特例の解除(最大6倍の経済的インパクト)
勧告を受けた管理不全空家・特定空家は、固定資産税の住宅用地特例から除外されます。
| 区分 | 通常(住宅用地) | 勧告後(特例解除) |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 評価額×1/6 | 評価額×1(最大6倍) |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 評価額×1/3 | 評価額×1(最大3倍) |
「勧告→1/6特例の解除→固定資産税6倍」という流れがFP試験で問われます。空家等活用促進区域では中心市街地等で用途規制を緩和できる新制度も同改正で創設されました。
💰 居住用財産 3000万円控除 所有期間(マイホーム特例)
マイホームを売った時の最強の優遇策。所有期間の長短は問わないのが最大の特徴。FP試験では「所有期間を問わず適用可」が定番の引っかけポイントです。
5要件(すべて該当が必要)
- 自分が住んでいる家屋を売る、または家屋とともに敷地・借地権を売る
- 以前住んでいた家屋等は、住まなくなった日から3年経過する日の属する年の12月31日までに売却
- 売った年の前年・前々年に同特例または譲渡損失特例の適用を受けていない
- 売却年の前年・前々年・当年に買換え・交換特例の適用を受けていない
- 親子・夫婦など特別関係者への譲渡でない
居住用財産の軽減税率特例(10年超所有)との併用
- 所有期間10年超の居住用財産
- 3,000万円特別控除後の譲渡所得6,000万円以下の部分:14%(所得税10%+住民税4%)
- 6,000万円超の部分:20%
- 3,000万円特別控除と併用可
🏚 空き家3000万円控除 相続人3人 改正(2024年改正・最重要)
被相続人居住用財産(空き家)3,000万円特別控除は、2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡から、相続人3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に減額される改正が入っています。FP試験で最も差がつく改正論点の一つ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適用期間 | 平成28年4月1日〜令和9年(2027年)12月31日まで |
| 売却代金 | 1億円以下 |
| 建物の耐震要件 | 旧耐震(昭和56年5月31日以前建築)が対象 |
| 譲渡期限 | 相続開始から3年経過する日の属する年の12月31日まで |
| 控除額(相続人1〜2人) | 1人あたり3,000万円 |
| 控除額(相続人3人以上) | 1人あたり2,000万円に減額(2024/1/1以後の譲渡) |
| 耐震・取壊しの要件 | 2024年改正で買主が翌年2月15日までに耐震改修・取壊しでも可 |
居住用3000万円控除との比較(要点)
| 項目 | 居住用財産(マイホーム) | 空き家(被相続人居住用) |
|---|---|---|
| 所有期間要件 | 問わない | 問わない |
| 期限 | なし(恒久措置) | 2027年12月31日まで |
| 売却代金上限 | なし | 1億円以下 |
| 耐震要件 | なし | 旧耐震(昭和56/5/31以前) |
| 相続人3人以上 | ― | 1人あたり2,000万円に減額 |
🤝 媒介契約 5日 7日 暗記(FP試験の数字頻出)
媒介契約3種類の数字は、不動産分野の暗記項目で最も差がつく論点。「専属専任5日・1週・3か月/専任7日・2週・3か月/一般任意」を一気に覚えてください。
| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 他業者への重ねての依頼 | ⭕ | ❌ | ❌ |
| 自己発見取引 | ⭕ | ⭕ | ❌ |
| 契約有効期間 | 法定なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
| 業務処理状況の報告義務 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| レインズ登録義務 | 任意 | 7日以内 | 5日以内 |
暗記法(語呂合わせ)
- 専属専任は最も縛りが強い→「5日」「1週間」
- 専任は中間→「7日」「2週間」
- 一般は緩い→「任意」「報告なし」
- 有効期間は専任系のみ3か月以内(自動更新特約は無効、依頼者の申出で更新可)
2025年1月1日からはレインズで取引状況(公開中/申込みあり/停止中)の登録が必須化されています(囲い込み防止)。
🌾 田園住居地域 FP試験(13用途地域中の最新類型)
用途地域は全部で13種類。そのうち田園住居地域は2018年4月1日に新設された比較的新しい類型で、FP試験では「13番目の最新住居系」として頻出。
用途地域13種類(覚え方:住居系8/商業系2/工業系3)
| 系統 | 用途地域 |
|---|---|
| 住居系(8) | 第一種低層住居専用/第二種低層住居専用/第一種中高層住居専用/第二種中高層住居専用/第一種住居/第二種住居/準住居/田園住居(2018/4新設) |
| 商業系(2) | 近隣商業/商業 |
| 工業系(3) | 準工業/工業/工業専用 |
田園住居地域の出題ポイント
- 「農業と調和した低層住宅地」が特徴
- 農産物の直売所が建てられる点が他の住居系と異なる(第二種低層住居専用地域では建てられない)
- 建ぺい率・容積率は第一種低層住居専用地域に準じる規制水準
- 市街化区域の縁辺部、立地適正化計画の居住誘導区域外を主な対象
引っかけポイント:「工業地域・工業専用地域では学校・病院・ホテルが建てられない」(工業専用は住宅も不可)――これも頻出。
💴 不動産税金の補足(譲渡時の必須数字)
譲渡所得は申告分離課税。長期・短期の判定は「譲渡した年の1月1日現在」の所有期間で行います(実所有期間ではない)。
| 区分 | 所有期間(譲渡年1/1基準) | 合計税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20%(所得税15%+住民税5%) |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39%(所得税30%+住民税9%) |
※2037年まで復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)が上乗せ。実効税率は長期約20.315%/短期約39.63%。
住宅用地の課税標準特例(FP頻出)
- 小規模住宅用地(200㎡以下):固定資産税は評価額×1/6/都市計画税は1/3
- 一般住宅用地(200㎡超):固定資産税は評価額×1/3/都市計画税は2/3
📊 4つの公的価格(暗記表)
| 項目 | ①公示価格 | ②基準地価 | ③相続税路線価 | ④固定資産税評価額 |
|---|---|---|---|---|
| 所管 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 | 市町村 |
| 基準日 | 毎年1月1日 | 毎年7月1日 | 毎年1月1日 | 3年に1度 |
| 公表 | 3月 | 9月 | 7月 | 基準年度の4月 |
| 水準 | 100% | 公示と同水準 | 約80% | 約70% |
- 令和6年度(2024年度)が基準年度=評価替え実施
- 令和7・8年度(2025・2026年度)は据置年度
- 次回評価替えは令和9年度(2027年度)
- FP試験では「2026年は3年に1度の評価替えの中間年」と問われる
🗺 都市計画法・建築基準法の数字暗記(法令上の制限)
不動産の法令上の制限もFP試験頻出です。用途地域・建蔽率・容積率の数字を表で押さえます。
| 論点 | 数字・基準 | ひっかけ |
|---|---|---|
| 用途地域の種類 | 住居系8+商業系2+工業系3=計13用途地域(田園住居含む) | 「12」「14」と誤りで出る |
| 第一種低層住居専用 高さ制限 | 10mまたは12m(絶対高さ制限) | 「15m」と誤りで出る |
| 接道義務 | 建築基準法上の道路に2m以上接していること | 「3m」と誤りで出る |
| 市街化区域・市街化調整区域 | 市街化区域は用途地域を必ず定める/調整区域は原則建築不可 | 調整区域に用途地域を定めると誤りで出る |
| 開発許可の規模基準 | 市街化区域:1,000㎡以上/調整区域:原則すべて/非線引区域:3,000㎡以上 | 区分ごとの面積を逆に問う |
📜 不動産登記・対抗要件の数字暗記
登記まわりはFP試験で頻出のうえ、相続登記・住所変更登記の義務化で改正論点も増えています。
- 対抗要件:不動産物権変動は登記が対抗要件(民法177条)。引渡しではなく登記
- 公信力:不動産登記には公信力なし。登記を信頼しても保護されない(動産は公信力あり)
- 抵当権の順位:登記の先後で決まる。同順位は債権額に応じて按分
- 仮登記:本登記の順位を保全するための予備的登記。本登記時に仮登記の順位を取得
- 登記識別情報:12桁の英数字。権利書(旧来の登記済証)の代替として2005年〜運用
- 2023年12月13日 空家対策特別措置法改正(管理不全空家を新設・勧告で住宅用地特例除外)
- 2024年1月1日 空き家3,000万円控除の相続人3人改正(按分要件導入)
- 2024年4月1日 相続登記の義務化(取得を知った日から3年以内・10万円以下の過料)
- 2025年4月1日 建築物省エネ法 完全義務化(全ての新築住宅で省エネ基準適合義務)
- 2026年4月1日 住所変更登記の義務化(住所変更日から2年以内・5万円以下の過料)
🏘 借地借家法・宅建業法の数字暗記(FP試験頻出)
FP試験の不動産分野では、登記や税制と並んで借地借家法・宅建業法の「数字」が頻出します。覚えるべき期間・割合を整理しておきます。
| 論点 | 数字・期間 | ひっかけ |
|---|---|---|
| 普通建物賃貸借 最短期間 | 1年未満は「期間の定めなし」扱い | 「6か月」「半年」と問われたら期間の定めなし |
| 普通借地権 最短存続期間 | 30年(最初の更新後20年・以降10年) | 「20年」と書いてあったら更新後の話 |
| 定期借地権(一般) | 50年以上・更新なし・建物買取請求権なし | 事業用定期借地権は10年以上50年未満 |
| 建物賃貸借 更新拒絶通知 | 期間満了の6か月〜1年前に通知+正当事由 | 通知だけでなく「正当事由」が必須 |
| 宅建業者の手付金保全措置 | 未完成物件代金の5%超 or 1,000万円超/完成物件 10%超 or 1,000万円超 | 「5%」と「10%」を逆に問う設問が多い |
| クーリングオフ | 事務所等以外で買受申込→書面告知から8日以内で撤回可 | 書面告知が無いと無期限で可 |
“FP不動産の合否は『数字暗記』で決まる。1セット2分の反復で得点源になる。”
— FP2級・3級の不動産分野で点を取るための鉄則
💹 不動産の利回り・収益還元法(FP試験 計算問題)
FP試験では利回り計算と収益還元法も頻出です。電卓を使って3秒で答えられるよう、公式を体に染み込ませておきましょう。
| 指標 | 公式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表面利回り(グロス) | 年間家賃収入 ÷ 物件価格 | 経費・空室を考慮しない単純利回り |
| 実質利回り(ネット) | (年間家賃 − 諸経費)÷(物件価格+諸経費) | 経費と取得諸費用を考慮 |
| 直接還元法(収益還元法) | 純収益 ÷ 還元利回り | 純収益(NOI)と還元利回り(cap rate)で物件価値を算出 |
| DCF法 | 将来キャッシュフローと売却価格を割引率で現在価値化して合計 | 不動産鑑定評価の主要手法 |
| NOI(Net Operating Income) | 年間家賃 − 運営経費(管理費・固都税・修繕積立・空室損) | ローン返済・所得税は差し引かない |
収益還元法の典型問題:「純収益500万円、還元利回り5%の物件価格は?」→ 500万円 ÷ 5% = 1億円。電卓不要で即答できるレベルまで反復しましょう。
📐 不動産取得税・登録免許税の数字暗記
不動産取得時の税金もFP試験頻出です。税率と特例の数字を表で押さえます。
| 税目 | 本則税率 | 軽減税率(住宅・土地) |
|---|---|---|
| 不動産取得税(住宅・土地) | 4% | 3%(令和9年3月31日まで) |
| 登録免許税 所有権移転(売買) | 2.0% | 住宅家屋0.3%(軽減措置) |
| 抵当権設定登記 | 0.4% | 住宅家屋0.1%(軽減措置) |
| 固定資産税(標準税率) | 1.4% | 小規模住宅用地は課税標準を1/6(200㎡以下) |
| 都市計画税(制限税率) | 0.3% | 小規模住宅用地は課税標準を1/3 |
不動産取得・保有の税金の全体像は大家のための固定資産税・都市計画税|住宅用地特例・償却資産税・解体6倍リスク・関西の実務ガイドでも整理しています。FP試験の不動産分野では、これらの数字を独立した暗記項目として記憶せず、「取得→保有→譲渡」のフェーズごとに体系化すると、応用問題でも対応できます。譲渡所得の税率(短期39%/長期20%)、特定居住用財産の譲渡所得3,000万円控除、買換え特例、軽減税率(10年超で14%)も同じ枠組みで覚えるのがコツです。住所変更登記の義務化(2026年4月)・相続登記の義務化(2024年4月)も含めて、改正点は「いつから・誰に・いくらの過料」の3点セットで一気に押さえると、応用問題で迷いません。

関西を中心に活動する不動産投資家・15年以上の実務経験。楽待新聞コラムニスト。本記事は法務省・国土交通省・国税庁の一次情報と、FP試験の公式テキスト・過去問の傾向分析に基づいて構成しています(2026年5月時点で確認)。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 相続登記 義務化 FP試験で必須の数字は?
A. 「3年以内・10万円以下の過料」。施行は2024年4月1日、既存相続も対象で2027年3月31日までに登記必須。期限内に遺産分割が決まらない場合は相続人申告登記で簡便履行できる点も頻出。
Q2. 住所変更登記 義務化 2026 FPの試験範囲はいつから?
A. 2026年6月以降の試験から出題対象です。日本FP協会CBT試験は4〜5月実施分は法令基準日2025/4/1、6月以降は2026/4/1にスライド。施行日は2026年4月1日、2年以内・5万円以下の過料、既存変更は2028年3月31日まで。
Q3. 相続人申告登記 FPで覚えるべきポイントは?
A. 「単独で申し出可能・期限内に履行できる救済策」。ただし権利関係を公示しないため、売却・抵当権設定には改めて相続登記が必要。遺産分割後の登記義務はこの制度では履行不可です。
Q4. 省エネ基準 完全義務化 FP試験での問われ方は?
A. 「2025年4月1日以降に着工される新築住宅は省エネ基準への適合が義務化されており、適合しないと建築確認が下りない」。さらに「説明義務制度・届出義務制度は2025/4/1以降廃止」も引っかけポイント。
Q5. 管理不全空家 固定資産税 6倍とはどういう意味?
A. 2023年12月改正特措法で「管理不全空家」が新設され、市町村長から勧告を受けると固定資産税住宅用地特例(1/6)から除外。1/6特例が外れると固定資産税が最大6倍になります。
Q6. 居住用財産 3000万円控除 所有期間の要件は?
A. 所有期間の長短は問いません。これがマイホーム特例の最大の利点。前年・前々年に同特例または譲渡損失特例を受けていないこと、特別関係者への譲渡でないこと等の要件があります。所有期間10年超なら軽減税率特例(14%)と併用可。
Q7. 空き家3000万円控除 相続人3人 改正のポイントは?
A. 2024年1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上の場合は控除額が1人あたり2,000万円に減額。1〜2人なら従来通り1人あたり3,000万円。期限は令和9年(2027年)12月31日まで、売却代金1億円以下、旧耐震(昭和56年5月31日以前建築)が対象です。
Q8. 媒介契約 5日 7日 暗記のコツは?
A. 専属専任=最も縛り強い=5日・1週間・3か月・自己発見不可/専任=7日・2週間・3か月・自己発見可/一般=任意・報告なし・他社可。「専属専任は5日のレインズ登録、1週間に1回の報告」をコアに覚えると派生で全て出てきます。
Q9. 田園住居地域 FP試験での出題ポイントは?
A. 2018年4月1日新設の13番目の用途地域で、住居系8種類のうちの最新類型。農業と調和した低層住宅地で「農産物の直売所」が建てられる点が他の住居系と異なる。建ぺい率・容積率は第一種低層住居専用地域に準じます。
Q10. FP 法令基準日 2026 不動産で何が変わる?
A. 2026年6月以降の試験から法令基準日が2026年4月1日にスライドし、住所等変更登記義務化(2026/4/1施行)が出題対象になります。4〜5月受験者は2025年4月1日基準なので、住所変更登記の改正は出題範囲外(ただし相続登記義務化、省エネ完全義務化、空き家3000万円控除改正はすべて出題範囲)。
📝 まとめ──攻略のコツ:数字をセットで覚える
不動産分野は「数字(期間・%・面積)」が命です。最短ルートは「数字をセットで覚える」こと。
| テーマ | 数字セット |
|---|---|
| 登記義務化(2024〜2026年改正) | 相続登記3年・10万円以下/住所変更2年・5万円以下 |
| 媒介契約(5日・7日暗記) | 専属専任5日・1週間・3か月/専任7日・2週間・3か月 |
| 譲渡所得 | 長期5年超・約20%/短期5年以下・約39% |
| 3,000万円控除 | 居住用は所有期間問わず/空き家は令和9年12月末まで・1億円以下・相続人3人以上で2,000万円 |
| 公的価格 | 公示100%/路線価80%・7月/固定70%・3年に1度 |
| 住宅用地特例 | 小規模200㎡以下・1/6/一般200㎡超・1/3 |
| 管理不全空家の影響 | 勧告→特例解除→固定資産税最大6倍 |
| 省エネ完全義務化 | 2025/4/1施行・全新築・適合しないと建築確認NG |
📖 この記事の根拠(出典・参考)
- 相続登記・住所等変更登記の義務化:法務省民事局「相続登記の申請義務化」「住所等変更登記の義務化」のQ&A/改正不動産登記法第76条の2、第76条の5
- 相続人申告登記:法務省民事局「相続人申告登記制度」
- 省エネ基準完全義務化:国土交通省住宅局「建築物省エネ法 最新の法令」「省エネ基準適合義務の対象拡大」(2025年4月1日施行)
- 空家等対策特別措置法(2023年改正):国土交通省住宅局/管理不全空家・空家等活用促進区域の運用
- 用途地域・田園住居地域:国土交通省都市局「用途地域」「田園住居地域」(2018年4月1日新設)
- 媒介契約・宅建業法:国土交通省「標準媒介契約約款」
- 4つの公的価格:国交省「地価公示」/国税庁「令和7年分の路線価等」/総務省「固定資産税の概要」
- 譲渡所得の特例:国税庁「No.3208 長期譲渡所得」「No.3211 短期譲渡所得」「No.3302 マイホームを売ったときの特例」「No.3306 空き家を売ったときの特例」
- FP試験法令基準日:日本FP協会「2026年度CBT試験 法令基準日」/きんざい「法令基準日」
2026年改正対応のFP試験不動産分野は、過去問演習と本記事の数字暗記表を併用すると効率的に得点源化できます。
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