自宅兼事務所の費用を経費計上し税金負担を軽減する時の注意点

税金・確定申告

自宅の一部を事業所として使用している場合、その部分の家賃や管理費、その他の公共料金(光熱費)などを経費として計上することができます。

数ある生活費の中でも家賃などの固定費は最も大きなバリュームを占めているので、この辺りのコストを経費として計上することができれば大きな効果が得られます。

ただ「一体どこまでの範囲を経費として計上できるか?」は少し悩ましいところです。

最近ではフリーランスや在宅のような主にIT系の事業を経営されていたりSOHOの形態で働いている方を中心に少し気になるところかもしれないですね。

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そもそも経費とは?

経費とは売上を稼ぐ(所得を得る)ために必要となったお金のことです。

例えば不動産で所得の場合は仲介会社や管理会社に支払う手数料だったり、物件をメンテナンスするための維持管理に掛かるお金のことです。

一方、個人事業主として所得を得るためには、仕事で利用するパソコンや知識習得のために必要となった参考書の購入費や勉強会の参加費なども経費として計上できます。

IT関係の事業(フリーランスなど)であれば経費として計上できるお金は限られるかもしれませんが、個人事業主の中でも飲食店や美容室などを経営する場合はその作業を提供するためのスペースが必要になり、その賃料を経費として計上することができれば、利益を圧縮し税金や社会保険料を抑えることができそうです。

賃料を経費として計上できれば、利益を圧縮し節税対策につながります。
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事業部分の割り合いを明確に証明することが大切

自宅兼事務所の家賃や管理費、その他の公共料金(光熱費)などを経費として計上する場合、一概に「10%までは経費として計上できる」というような基準はありません。

事業内容によってもケース・バイ・ケースなので自宅の一部分を事業のために使用しているのであればその部分を明確にした上で必要経費として計上する必要があります。

その中で大きなポイントは業務への必要性と範囲(床面積)が明確になっていることです。

言いかえれば「この部屋は事業専用の部屋」と定義できてさえいれば問題ありません。

逆に一般的な生活費であるいわゆる「家事関連費」は経費に含まれないので、その辺りの切り分けが難しいです。

賃料を経費として計上するには、業務への必要性がポイントとなります。

賃貸物件の事業部分を経費計上する場合

賃貸物件を借りている場合は以下のような項目について「事業として利用した」ことを証明することになります。

  • 家賃
  • 管理費
  • 水道代、電気代
  • インターネット利用料

賃貸物件を事業部分として活用している場合、家賃や管理費のように実際に支払っている金額が計算基準となるため自己所有物件を事業部分として活用している場合よりもシンプルでイメージしやすいかもしれません。

自己所有物件の事業部分を経費計上する場合

一方、自己所有物件を事業部分として利用する場合には以下の項目について意識することになります。

  • 住宅ローンの金利
  • 減価償却費
  • 固定資産税
  • 火災保険料、地震保険料
  • 管理費
  • 水道代、電気代
  • インターネット利用料

賃貸物件を事業部分として利用する場合に比べて一番の大きなポイントは、月々の返済する家賃では無く、減価償却費が基準となるところです。

減価償却とは複数年利用し続ける一定金額以上の資産に対して、耐用年数(減価償却期間)に応じて少しずつ経費として計上する考え方のことです。

自己所有物件の場合は物件購入時に支払う頭金の金額や月々の返済計画によって、仮に同じような物件を購入した場合でも返済額が大きく変わってしまうからなんですね。

自己所有物件を事業部分として利用する場合は、減価償却費や固定資産税など普段意識しない項目が含まれてくるため少し複雑なイメージになるかもしれません。

細かな考え方については税務署に直接相談するのが一番間違いないと思います。

ちなみに減価償却費については以下の記事でもう少し詳しく説明しています。

不動産投資の経費計上として最も高額な減価償却費について
不動産所得を計算する上で必要経費の計上はとても大きな役割を果たします。 また必要経費として計上できる項目の中でも減価償却費はもっとも大きな割合を占める項目の一つです。 減価償却の仕組みを理解することで物件ごとの経費計上の仕方だけ...

事業内容や個人の使い方で認定の可否が分かれる

賃貸物件か自己所有物件かによって必要経費として認められる項目に違いがあることを説明しましたが、それ以外にも事業内容や個人の使い方によって必要経費として認められる範囲が変わります。

例えばIT関係の事業をしている場合、「電気代」は事業を行うために必要と認められるはずなので、その一部を経費として計上することができそうです。

ですが、一方「ガス代」についてはどうでしょうか?

一般的なIT関係の事業ではガスを利用する可能性は低いですよね。

そのため経費として計上する場合は、その項目の正当性をちゃんと説明できないと、税務署から指摘を受けた時に回答に困ってしまします。

これが飲食関係の仕事であれば「ガス代」も調理をするために必要になるため必要経費として十分に認められるはずです。

経費の計上した項目は正当性を説明する必要があります。

利用目的を基準として3つの区分に分けられる

ここからは賃貸マンションの場合も自己所有物件の場合も基本的な考え方は同じです。

それぞれの利用目的に応じて大まかに以下の3つの区分に分けて考えることができます。

  • 事業所部分(仕事で必要となるスペース)
  • プライベート部分(寝室や浴室などスペース)
  • 共有部分(トイレや廊下など仕事でもプライベートでも利用する部分)

事業所部分とプライベート部分はその名前の通りなので、事業所部分と明示できる部分(床面積)が経費の対象となります。共有部分とは事業所としても私生活でも使用する空間の事で主にトイレや廊下などが含まれます。

計算方法としては事務所部分の面積とプライベート部分の面積の比率を掛けることになります。部屋全体のうち、事業所部分の面積が20%なのであれば、共有部分は実際の共有部分の面積に20%掛け算した面積になります。

ただ「明確に定義する」とは言うものの「ダイニングでは何があっても絶対に仕事をしないのか?」と言えばそうでも無い訳で、厳密にどうかと言うよりは規模にもよりますが、常識的な範囲で無理の申請をすることの方が重要のようですね。

計算方法についてはこちらのサイトがとても丁寧で分かりやすかったです。

家賃を経費で落とすポイント。教えて、税理士さん!|スモビバ!
SOHOスタイルの個人事業主にとって気になるポイントの一つが自宅家賃の経費計上について。どのようなケースで、どれだけの金額を経費で落とすことができるのか、見ていきましょう。
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客観的な説明ができるかがポイントになる

事業に直接関連する項目を客観的に説明できれば経費として計上可能となります。言いかえれば税務署の方を上手く納得させられるかどうかなので「事業と関係がある」ことを説明できる金額分であれば仮に説明(お尋ね)を求められたり、税務調査が入ったとしても問題無いです。

ただ、事業所部分は言いかえればオフィス扱いなので、プライベートな私物を置いておくのは余り良く無いです。万が一税務調査が入った際も信憑性を疑われるかもしれません。

注意点としては不動産経営の場合は事業的規模に満たない場合は、減価償却費、借入金利子、固定資産税のような直接経費以外は認められないケースあったり、個人事業の場合も確定申告を青色申告で行なっていない場合は何かと不利になると言う情報もあるため、客観性を保つためにも確定申告は青色申告を選択するべきですね。

ちなみに平成25年には個人事業主の方に対して東京地方裁判所にて「必要経費として認められない」との判決が出たこともありました。

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住宅ローン減税利用時の注意点

また新築または築浅物件で住宅ローン減税の利用している場合はもう少し注意が必要です。

住宅ローン減税とは銀行などの金融機関から住宅ローンを利用し自身の入居用としての住宅を購入する場合に負担を軽減してくれる制度です。

具体的には年末時点でのローン残高に対して1%分を10年間納めた税金(所得税および住民税)から控除してくれます。そして、この制度は新築物件だけではなく中古物件にも適応されますし、規模によってはリフォームなどの場合にも適応されます。

住宅ローン減税が適応されるかについてはかなり細かい判断基準がありますが、新築や比較的築浅の物件購入であれば基本的には適応されるはずです。

全て把握するのは大変ですが、主なポイントはこんな感じです。

  • 年間合計所得が3,000万円以下
  • 住宅ローンを10年以上借入れる
  • 床面積が50㎡以上
  • 木造は築20年まで
  • コンクリート造は築25年まで
  • リフォームは増改築費用が100万円以上
  • 物件購入の上限額は4,000万円まで

そもそも住宅ローン減税は自分が住むために購入したマイホームに対して減税される仕組みなので事業所や投資用マンションなどには適応されません。ただし事業所部分の割合が10%未満の場合は全額を住宅ローン控除の対象とすることが可能です。

また、事業所部分の割合が50%未満の場合は問題ありませんが、それ以上の場合は住宅ローン減税の適応を受けることができません。

住宅ローン減税使用時の事務所費の経費計上割合
事業割合(面積)住宅ローン控除適応割合
10%以下住宅ローン減税全額適応
10%以上〜50%未満事業割合に応じて適応
50%以上住宅ローン減税適応外

なので、その場合は余り事業所部分として沢山の経費を計上することにこだわらず、住宅ローン減税も考慮した上で最も大きな減税につながるようにバランスを工夫する必要があります。

このようなことを調べていると、どうしても税務署にビビッてしまいますね。

指摘されないように安全に申請するのか、少しでも正しく経費を計上するために攻め(?)の申請をするのかは個人ごとの性格にもよりますが、この先見直すタイミングは何度もあるはずなので、覚えておいて損は無い情報だと思いました。

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