贈与税と相続税は何が違うの?それぞれの基準と計算方法を徹底解説!

雑記
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相続・事業継承の分野では贈与と相続についての法律や税金の知識が問われます。

また相続財産の評価や相続税対策などについては不動産経営とはとても関わりの深いところなのでしっかりと理解したいと思います。

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贈与についての法律と税金

贈与とは自分の財産を他の人に譲ることです。贈与の種類については以下のようなものが含まれます。

  • 定期贈与…定期の給付を目的とする贈与
  • 負担付贈与…贈与を受けた者に一定の給付をさせる義務を負わせる贈与
  • 死因贈与…贈与するものが死亡して効力が発生する贈与

贈与税の課税財産

贈与税の課税財産には以下の2つがあります。

  • 本来の贈与財産
  • みなし贈与財産

本来の贈与財産

現金、歩貯金、土地、家屋、貴金属など金銭で見積もることのできる、経済的に価値がある財産のことです。

みなし贈与財産

贈与について具体的な形を取っていなくても、その受けた行為が贈与と同じ経済的利益を
有する場合には贈与があったとみなされ贈与税が課税されます。

みなし贈与財産には以下のようなものが含まれます。

  • 時価よりも著しく低い価格で売買した時(定額譲受)
  • 生命保険金を受け取った時
  • 債務の免除を受けた時

贈与税の非課税財産

贈与により取得した財産でも贈与税の課税することが適切でないものとして非課税財産があります。

非課税財産には次のようなものが含まれます。

  • 法人からの贈与財産
  • 扶養義務者からの生活費および教育費
  • 社交場必要と認められる香典や見舞いなど
  • 相続開始年の贈与

贈与税の計算

贈与税の計算のポイントは次の通りです。

贈与税の基礎控除

贈与を受けた年の1年間に贈与により取得した財産の価格の合計額が110万円以下であれば
贈与税は課税されません。

贈与の基礎控除は110万円になります。この場合は申告書の提出も不要です。

贈与税の計算

贈与税の計算には贈与により取得した財産の合計額から基礎控除を差し引いた後の金額に税率を乗じて計算します。

税額計算

まず贈与を受けた人ごとに贈与を受けた本来の贈与財産の合計にみなし贈与財産を加え、
非課税財産を差し引きします。

そして配偶者控除の適用のある場合は最高2,000万円を控除し、さらに基礎控除額110万円
を控除したものが控除後の課税価格になります。

この控除後の課税価格に贈与の税率を適用したものが贈与税額となります。

贈与税の計算の流れは以下の通りです。

  • 課税価格=本来の贈与財産+みなし贈与財産ー非課税財産
  • 贈与税額=(贈与価格ー基礎控除額および配偶者控除額)✕税率

また贈与税の税率については以下の通りです。

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%
200万円超〜300万円以下15%10万円
300万円超〜400万円以下20%25万円
400万円超〜600万円以下30%65万円
600万円超〜1,000万円以下40%125万円
1,000万円超50%225万円

贈与税の配偶者控除

贈与税の配偶者は一定の要件のもとに配偶者から移住用不動産またはその購入資金を贈与された場合に贈与税の課税価格から基礎控除の他に2,000万円控除できる規程です。

贈与税の配偶者控除を受けるための要件は次の通りです。

  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
  • 取得の翌年3月15日までにその住居用不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること
  • 一定の事項を記載し、一定の書類を添付した申告書を提出すること

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度

父母や祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた年の翌年3月15までにその住宅取得等資金を自己の居住用の一定の家屋の新築もしくは取得または一定の増改築等の対価に充てて、その家屋に同日までに居住、または同日以降遅延なく居住することが確実であると見込まれる時には、住宅取得等資金のうち一定額について贈与税が非課税となります。

相続時精算課税制度の概要

生前贈与を受ける際、この制度を選択した場合、その贈与時に贈与財産に対して贈与税を支払い、その後の相続時に生前の贈与財産を相続財産に加え相続税を計算し、生前贈与の時に支払った贈与税を相続税から控除して生産する制度が相続時精算課税制度です。

  • 相続時精算課税制度の適用対象者
    • 贈与者が65歳以上の親、受贈者が20歳以上の子である推定相続人
  • 特別控除額
    • 受贈者単位で2,500万円まで
    • 複数年の贈与については合計が2,500万円に達するまで
  • 適用税率
    • 適用税率は特別控除額を超える部分に対して一律20%

条件次第では上手く活用できる精度なので、少し複雑ですが、できれば覚えておきたい精度です。

住宅取得等資金贈与に係る相続時精算課税制度の特例

20歳以上の子である推定相続人が自己の居住用である一定の住宅を取得するための
資金贈与を受けた場合には贈与者の年齢要件が無く、親が65歳未満であっても相続時精算課税を適用することができます。

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相続についての法律と税金

相続とは人の死亡によって、その者に属した財産およびその権利を特定の人に承継させることをいいます。

法定相続人

法定相続人とは非相続人の財産を引き継ぐことのできる一定範囲の人のことで、法律上相続人と規定されているものです。

法定相続人の順位は以下の表の通り第1位から第3位まで定められています。

配偶者は常に相続人となり第1位〜第3位の相続人がいる場合、それらの者と同順位で相続します。

上の順位に相続人がいない場合には次の順位の者が相続人となります。

相続人の順位
第1順位
第2順位直系尊属
第3順位兄弟姉妹
常に相続人配偶者

相続分

相続人が複数いる場合に相続人それぞれが財産を相続する割合のkとを相続分といいます。
相続分には指定相続分と法定相続分があります。

指定相続分

被相続人は遺言によって相続分を指定したり指定することを第三者に委託できます。指定相続分は法定相続分に優先して適用されます。

法定相続分

遺言による相続分の指定がない場合は民法で定める相続分によることになります。これを法定相続分といいます。

法定相続分は以下のようになります。

  • 配偶者と子が相続人…配偶者(1/2)、子(1/2)
  • 配偶者と直系尊属が相続人…配偶者(2/3)、直系尊属(1/3)
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人…配偶者(3/4)、兄弟姉妹(1/4)

遺留分

相続において被相続人に関わる一定の財産のうち、一定の相続人それぞれが自らその権利を思考すれば必ず取得できる財産の範囲のことを遺留分と言います。遺留分は配偶者、子、直系尊属に認められており兄妹姉妹には認められていません。

遺留分減殺請求権

遺言による指定や遺贈、生前贈与によって遺留分が侵害された場合、遺留分権利者は遺留分の限度に達するまで贈与や遺贈などを減災して取り戻すことができます。これを遺留分減殺請求権といいます。

成年後見制度

成年後見制度とは精神上の障害により判断能力が不充分であるため、法律行為をするための意思決定が困難な状態にある人を支援し、その権利擁護を図る制度です。

成年後見制度には法定後見制度と任意後見制度があります。
法定後見制度には後見、補佐、補助の類型の制度が設けられています。

相続税の納税義務者

相続または遺贈により財産を取得した場合にかかる税金が相続税です。

相続税の課税財産

相続税の課税財産には本来の相続財産とみなし相続財産があります。

本来の相続財産

本来の相続財産とは相続や遺贈により取得した一切の財産で金銭に見積もることが可能な経済的価値の有るものすべてをいいます。

みなし相続財産

本来の相続財産ではなくても相続税の計算上、経済的にみて相続や遺贈により取得したものと同じ効果がある場合には相続や遺贈により取得したものとみなされ相続税が課税されます。これをみなし相続財産といいます。例えば死亡保険金や死亡退職金などを受け取ったときがこれにあたります。

相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産

相続開始前3年いないに被相続人から贈与により取得した財産がある時、贈与時のその財産の価格を相続財産として加算します。そしてその贈与により取得した財産について課せられた贈与税がある時には相続税額から控除されます。

相続税の計算

相続税の計算の全体の流れは次の通りです。

  1. 課税価格の計算
  2. 相続の総額の計算
  3. 各人ごとの納付税の計算

遺産に係る基礎控除額の計算

課税価格の合計から次の計算に酔って計算した基礎控除額を除外し、課税遺産総額を算出します。

  • 遺産に係る基礎控除額=3,000万円+600万円✕法定相続人の数

基礎控除額の計算においては相続の破棄があった場合でもその破棄がなかったものとして計算します。

相続税の総額の計算

課税遺産総額から相続税の総額を算出しますが、法定相続分で仮分割し仮分割した金額を本に相続税の総額を計算します。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下
20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

なお配偶者については被相続人死亡後の配偶者の生活への配慮などから税額の軽減の規程が設けられています。

相続税の申告と納付

課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合、相続税の申告書を提出しなければなりません。

申告書の提出期限

申告書を提出する場合は相続の開始が会ったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に原則として被相続人の死亡時における住所地の所轄税務署長に提出する必要があります。

所得税の準確定申告

相続の開始が会ったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に所得税の申告・納付をしなければなりません。

納付方法

納付方法は金銭による一括納付が原則ですが相続税については延納や物納が一定の要件のもとに認められています。

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不動産の相続財産の評価

不動産の相続財産の評価については以下のような項目がポイントになります。

評価の方式

宅地の評価方式には路線価方式と倍率方式の2つがあります。

路線価方式は市街化的形態を形成する地位にある宅地を評価する場合に倍率方式はそれ以外の地域を評価する場合に用います。

いずれの方式で評価するかは各国税局において地域ごとに定められています。

路線価方式

路線価方式とは宅地の面する路線ごとに定められた路線価を基礎として補正率や加算率などを使って評価額を求める方式です。

路線価(その道路に面している標準的な宅地1㎡辺りの千円単位の価格)が付された地域の宅地を評価する場合には評価する宅地の面する路線の路線価をもとに評価します。

倍率方式

倍率方式とはその宅地の固定資産税評価額に国税局長だ定めた一定の倍率を乗じて計算した金額により評価する方式です。

宅地の上に存する権利等の評価

それぞれの評価額については以下と通りです。

借地権(普通借地権)

借地権の評価額は次の計算式で求めます。

  • 借地権の評価額=自用地評価額✕借地権割合

貸宅地

貸宅地の計算額は次の計算式で求めます。

  • 貸宅地の評価額=自由地評価額ー借地件の評価額

また次のように言い換えることもできます。

  • 貸宅地の評価額=自用地評価額✕(1ー借地権割合)

貸家健付地

貸家健付地とは土地所有者が建物を建築し、その建物を賃貸している場合の敷地のことをいいます。次の計算式で評価します。

  • 貸家健付地の評価額=自用地評価額ー(自用地評価額✕借地権割合✕借家権割合✕賃貸割合)

また次のように言い換えることもできます。

  • 貸家健付地=自用地評価額✕(1ー借地権割合✕借家権割合✕賃貸割合)

建物の評価

建物は次のように評価します。

自用家屋の評価額

  • 自用家屋の評価額=固定資産税評価額✕1.0

貸家(借地用建物)の評価額

  • 貸家の評価額=固定資産税評価額✕(1ー借家権割合✕賃貸割合)
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相続対策(不動産の相続対策・相続と保険の活用)

不動産の相続対策および保険を活用した相続対策には次のような対策が考えられます。

贈与による対策

贈与を活用することによって相続発生前に本人から相続予定者等に資産を移転することができ、将来負担すべき相続税額を減少させ相続税の納税資金を軽減させることができます。

贈与税の配偶者控除を使えば配偶者から居住用不動産またはその購入資金を贈与された場合に一定の予見を満たせば贈与税の評価価格から基礎控除の他に2,000万円控除できます。

また生前贈与を受ける際、相続時精算課税制度を選択するのも節税対策として有効な場合があります。

課税価格対策

宅地等の購入予定がある場合には購入予定額と宅地の相続評価価格を比較し後者のほうが低い時には宅地に換えておいたほうが相続税上は有利になります。

また更地の土地の相続税評価額と賃貸物件の建物が立っている土地の評価額は他の条件が一定ならば賃貸物件の建物が建っている土地のほうが貸家建付地として評価が低くなります。

保険の活用

生命保険金はみなし相続財産として相続の課税対象となりますが、死亡保険金の非課税限度額が設けられていますので、この規程を利用した対策があります。

また被相続人の死亡により生命保険金が支払われるように生命保険に加入しておけば容易分割資産として現金を取得できるので遺産分割の対策となります。

プロフィール

楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
これから不動産投資を始めたい方や、賃貸経営初心者の方に対して、分かりやすい内容を心掛けています。

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