家主にとって人脈はとても大切な資産です。
人脈という言葉自体、余り良いイメージを持たれるかもしれませんが、家主として悩みがあったり対処方法が分からない場合、意外と相談できる相手は少ないものです。
今回は僕も2014年から参加している「がんばる家主の会」について解説します。
まず最初にお伝えしておかないといけないこととして、がんばる家主の会のような非公開コミュニティの場合、そこで入手した情報をブログやSNS等で発信することは基本的に禁じられています。そのため、この記事でご紹介できる情報としては公式サイトで一般向けに公開されている内容や、僕の個人的な考え方に留まってしまいます。
ただ、それでもコミュニティ内での取り組みや、実際に参加した感想などが体系的にまとめられている情報は少なく、これから家主として、どこかのコミュニティや勉強会に参加したい方にはある程度、価値のある情報だと思います。
- 関西を中心に賃貸経営をしている人、もしくこれから始めたい人
- 賃貸経営をしているがさまざまな悩みがあり相談相手を見つけたい人
- がんばる家主の会に興味がある人
がんばる家主の会の魅力とは?
僕が初めて参加させて頂いた2014年でも既に200人を超える程の会員数でしたが、現在、2019年では540人を超える関西最大の大家コミュニティです。
がんばる家主の会の特徴を簡単にまとめてみます。
- 毎月1回の勉強会を大阪市内で開催(土曜日or日曜日)
- 入会条件を満たせば誰でも参加できる
- 賃貸物件を所有している人
- 賃貸物件を経営、または管理に関与している人
- 将来的に相続等により賃貸物件を所有、経営、管理する予定の人
- 不動産経営に関わる個人(またはグループ)が講義を実施
- 販売会社、建設会社
- 物件管理会社、賃貸管理会社
- 金融機関、保険会社
- 税理士、会計士、ファイナンシャルプランナー
- インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター
- 現役大家、がんばる家主の会の会員
- 本編終了後、懇親会を開催しているのて関係者間での交流が図れる
- 勉強会内容のSNSやブログなどによる発信は原則禁止
- 業者による商品紹介などはあるが強引な勧誘はNG
- 毎回、数名〜十数名程の新規会員が入会している
- 新規会員をフォローする仕組みがあり初参加でも安心できる
- その他、さまざまな取り組みやイベントが定期的に実施
- メーリングリストによるメンバー間での相談、情報共有
- 毎月1回、派生イベントであるマネ~だ塾の開催(平日夜)
- 物件見学会、海外物件視察ツアー
- 取材やインタビューの依頼
- 参加費は勉強会が1,000円程、懇親会が4,000円〜5,000円程
入会の条件は「賃貸物件を所有している」または「賃貸経営や管理に関わっている」ことなどが定められているため、基本的には物件を取得する前での入会は難しいかもしれません。ちなみに、新規入会の方達の話を伺うと、以下のような悩みを持たれている人が多い印象です。
- 相続により賃貸物件を取得したがどのように経営したら良いのか分からない
- 賃貸物件を所有しているが空室問題が深刻であり有識者に相談したい
ただし、共通して言えるのは参加者の方はとても勉強熱心な方が多く、僕のような小規模大家の悩みや相談にも丁寧に答えてくれます。中には不動産投資系の雑誌にインタビュー記事が掲載されている方や賃貸経営の大規模なイベントで講師をされている方もおり、まさに関西を代表する大家さんも一定数おられます。
ちなみに、これから参加したいと考えている方は、是非、名刺を作って参加することをオススメします。初対面の人との会話でも名刺があるのと無いのとでは全然違いますよ。
勉強会の重要性
賃貸経営者として勉強会に参加する理由はさまざまだと思いますが、僕個人的には以下の3点は特に大きなメリットだと思います。
- 地域に密着した意見が聞ける
- 営利目的ではなく中立的な意見が聞ける
- 雑談ベースで情報共有ができる
これらはがんばる家主の会に限った話では無く、その他の家主の会でも共通して言えることだと思います。一つずつ解説していきます。
地域に密着した意見が聞ける
書籍やインターネットで良い情報を見つけても、それは比較的、都心部や一部の地域に片寄った情報が多いです。
ですが、やっぱり地域が違えば情報の有用性は大きく変わりますし、仮に多くの地域で共通するような情報であったとしても「自分には当てはまらない条件」だと無意識に除外してしまうかもしれません。
また、インターネットの場合、一昔前に有効だった情報なども掲載され続けてしまうので、今の時代にはマッチしないかもしれません。
「不動産経営は長期的な視点で考えるため、時代に左右される小手先の情報だけではダメだ」と指摘を受けるかもしれませんが、それはあくまでも物件を購入する前の話であり購入後の物件に対する対応としてはある程度、時代のニーズを見極める必要があります。
それに対して、地域の勉強会には結構ご近所さんが多かったりするので、自分以上にその地域に詳しい方からの「生の意見」が聞けるため、信憑性も増しますし、より具体的な対策がイメージできるはずです。
営利目的ではなく中立的な意見が聞ける
不動産会社や専門家へ相談した場合、相手もビジネスであるため少なからず金銭的な感覚が頭をよぎります。ですが、コミュニティ内での意見交換であれば、気軽に中立的な意見が聞けるため、その中で「自分にとって良い情報」、「自分が信用できる情報」を探し出せば良いです。
また、地域密着型の勉強会ではサービスやイベントの紹介などはありますが、基本的に営利活動をNGとしているところが多いため、過剰な営業や勧誘を受けて不快な思いをする心配も少ないはずです。少なくとも、僕はがんばる家主の会に参加して5年以上経ちますが、強引な営業や勧誘を受けたことは一度もありません。
販売会社が開催する勉強会を批判するつもりはありませんが、物件を販売することを目的としている会社では、どうしても自分にとって優位な方向に導いたポジショントークになってしまいます。
雑談ベースで情報共有ができる
勉強会の後には「懇親会」が用意されていることがほとんどで、参加者の方たちと食事をしながら情報交換をしたりします。
不動産会社や専門家の場合、それぞれの立場があるため発言の一つ一つに責任が伴います。例えば自社の不利益になるような、立場上言いたくても余り言えない内容もあるかもしれません。ですが、懇親会の場では、良い意味で発言に大きな責任が伴わないため、よりざっくばらんな情報交換ができるかもしれません。
あくまで最後に何かを判断するのは自分ですが、懇親会などの「オープンな場」では、大勢の参加者との意見効果ができるため、メンバー間で相互に指摘や共有し合うこともできます。
勿論、情報を欲しがるだけの「クレクレ君」のようなマインドは良く無いので「自分も何か提供できないか?」という考えは必要ですし、そのような意識があれば自然と日頃の振る舞いも変わります。
空室が続くと焦りがちになってしまうかもしれませんが、このような参加者同士の交流を目的とした集まりであれば、現状の空室を埋めること以上に、今後の長い大家さんとしての経営の中で、きっと心強い味方になってくれると思います。
少し他力本願に聞こえてしまいますが、大切なのは一人で頑張って努力することでは無く周りに助けてもらってでも空室を埋めたいという気持ちです。
不安を誰かと共有できた時には自然とモチベーションも上がってきますよ。
最短距離で成功するには?
一つの課題を解決する際、参考書やインターネットを上手く活用すればある程度適切な情報が見つかります。
ただ、投資や融資などについては参考書やインターネットなどでは、中々ベストな情報にアクセスすることは難しいです。
賃貸経営も信頼関係が大切
先輩大家の方と信頼関係を築くことができれば、良質な情報に辿り着けたり、いわゆる「コネ」や、業界に精通したプロしか知らない「合法的な裏技」なども教えて頂けるかもしれません。
「コネ」自体は消耗品ではありませんが、信頼関係が蓄積されている事が前提です。
仮に誰かの紹介により優遇金利での融資を受けれたとしても、もし返済が遅延したりすると紹介者してくれた方にもご迷惑を掛けます。仮に金銭的な損害は無いとしても金融機関側からすれば紹介してくれた方の信頼間は下がります。
縁があって知り合った方の知識をお借りしたり特別に紹介して頂くと言う事は、今までその方が長い時間とコストを掛けて手に入れた情報や既得権を瞬時に手に入れる事にもなります。
つまり「学びや信頼関係のショートカット」になる訳です。
それには相応のリスクが掛かり情報の取り扱いには細心の注意が必要です。
勉強会に参加する時の注意点
不動産や金融系の場合、講師の方は、ご自身の立場を超えた上で大切な情報を提供してくれています。そして、そこには講師の方とコミュニティとの間で一定の信頼関係が築けているからこその情報も含まれます。
中には今現在も現役で活躍されている不動産会社の方や税理士、銀行員の方もおられ、とても精度の高く、今すぐにでも使えるお宝情報も含まれます。そして、その「限界ギリギリの情報」を提供できることが、インターネットや書籍では得ることのできない、地域コミュニティの存在価値になります。
僕自身も何度もこのような勉強会に参加させて頂き「他では聞けない(入手できない)価値ある情報」を得ることができていますし、中には「この話だけは秘密でお願いしますね。僕の立場がヤバくなってしまうので(汗)」っと言うようなウラ情報を提供して下さる方もいます。ただ、その代償としては高いコンプライアンスの意識が問われ、機密情報や非公開情報の取り扱いには注意が必要です。
細かな内容はコミュニティによって異なりますが、多くの場合、配布資料は外部公開は禁止(非公開)ですし「撮影禁止」「録音禁止」「SNSでの情報発信禁止」などルールとして明記されていることも多いです。
がんばる家主の会で得たもの
がんばる家主の会に参加する以前の僕としては、どうしても物事を相談できる相手に限りがあり、課題を克服したり、疑問を解決する手段も乏しかったです。
ですが、がんばる家主の会に参加したことによって以下のような良いことがありました。
- 大家同士での人間関係ができた
- がんばる家主の会以外の情報収集の手段が増えた
- 成功している人の価値観や考え方が少しだけ(本当に少しだけ)理解できた
僕は積極的に良質な人間関係を拡大していくことは余り得意ではありませんが、何か問題があった時に、誰か相談できる相手がいるのか?いないのか?では、精神的にも大きな違いがあります。
もし賃貸経営で問題を抱えている家主の方であれば、一度、検討してみても良いと思います。
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