不動産投資を始める上で、一番最初の大きな壁は「どうやって購入対象の物件情報を入手するか?」です。
書籍やインターネット(ブログなど)から不動産投資の情報を仕入れて独学で学習することは大切です。ですが、インプットだけを続けているだけでは、いつまで経っても「物件を見つける」ことはできません。
この記事では初心者の方が不動産投資を始める上で、どのような方法で物件を探すかについて、主に「不動産投資会社比較サイトの特徴」を中心に解説したいと思います。
- これから不動産投資を始めたい人
- 投資用物件の探し方について知りたい人
- 不動産投資会社を比較するポイントを知りたい人
不動産投資の始め方は?
まだ物件を購入したことの無い初心者が「これから不動産投資に挑戦したい!」と考えた場合、どのような方法があるでしょうか?
例えば以下のような方法が考えられます。
- 書籍やブログなどから情報を取得する
- 先輩大家やSNS(オンラインサロン)などで情報を取得する
- 収益物件の検索サイトを活用する
- 不動産投資会社の比較サイトを活用する
一つ一つの項目についてもう少し詳しく解説します。
書籍やブログは万人向けの情報
まず、書籍やブログは「利回りとは○○である」「変動金利とは○○である」というような「一般的な知識」を得る手段としてはとても有効です。僕も不動産投資に関する書籍を年間に10冊前後のペースで読んでいますが、最近の書籍はとても読みやすく、勉強するには費用対効果も抜群な最高の教材です。
ですが、書籍やブログなどの場合、不特定多数の読者層を想定しており「どのような物件構造が良いか?」「地域はどの辺りが良いか?」のような具体的な情報を発信するにはやや限界があります。
勿論、僕が運営するこのブログも(不動産投資初心者の方を対象にはしているものの)、ある程度、幅広い読者層も想定しているため、結局は「自分にあった方法を模索しましょう」という、抽象的な結論になることも多いです。
人脈頼りはハードルが高い
最近では、地域ごとに「家主の会」のようなコミュニティがあったり、SNSやオンラインサロンの普及により、一昔前と比べると、情報を取得するための手間やコストも小さくなりました。
ですが、まだ物件を持っていない初心者がいきなり地域のコミュニティやオンラインサロンに参加し、効率良く情報を入手したり、正しい判断で優良物件を購入することは、ある程度の前提知識やコミュニケーション能力が無いと、難しいような気もします。
むしろ、そのような場で上手く情報を入手できなかったことに対して「自分には素質が無い」「やっぱり不動産投資は難しい」と過度に落ち込んでしまっては、目的を達成までの道のりが遠回りになってしまいます。
「成功するには人脈が大切」であることは紛れもない事実ですが、それが全てではありません。
自分にとってストレスの少ない方法を探すことも大切です。
収益物件の検索サイトは中級者向け?
収益物件の検索サイトは沢山ありますが、主に以下のようなサイトが有名です。
- 楽待
- 健美家
- HOME’S不動産投資
不動産投資家の間では「本当に良い物件は販売会社や仲介会社と繋がりのある一部の投資家の間で取引されるため、インターネットに掲載されているような物件は売れ残り物件が多く、購入する価値は無い」との意見もあります。ただ、それでもインターネットに掲載されている物件を条件交渉した上で購入し、順調に運営している家主が多くいることも事実です。
また「インターネットで物件を検索する本当の目的」は「良い仲介会社を探すため」であったりもします。
収益物件検索サイトで比較的マシ(?)な物件を探し、その仲介会社に問い合わせ、条件の近い類似の物件を紹介してもらうことで、間接的に良い投資物件にたどり着くイメージです。
この方法は価格や利回りを重視した物件選びをする上では悪くは無いのですが、仲介会社の当たり外れがあったり、ある程度の専門知識を持っていなければ良い情報を識別するのが難しかったりと、やや中級者向けかもしれません。
表面上の価格や利回りだけに惑わされずに、適切に情報を精査できれば悪くない選択肢ですが、初心者には少しハードルが高く、難しいと感じる人もいるはずです。
不動産投資比較サイトは初心者向け?
不動産投資比較サイトを活用することで「不動産投資会社を選ぶ上で重視する項目」を絞り、自分にあった不動産投資会社を見つけることができます。
中には「物件の売却のみ」に特化したサイトなどもありますが「これから投資用物件を購入したい」「具体的な物件情報を探したい」という初心者には、一番オススメの方法です。
ここからは「不動産投資会社比較サイト」について、より具体的に解説していきます。
不動産投資会社比較サイトの重要なポイント
不動産比較サイトから自分にあった不動産投資会社を見つけるには、以下のような情報があると効率良く探すことができます。
- 企業成長率や企業規模
- 取引先の金融機関の数
- セミナーの評判や口コミ
それぞれの項目について、もう少し具体的に解説します。
企業成長率の重要性
不動産投資において企業の成長率や企業規模は重要です。
特に2018年頃には「かぼちゃの馬車」を運営しているスマートデイズなどが、(投資家の間では危ないと言われていたものの)何の前触れもなく相次いで倒産したり業務停止に陥ったりしています。
販売会社やそのグループ会社が賃貸仲介業務も兼ねている場合、万が一、業務停止に陥ってしまった場合の影響は大きいですし、そもそも業務停止になってしまうような事業自体に根本的な問題がある訳です。
企業の成長率や会社規模が大きければ「この会社は自社の利益を沢山積んで物件を販売しているのでは無いか?」と疑問に感じるかもしれません。
確かに会社規模が大きければ、従業員や関係部署が増えてくるため、販売価格や求める利益率が高くなってしまう場合もあります。ですが、企業の体制が整っていることで、その分、購入時の情報提供や購入後のアフターフォローが充実していることが一般的なので、初心者の立場としては悪くない選択肢です。
勿論、大手だからと安心するのでは無く「物件価格は妥当なのか?」「平均入居率の信憑性はあるのか?」と疑いの目を持つことは大切ですが、売上げや利益が確保できていない会社と関わることは、それ以上にリスクが大きいと言えます。
購入の可否は金融機関によって左右する
物件の購入には金融機関からの融資は必須です。
一部の資産家などなら現金で一括購入できますが、一般の投資家は金融機関からの融資に頼らなざる得ないです。
そして不動産販売会社と金融機関とのパイプの太さで、融資条件(融資額、金利、返済期間など)の明暗が分かれます。
単純に「取引先の金融機関が多ければ良い」という訳ではありませんが、仮に良い物件に出会えたとしても、融資が下りなければ、物件は購入できません。不動産販売会社を評価する上でも大きなポイントだと言えます。
セミナー参加者の口コミは重要
多くのセミナー参加者は不動産投資にそれ程詳しくない初心者の方が多いはずですが、参加者からの口コミ情報には貴重な情報が含まれています。
特に「疑問が解消された具体的なエピソード」や「セミナーを受けたことによって投資方針が定まった」というような意見はあれば、有意義な勉強会であることが分かります。
勿論、セミナー主催者側の最終目的は新規顧客の開拓や自社管理物件の売却なので、多少、客観性に掛ける内容やポジショントークもあるかもしれませんが、その情報を冷静に見極め、かつ自分の方針と正しければ、今後、関係性を維持していけば強力なパートナーになってくれます。
自分の基準で探せることが大切
不動産投資会社や投資用物件の評価基準は人によって優先するべきポイントが異なります。
自己資金を沢山持っている人は、多少、融資面が弱くても問題ありませんし、とにかくキャッシュフローを確保したい人は、平均入居率よりも想定利回りを優先させるでしょう。
なお「不動産投資会社完全比較ガイド」では、さまざまな条件を元に不動産投資会社を一括で比較できるので、自分の優先したい条件を絞り、効率的に不動産投資会社を探すにはオススメのサイトです。
不動産会社比較サイトの注意点
不動産投資会社比較サイトにより効率的に物件調査や分析を進められますが、サイトで紹介されている会社の方針が全て正しいとは限りませんし、同じ会社内でも担当者によって意見が違うこともあります。
比較サイトは丸投げサイトでは無い
例えば「価格コム」のような値段だけを比較するようなサイトだと、着目するべきポイントは値段や送料の他、ちょっとした口コミを確認して判断するはずです。
ですが、投資用物件のような金融商品を扱う比較サイトでは「評価した人の状況」と「自分の状況」が必ずしも一致しません。
「正しい(最低限の)専門知識」と「自分の状況」を理解した上で、比較サイトの情報を鵜呑みにせずに、自分の頭で考える必要があります。
違和感を大切にする
もし、あなたが説明を受けたり物件を購入する場合に「違和感」を感じたら、その違和感を大切しして下さい。
勿論、初心者の場合「自分が素人だから違和感を感じるだけで業界的には常識的なことなんだろうなぁ」と理解しないまま納得して終わらせないようにするべきです。
例えば、僕がこれまでに説明を受けた中で違和感を感じたエピソードとしては、以下のようなものがあります。
- 希望条件を確認する前にオススメの物件を紹介してくる
- 「サブリース契約があれば何があっても安心」などと安易な発言が多い
- やたらと契約を急かしてくる、冷静な判断を妨げてくる
2回~3回とやりとりを進めるうちに、だんだんと違和感が無くなってくるかもしれませんが、それは慣れてしまっているだけかもしれません。
難しく感じるかもしれませんが、なるべく最初のタイミングで疑問点を解消するために不明点は積極的に質問しましょう。
行動すれば次の方針が見えてくる
独学で勉強していたり、先輩大家から情報を得ているだけでは、次の具体的な行動に移ることができない人もいるでしょう。
ですが、実際に不動産投資会社や仲介会社とやりとりを進めると、良くも悪くも、提案を受けたり物件を紹介されたりと次の行動が見えてきます。
勿論「これは方向が違うな?」「この契約は良くないな?」と感じれば、その都度、冷静に判断し、自分でブレーキを掛けるべきですが、それでも、背中を押してくれる人間がいることは心強いですし、やりとりを進めなければ得ることのできない情報も沢山出てきます。
もしかしたら、いろいろ行動した結果「やはり不動産投資は自分には向いていない」という結論が出るかもしれませんが、それはそれで一つの答えで良いと思います。
ただ、勉強は進めているものの次のステップに進めずに悩んでいるのであれば、是非、いくつかの不動産投資会社に問い合わせをしてみて、より具体的な情報を集めることをおすすめしたいです。
コメント