イールドギャップの考え方と自分にあった資産運用

利回り

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分 50 秒です。

不動産投資用の物件購入を判断する時の指数として表面利回りや実質利回りなどがありますが、同じような指数の一つにイールドギャップと呼ばれるものがあります。

イールドギャップの計算方法はとてもシンプルで金融機関から融資を受けた場合の借入金利と投資物件の利回りの差(ギャップ)のことを表したものです。

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イールドギャップの考え方

イールドギャップの説明の前に、まずは以下の2つのポイントについて理解する必要があります。

  • 賃貸経営の利回り
  • 不動産投資ローンの仕組み

それぞれについて簡単に説明していきます。

「表面利回り」と「実質利回り」

利回りにはいくつかの種類がありますが、最も有名な利回りが「表面利回り」と「実質利回り」です。

  • 表面利回り(グロス利回り)
    • 年間の家賃収入÷物件価格✕100
  • 実質利回り(ネット利回り)
    • (年間の家賃収入ー必要経費)÷総投資額(物件価格+購入諸経費)✕100

例えば、以下のような賃貸物件があったとします。

  • 総投資額(物件価格+諸経費)…1,000万円
  • 月々の家賃収入…5万円
  • 年間の家賃収入…60万円
  • 年間の必要経費…15万円

この場合「表面利回り」と「実質利回り」は次のように計算します。

  • 表面利回り(グロス利回り)
    • 60万円÷1,000万円✕100=6%
  • 実質利回り(ネット利回り)
    • (60万円ー15万円)÷1,000万円✕100=4.5%

不動産販売会社から投資用物件を紹介される場合、月々の家賃収入から金融機関への返済金額を差し引いた上で、手元にどの程度のキャッシュが残るかというシュミレーションをしてもらうことがあると思います。

その中で表面利回りや実質利回りのことは一通り説明を受けますが、イールドギャップについてまで細かく触れられることは少ないような気がします。

金利が与える影響を理解する

投資用の物件を購入する際、多くの人が金融機関から融資を受けることになります。

そして借入金利の割合(%)は金融機関への返済総額にとても大きな影響を与えることになります。

仮に3,000万円の融資を受けたとしても、金利や返済期間などの条件には返済総額は3,500万円にも4,000万円にもなってしまいます。

そのため、物件価格(+購入初期費用)だけを基準とした表面利回りや実質利回りだけを計算するだけでは不十分です。

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イールドギャップを高めるには

イールドギャップの計算方法は以下の通りです。

  • イールドギャップの計算方法
    • イールドギャップ=利回りー借入金利

つまり、イールドギャップを高めるには「利回り」と「金利」のどちらか、もしくはその両方を高い水準で確保する必要があります。

イールドギャップを左右する基本的な考え方はこのようになります。

  • 利回りが高くても借入金利が高ければイールドギャップは小さくなる
  • 借入金利が低くても利回りが低ければイールドギャップは小さくなる

当然ですが、4%の利回りのために金利4%で借入をしているとイールドギャップは0になってしまいます。

それでは全然意味がありません。

イールドギャップは利回りから借入金利を差し引くことで算出します。

金利がイールドギャップに与える影響

表面利回りや実質利回りはとても重要な指数ではありますが、その投資に対して「どのような条件で融資を受けられるのか?」も意識しないといけません。

イールドギャップを計算するには金利がどれくらいになるかが大きく影響するため、少しでも低い金利で資金調達できれば多少利回りが低くても高い利益が期待できます。

利回り低ければ意味が無い

高い利回りが見込めるのであれば、多少高い借入金利でもイールドギャップは確保できます。

言い換えれば、借入金利が安かったとしても、販売価格が高く、そもそも高い利回りが期待できなければイールドギャップは小さくなってしまいます。

現在は金融機関の貸し出し金利が低い反面、不動産の販売価格は平均的に高い水準です。

勿論、安い不動産を見つけて取得することは家主としての腕の見せ所ですが、それには経験や実力や人脈などが必要になります。

「今は借入金利が低いから不動産の買い時」と言う考え方は説得力に欠けます。

築年数が経過し老朽化が進むと、その分だけ家賃収入は下がっていく傾向にありますが、一方で借入金利はここ数年(2010年〜)は最低水準なので、今後金利が上がる可能性もあります。

イールドギャップが高いレバレッジ効果を実現する

賃貸経営は少ない自己資金をもとに大きな成果を目指すことで「レバレッジ効果」を最大化できる投資手法です。

また、レバレッジ効果を高めるにはできるだけ沢山の融資を受け「キャッシュフロー」を意識した運用が欠かせません。

つまりレバレッジ効果を高めるには、高い水準のイールドギャップが確保することが重要になります。

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イールドギャップに関する注意点

イールドギャップを意識することで投資効果を判断する基準の一つになります。

ですが、単にイールドギャップを計算するだけで安心するのも軽率です。

算出結果は信用できるか?

繰り返しになりますが、イールドギャップは利回りから借入金利を差し引くことで算出します。

とてもシンプルな計算方法ですが、販売会社によってはイールドギャップを大きく見せるために、以下のように現実離れした計算方法で算出された情報を提示してくることもあります。

  • 表面利回りをもとにイールドギャップを算出
  • もっとも優遇された金利条件をもとにイールドギャップを算出

本来であれば高い信憑性を担保するために、イールドギャップの計算には「実質利回り」をもとに計算するべきですが、多くの販売会社では「表面利回り」や「満室経営を想定した実質利回り」をもとにより高めのイールドギャップを紹介することもあります。

※インターネット上の記事でも「表面利回り」をもとに算出しているケースが多いです。

また、仮に低金利だったとしても「返済期間」によって月々の返済額(年間返済比率)は大きく変わります。返済額が変われば当然月々のキャッシュフローに大きく影響が出できます。

イールドギャップだけを意識するとこのようなポイントを見落としてしまう恐れがあります。「イールドギャップの平均値は◯%」「イールドギャップは◯%以上を確保しよう」と言う意見もありますが(その考え方を否定するつもりはありません)、物件よって細かな条件は異なります。

  • 物件を購入する背景
  • 物件の条件
    • 立地、地域、種類
  • 金利の条件
    • 金利、融資額、返済期間

抽象的な言い方になってしまいますが、この辺りの条件を踏まえた総合的な判断が求められることを踏まえると、余りイールドギャップだけを意識するのも禁物です。

イールドギャップは想定値

どんどん借入金を増やしより高い成果を得られる金融商品を購入することでレバレッジの効果を最大限発揮できますし、短い期間で資産規模を拡大でることは理論上は正しいのかもしれません。

ただしイールドギャップもそれぞれの金融商品の利回りも全ての数字は想定値であることは注意が必要です。

不動産にしても株式投資にしても投資信託にしても資産をたくさん持っていること(またはそれぞれの分野に精通していること)は選択肢として「打てる手」が増えるため、単純に「借入金の大きさ=リスクの大きさ」とは言い切れません。

ただ少し保守的に考えるとやっぱり資産には暴落が付きものなので、借入金を増やし過ぎて精神的な悩みや不安が大きくなってしまっては意味がありません。やっぱり借入金が少ない方が精神的に安心できるはずですよね。

どれだけ資産を拡大してどんな生活を送るかは人ぞれぞれの価値観や正確によって違うと思いますが、僕個人的には程良いリスクで程良い結果と言うが一番健全な方法かも資産運用のように思います。

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他の金融商品でも考え方は同じ

 

実はこの「借入金利と運用利回りの差分」と言う考え方は不動産以外の金融商品でも応用ができます。

例えば投資信託のように長期運用を想定した金融商品で考えた場合でもそうです。

もし「年間利回り5%」が想定できる投資信託を購入したいと考えた場合、「借入金利5%以下」の融資を受けることができれば、その差分が自分の利益となります。

勿論、設定通りの運用利回りが期待できるかは分かりませんし、金融機関の融資手数料や投資信託の運用手数料など様々な諸費用も掛かります。

また株式投資や投資信託のような金融商品にも配当所得として20%の税金が掛かってしまうため実際にはこれ程単純な計算にはなりませんが「借入金利が低いことの恩恵を受けたい」と言うことであれば不動産以外にも色々な方法がある訳ですね。

また借入金の繰上げ返済についても同じ考え方ができます。

仮に金融機関から借入金利3%で融資と受けていて、なおかつ手元に繰上げ返済できるまとまった資金があったとします。

もしそのまとまった資金を他に有効利用できないのであれば、コツコツと繰上げ返済を進めることで少しでも返済総額を減らすことができます。

逆に「3%以上の運用利回りが期待できる金融商品」があるのであれば、繰上げ返済をせずに、その金融商品を購入する方が良いことになります。

 

コメント

  1. […] 編集部より:この記事は 不動産投資ライフ様の2017/4/1の投稿を転載させていただきました。 […]

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