賃貸経営をするには自身の所有物件を入居希望者に提供し、家賃収入を得る必要があります。
自主管理大家の場合、自分で入居者の募集を手掛ける場合もありますが、多くの家主は賃貸仲介会社に入居者の募集を依頼することになります。
そして、賃貸仲介会社が入居者を獲得した際には成功報酬として仲介手数料を支払います。
「広告費」と呼ばれることもあります。
仲介手数料の威力は大きい
賃料を下げたり物件の品質を上げたりと家主として手の打ち方はありますが、他にも大きな効果を得る方法に仲介会社に支払う仲介手数料(広告費)を増やすがあります。
不動産の仲介会社は基本的には入居希望者の希望条件にマッチした物件を紹介します。
該当する物件が市場に少ない場合は、可能な限り多くの選択肢を提供するはずですが、条件に該当するような物件が沢山ある場合はその全てを提案する事は難しいはずです。
もし類似物件を20件も30件も提案されても入居者側も選びきれないですよね。
そんな場合、不動産仲介会社が物件を提案する基準は仲介手数料の金額により左右します。
空室が埋まらない場合の対策
入居付けの際に不動産仲介会社に支払う仲介手数料は一般的には家賃収入の1ヶ月〜2ヶ月程と言われます。
一般的に同じ仲介手数料ということは基本的に需要のある物件から順番に入居者が付くことになります。それはある意味正しいことなのですが、自分の物件が長期間空室になってしまってはそうも言ってられません。
仲介手数料を増やす
もし長期間、空室が改善できない場合は、少し仲介手数料を上げることで自分(自分の物件)を差別化することもできるかもしれません。
勿論、物件自体の価値が低いと勧めるものも勧められませんが、同じような物件で競い合う場合はより収益性(仲介手数料)の高い方を勧めてくれる可能性はあるはずです。
礼金を減らす
単身者が賃貸物件を探す際、初期費用の金額は大きな問題になります。
最近では敷金が不要だったり初期費用をできる限り抑えている物件も増えていています。
同じように礼金の金額も1ヶ月分と2ヶ月分では費用の負担感として印象が大きく変わります。
所有者(家主)側の視点としては「支払う仲介手数料が2ヶ月分」で「頂く礼金が2ヶ月分」であればちょうど仲介手数料で礼金で相殺できるためできれば礼金も2ヶ月分頂きたいところです。
ですが同じような物件の条件で悩んでいる入居希望者にとって礼金に対する支出が1ヶ月分減ることはかなり大きなアピールポイントになります。
仲介会社の客付け優先度
仲介手数料は家主(物件所有者)に変わって、賃貸仲介会社が入居者を獲得してくれる事に対する成功報酬のようなイメージです。
仲介会社は基本的に以下の優先順位で物件に対する客付けを進めます。
- その不動産会社の所有物件
- その不動産会社のサブリース受託物件
- その不動産会社の管理受託物件
- 自主管理大家からの客付け依頼物件
- 他の不動産会社からの客付け依頼物件
つまり、一般的には他社の客付け依頼物件は優先度が低くなる傾向がある訳なので、自身の物件をより積極的に紹介してもらいたければ、少しでも仲介手数料を大きくする方が得策だと言えます。
そして家主側としては頂いた問い合わせの内容を元に価格交渉に応じます。家主側も価格交渉に応じるつもりでいてもそもそも問い合わせをもらわない事には話にならないんですね。
売却想定時の仲介手数料のポイント
近い将来、売却を視野に入れる場合は家賃設定を高くするべきです。
それは「家賃設定が物件の売却価格に大きく影響を与えるから」です。
投資用物件の売買価格を決める場合、主に収益還元法をもとに金額を計算します。
勿論、周辺相場や競合物件の賃料よりも極端に高い賃料の場合は、信憑性が無いと判断されますが、基本的には月々の家賃設定をもとに収益還元法により売買価格が算出されます。
空室期間の損失を考えると、多少安い賃料でも、速やかに入居者を募集することが大切ですが、売却を想定した場合は、逆に多少空室期間が長期化したとしても、高い賃料で入居付けを目指す方が、トータルとしては大きな収益になると思います。
家賃設定を高くすればその分、入居者の獲得には苦労することになりますが、仲介手数料を手厚く設定することで、高い賃料での入居者付けに成功し、その結果、高い売却価格を実現できる可能性があります。
コメント
家賃収入で生活している人を見ると羨ましく思ってしまいますが、色々と大変なんですね。私が今住んでいるのも賃貸アパートなので丁寧な暮らしを心掛けようと思いました。
猫の昼寝¥さん
書き込み、どうも有難う御座います!
相続などで親から物件を譲り受けた方もたくさんいますが、多くの家主はある程度、未返済の借入金も残っていることもあり、結構苦労している方もおられると思います。
もしこのブログを読んで頂き、そう感じて頂けたのでならとても嬉しく思います。
とても励みになります。どうも有難う御座います!
[…] 編集部より:この記事は 不動産投資ライフ様の2017/3/26の投稿を転載させていただきました。 […]