効果的な繰り上げ返済が返済総額の削減に繋がります

先日、ファイナンシャルプランナーの方とお話させて頂く機会があり、住宅ローンの返済計画についてご相談させて頂きました。

その説明がとても分かりやすかったので備忘録です。

投資用マンションの金利負担は想像以上に大きい

不動産投資の住宅ローン金利投は意外と大きな負担になります。

自らが住むための購入した住居用の場合はここ数年ずっと1%以下を推移していますが、不動産投資の場合は一般的な住宅ローンとは違い資用マンション用のローンを利用することになり、条件によって大きく変動しますが大体2%〜3%程の金利が多いかと思います。

2%〜3%程であればそれ程大きな負担では無いような気もしますが、融資金額が数百万〜数千万単位であることを考えればこれは結構大きな負担になります。

この金利部分の負担を少しでも減らすためには以下のような方法が挙げられます。

  • 購入時の頭金を多めにする
  • 返済期間を短めに設定する
  • 繰り上げ返済を利用する

それでは繰り上げ返済をするとどのような仕組みで返済総額が削減できるのかをご説明したいと思います。

返済の仕組みを理解する

繰り上げ返済の仕組みを理解する前にまずはローンの返済方法について簡単に説明したいと思います。

住居用物件でも投資用物件でも住宅ローンを返済する場合、以下の2つのパターンから返済方法を選択することになります。

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

融資を受ける際、元利均等返済と元金均等返済についてはほとんど意識することは無いと思いますが、基本的にはほぼ全ての人が元利均等返済を選択しているはずです。

元利均等返済と元金均等返済

元利均等返済は返済額(現金と利息の合計)が均等になり一定期間(金利が同じ間)返済額が変わらないです。

一方、元金均等返済は返済額のうち「元金」部分が均等になります。

当初は元金残高が多いため、元利均等返済よりかなり高額な返済額となりますが、元金残高の減少に伴い徐々に返済額も減っていきます。

元利均等返済と元金均等返済については以下の記事で詳しくまとめています。

また金利には元利均等返済と元金均等返済以外にも以下のような種類の金利がありますが、繰り上げ返済とは直接の関わりが低いため今回は説明を割愛します。

  • 固定金利
  • 固定金利選択型
  • 変動金利

これらの金利の違いについては以下の記事で詳しく説明していますので、もし良かったら確認してみて下さい。

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元金部分とローン金利部分の返済イメージは?

ここからは一般的に利用される元利均等返済についての仕組みをご説明します。

以下のグラフでも分かるように住宅ローンの返済は借入当初が一番金利の負担が多きです。

また元利均等返済の場合、月々の返済額は(金利が変動しない限りは)変わりませんが、同じ返済額でも金利部分の占める割合は返済当初が一番大きく、返済を進めるにつれて少しずつ金利に占める割合いが少なくなっていきます。

kinri1

返済額に占めるローン金利と元金の割合いは返済期間などの条件によって変わります。

支払金利が高く返済期間が長い場合は「返済額に占めるローン金利の割合いが50%程」なんてことも珍しくありません。

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繰り上げ返済をすると何が良いのか?

ここで「今のところ利用する予定の無いまとまった資金」が手元にあったとします。

そんな時は繰り上げ返済をすることで住宅ローンの返済総額を減らすことができます。

繰り上げ返済の他に「内入れ」や「前倒し返済」などと呼ばれることもありますが、これらは全て同じ意味になります。

繰り上げ返済後の返済イメージは?

繰り上げ返済は元金に対して返済をします。

もし仮に100万円分の繰り上げ返済をした場合は元金部分の100万円に加えて、そのローン金利部分の返済をしたことになります。

実際には100万円しか使っていないのに100万円+ローン金利を返済したことになります。

そう考えると以下のグラフからも分かるように繰り上げ返済はローン返済後のなるべく早いタイミング(赤の点線部分)で行う方が、ローン返済の後半(青の点線部分)で行うより大きな効果が得られる訳です。

kinri2

繰り上げ返済を行うとその後の返済計画について次の2種類から選択することになります。

  • 返済期間短縮型
  • 返済額軽減型

返済期間短縮型、返済額軽減型のどちらを選んだとしても返済総額を減らすことは可能ですが、返済期間短縮型を選択する方が返済総額を減らすという意味ではより大きな効果が得られます。

ですが、今後のライフイベントで家計の負担が増えそうな場合は返済額軽減型を選択し月々の返済額を少なく設定するのも悪くは無いでしょう。

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繰り上げ返済の注意点

物件の返済総額を少しでも抑えたいと考える場合、繰り上げ返済はとても効果的な方法です。

ですが繰り上げ返済にも注意点がありますし、そもそも繰り上げ返済なんてするべきで無いと考える不動産投資家も多いです。

繰り上げ返済をする際に気を付けるべきことをいくつか挙げてみました。

事務手数料が必要になる

一時金を繰り上げ返済する場合、融資元の金融機関に対して事務手数料を支払う必要があります。

一律で金額が決まっている場合もあれば返済開始からの期間やローン残高によって手数料が変動する場合もありますが、ワンルームマンションの場合、およそ1万円〜3万円程が相場だと思います。

ただ例え数万円の手数料を支払ったとしても繰り上げ返済によって得られる総支払額の削減効果を考えるととても小さな額なので、手数料のことは気にせずに可能であればどんどん繰り上げ返済をすれば良いと思います。

返済する際の最低返済額が設定されている

繰り上げ返済をするためにはある程度まとまった資金が必要になります。

こちらも金融機関によって多少異なりますが、最低返済額が50万円の場合もあれば100万円以上でないと繰り上げ返済をできない場合もあります。

事務手数料が必要であることを考えると余り少額で繰り上げ返済をしても意味が無いので、最低返済額についても特に大きな問題では無いと思います。

本当に繰り上げ返済に使うべきお金なのか?

繰り上げ返済に関わらず住宅ローンは一度支払ったお金をまた戻すことはできませんし、一度設定した月々の返済額を下げることも基本的にはできません。

なので「本当にそのお金を繰り上げ返済に使ってしまっても問題無いのか?」はしっかり考える必要があります。繰り上げ返済時には「今は必要は無い」と思っていても、急な怪我や通院などでいつまとまったお金が必要になるかは分からないのであくまでも余裕のある範囲で繰り上げ返済することをおすすめします。

またもし余裕資金だったとしても「本当に繰り上げ返済に使うべきお金なのか?」は考えたいところです。

仮に手元に余裕資金が100万円あった場合、支払金利2.5%のローンに対して繰り上げ返済をする場合は2.5%分の効果がある訳ですが、もっと別の方法(例えば投資信託など)だったら利回りが5%以上期待できるかもしれません。

投資を行う以上、必ず期待した分の成果が出るとは限りませんが、後になって「他の方法にお金を使えば良かった」と公開しないようにしっかり判断する必要があると思います。

レバレッジ効果を高めたいのなら逆効果になってしまう

繰り上げ返済をすれば勿論キャッシュフローは悪くなりますし、その結果レバレッジの効果も低くなります。

あくまで「1件辺りの返済総額」を考えた場合、繰り上げ返済は大きな効果があります。

ですが、手元にあるの余裕資金を元手に他の物件の購入を検討するのもレバレッジ効果を最大化するには正しい判断です。

もう今後、資産規模の拡大を目指さないのであれば迷わず繰り上げ返済をすれば良いかもしれませんが、今後も資産規模を拡大するのであればキャッシュフローをどんどん溜めて、次の物件を購入できるように働き掛けるべきだと思います。

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自分の考え方を大切にする

投資をしていると「どの方法を選択すれば一番得か?」と考えてしまいがちですが、損得だけで考えても中々上手くいかないような気がします。

挑戦的な投資家であれば多少借金をしてでもレバレッジをたっぷり効かせて次々を物件を購入するべきかもしれませんが、僕のように「借金はできるだけ少なめにしてコツコツと資産を作りたい」と考えるのであればそれでも良いと思います。

返済総額を減らすことはとても嬉しいことですが、そのために自分や家族の生活費を切り詰めて無理をして繰り上げ返済をしているようでは幸せとは言えません。

「自分にはどれ程の生活費が必要か?」「どれだけのリスクなら負うことができるのか?」「いつまでのどの位の資産を築きたいのか?」などを考えて自分にあった方法を探すのが一番良いと思いました。

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