2015年から相続税が改正?計算方法と仕組みについて徹底解説!

節税方法

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日本は税金大国と言われています。日本に住んでいるとさまざまなところで税金を意識することになりますね。特に身近なところではこのような税金が挙げられます。

  • お金を使う…消費税
  • 働いて給料を貰う(稼ぐ)…所得税、住民税
  • 使わずに貯めている…相続税、贈与税

そしてここ数年の間にたくさんの税金が増税されます。今一番話題になっているものは消費税ですね。

2014年4月に消費税が5%から8%に増税されました。
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不動産業界で最も影響のある税金は相続税

ただ不動産業界では消費税以上に話題になっている税金があります。それは相続税です。

非相続人(無くなった人)の保有していた財産を相続する時に課せられる税金のことです。

相続税の仕組みを理解しよう

相続税の計算方法は大きく以下のようなステップとなります。

  1. 相続対象を把握する
  2. 基礎控除額を計算する
  3. 課税遺産総額を計算する
  4. 法定相続分ごとに分割する
  5. 相続税を計算する
相続税の計算方法は少し複雑です。まずはステップごとの内容を理解しましょう。

相続対象の遺産と債務を洗い出す

まずは相続対象となる遺産と債務を洗い出します。

その他にもまた非課税となる支出などがあればあわせて整理します。例えば以下のようなものが挙げられます。

  • 遺産(プラスの財産)
    • 現金、有価証券(上場株式、投資信託、国際)
    • 不動産(土地、建物)
    • 動産(自動車、宝石、骨董品)
  • 債務(マイナスの財産)
    • 借入金(住宅ローンなど)
    • 連帯保証人契約
    • 滞納している税金(所得税、住民税、固定資産税)
  • みなし相続財産
    • 生命保険金(死亡保険金)
    • 死亡退職金
  • 非課税となるもの
    • 葬儀費用
    • 仏壇、墓地、墓石

借金の方が多い場合は相続を破棄する?

遺産から債務を差し引くことを債務控除と言います。もし、遺産から債務を差し引いてマイナスになってしまう場合は、相続放棄や限定承認なども検討します。

本来の相続財産とみなし相続財産?

また、遺産には「本来の相続財産」の他に「みなし相続財産」と呼ばれるものがあります。

本来の相続財産ではないものの、経済的に考えて相続により取得したものと同じ効果がある場合には、みなし相続財産として扱われます。みなし相続財産には生命保険金(死亡保険金)や死亡退職金などが含まれます。

相続開始前3年以内の贈与は相続対象になる?

相続開始前3年以内に非相続人から贈与により取得した財産は、贈与時の価格が相続財産としてかさんされてしまいます。一方、贈与により取得した財産について課税された贈与税がある場合は、相続税額から控除されます。

相続開始前に贈与を受けていた場合は相続税の計算に影響が与える可能性があります。

不動産は相続税対策になる?

相続税は相続財産の評価額によって決まります。現金や有価証券の評価方法は単純なため特に悩むことは無いと思いますが、不動産の場合は評価方法が少し複雑になります。

手元に大きな現金がある場合はその現金を元手に不動産を購入することで相続財産の評価学を大きく削減することも可能です。不動産の活用により期待できる相続税対策については下記の記事でもう少し詳しく説明しています。

相続税対策は万全ですか?不動産投資で期待できる節税対策について
相続税の対策は金額が大きいためしっかりと対応したい分野です。賃貸経営をしたりタワーマンションを購入することで評価額を大きく削減できます。仕組みや計算方法について解説します。
相続税対策に効果的?タワーマンション節税の効果を理解しよう!
タワーマンションの購入は賃貸経営と並んで効果的な節税対策の一つです。タワーマンション節税の仕組みや節税対策の高い部屋の特徴などをまとめています。参考にして頂ければと思います。

基礎控除額を計算する

相続を受けた場合でも必ず相続税が発生する分けでは無く、基礎控除額と呼ばれる一定の金額を超えた場合のみ相続税を申告する必要があります。

2015年から基礎控除額が改正されます

その基礎控除額に関して、2015年1月1日以降は下記の通りに改正されます。

  • 2014年までの基礎控除額(改正前)
    • 5,000万円+1,000万円×相続人の数
  • 2015年からの基礎控除額(改正後)
    • 3,000万円+600万円×相続人の数

例えば相続人の数が3人(母親と子供2人)だった場合、2014年までは8,000万円が控除されますが、2015年からは4,800万円しか控除されません。

  • 2014年までの基礎控除額(改正前)
    • 5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
  • 2015年からの基礎控除額(改正後)
    • 3,000万円+600万円✕3人=4,800万円

つまりこの家族の場合、2014年までは8,000万円までは相続税は掛からなかった訳ですが、2015年以降は相続財産が4,800万円を超えてしまうと相続税を収めなければいけなくなりました。

相続対象となる人が急増する?

2014年の時点で、相続税が発生するケースは全国で約4%程と言われています。

これが2015年以降は上記のように基礎控除額が縮小されることによって、相続税が発生するケースが8%程になると言われています。

今まで相続税なんて他人事だった人にとっても影響を与える税金になってきます。

申告漏れにはペナルティが課せられる

相続対象から基礎控除額を差し引くことで相続税が発生するかしないかが分かります。

  • 基礎控除額以下の場合は相続税は発生しない
  • 基礎控除額以上の場合は相続税が発生する

相続税が発生しない場合は、そこで計算は終わりですが、もし相続税が発生した場合、相続開始日(通常は被相続者が死亡した日)の翌日より10ヶ月以内に申告・納付する必要があり、その申告期限が切れると申告漏れに伴うペナルティとしてより高い税金を支払う場合もあります。

税務署には隠し財産を見つけ出すようなノウハウが沢山蓄積されているんですね。

まずは相続税の納税義務の有無について確認しましょう。期限内に申告しなければペナルティを受けることになります。

課税遺産総額を計算する

基礎控除額が分かったら、次に相続対象の評価額の合計から基礎控除額を計算することになります。

もし父親が1億円分の相続財産を残した場合、相続人の数が3人(母親と子供2人)であれば課税遺産総額は5,200万円になります。

  • 相続財産1億円に対して相続人が3人の場合
    • 1億円ー(3,000万円+600万円✕3人)=5,200万円

一方、父親が4,000万円分の相続財産を残した場合、相続人の数が3人(母親と子供2人)であれば課税遺産総額は0になります。

  • 相続財産1億円に対して相続人が3人の場合
    • 4,000万円ー(3,000万円+600万円✕3人)=△800万円

つまり、この場合はこれ以降は相続税を計算する必要もありませんし、相続税を収める義務もありません。

家族それぞれの相続税を計算する

課税遺産総額を計算することによって、相続税を収めないといけないのか?収めなくても良いのか?が分かります。

もし相続税を収めないといけない場合、相続人ごとの相続税を計算することになります。計算方法は大きく以下の手順になります。

  1. 法定相続分を把握する
  2. 課税遺産額を法定相続分で仮分割する
  3. 仮分割した金額をもとに相続税の総額を算出する
  4. 実際の相続割り合いに応じて相続税額を算出する

相続税を計算するだけなのに少し複雑な手順になってしまいました。

ポイントは「法定相続分」と「実際の相続分」という2つのキーワードです。

  • 法定相続分…民法よって定められた相続割合
  • 実際の相続分…遺産分割協議で決めた相続割合

先程、上記で説明した1億円分(課税遺産総額が5,2000万円)の相続財産に対して、相続人の数が3人(母親と子供2人)のパターンについて実際の計算を交えて解説します。

法定相続分を把握する

法定相続分は民法によって定められた相続割合で以下のようになります。

相続税の法定相続分の割合
相続人 分配の比率 
配偶者と子供2人配偶者(1/2)子(1/4)子(1/4)
配偶者と父・母配偶者(2/3)父(1/6)母(1/6)
配偶者と兄弟2人配偶者(3/4)兄(1/8)妹(1/8)
相続人がいない全て国のもの

課税遺産額を法定相続分で仮分割する

課税遺産総額が5,200万円の相続財産に対して、相続人が母親と子供2人の場合は以下のような相続割合になります。

  • 母親…1/2
    • 5,200万円÷2=2,600万円
  • 子供(1人目)…1/4
    • 5,200万円÷4=1,300万円
  • 子供(2人目)…1/4
    • 5,200万円÷4=1,300万円

仮分割した金額をもとに相続税の総額を算出する

下記の速算表ともとに相続税を計算します。

相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下
20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

課税遺産総額が5,200万円の場合、相続税の計算方法は次のようになります。

  • 母親…1/2
    • 2,600万円✕相続税率15%-控除額50万円=340万円
  • 子供(1人目)…1/4
    • 1,300万円✕相続税率15%-控除額50万円=145万円
  • 子供(2人目)…1/4
    • 1,300万円✕相続税率15%-控除額50万円=145万円
  • 相続税の総額
    • 340万円+145万円+145万円=630万円

つまり、1億円分(課税遺産総額が5,2000万円)の相続財産に対して、相続人3人(母親と子供2人)が収めるべき相続税の総額が630万円であることが分かります。

実際の相続割り合いに応じて相続税額を算出する

相続人ごとの相続金額の按分については、法定相続分にすることもあれば、遺産分割協議で決めた相続割合を適応することもあります。

例えば同じ兄弟でも非相続人との関係性によって差が付くこともありますし、相続税を対策としてのバランスを考えた結果、あえて相続割合を変えることもあるかもしれません。

仮に実際の相続分を以下のように分割したとします。

  • 母親の相続分…全体の60%
  • 子供(1人目)の相続分…全体の20%
  • 子供(2人目)の相続分…全体の20%

その場合、それぞれの相続税額は以下のようになります。

  • 母親の相続税
    • 630万円✕60%=378万円
  • 子供(1人目)の相続分
    • 630万円✕20%=126万円
  • 子供(2人目)の相続分
    • 630万円✕20%=126万円

基礎控除以外にも控除がある

配偶者については税額の軽減規定として配偶者控除が設けられています。配偶者控除の背景には以下のような点が考えられます。

  • 非相続人死亡後の生活への考慮のため
  • 配偶者も同世代であることが多く近い将来二次相続が発生するため

配偶者控除の金額については以下のようになります。

  • 相続税の税額×(以下の少ないほうの金額÷課税価格の合計)
    • 配偶者の法定相続分(1億6000万円未満なら1億6000万円)
    • 配偶者の課税価格

また、配偶者控除以外にも条件によって以下のような控除があります。

  • 未成年控除
  • 障害者控除

ただ、配偶者控除はとても控除が大きく魅力的ですが、それだけで配偶者の相続額を大きくするのは軽率です。その後、訪れるであろう二次相続も想定して適切な処理が必要です。

相続税が2割加算される場合もある

相続税については控除だけではなく、逆に支払う相続税が増えてしまう「2割加算」があります。

  • 相続税が2割加算されないケース
    • 相続人が配偶者
    • 相続人が一等親の血族(父母、子、代襲相続人となる孫)
  • 相続税が2割加算されるケール
    • 相続人が兄弟姉妹、甥、姪
    • 相続人が代襲相続人でない孫、被相続人の養子となった孫
    • 相続人が友人、知人

代襲相続とは被相続人より先に相続人(子供)が亡くなってしまっている場合に、孫がなどが相続財産を受け継ぐことです。

プロフィール

楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
これから不動産投資を始めたい方や、賃貸経営初心者の方に対して、分かりやすい内容を心掛けています。

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