本当に大丈夫?空室率が伸び続ける日本の不動産市場

不動産市場

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日本の空き家率が年々増え続けています。

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過去最高の空き家率を更新

総務省が5年ごとに実施している住宅や土地に関する調査では日本の空き家率が継続的に伸び続けていることが分かります。

直近の2014年7月に発表された調査結果の内容は以下の通りです。

  • 総住宅数…6,063万戸
  • 総世帯数…5,246世帯戸
  • 空き家数…820万戸
  • 空き家率…13.5%

調査を開始して以降、空き家率は伸び続けているにも関わらず、総住宅数(供給戸数)はずっと増え続けています。この数字を見て、皆さんはどう思うでしょうか?

逆に86.5%は入居者いるんであれば、そんなに心配しなくても良いんじゃないかな?

空き家率はあくまでも全国平均だから首都圏や大都市で物件を購入すれば影響はそんなに無いはず。

これからも日本の空き家率は伸び続けてしまうんだろうか?

人によって感想は変わると思いますが、結論から言うと今後も空き家率は伸び続け、首都圏や大都市でも少しずつ影響が出てくると予想されています。

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空き家が増えている本当の理由

空き家が増え続けている要因はさまざまですが、主な理由は以下の3点です。

  • 日本人の人口減少
  • 都市部への人口集中
  • あえて空き家のままで放置している

空き家を放置してしまう人たち

人口減少や人口集中については何となくイメージができると思いますが、それでは何故、あえて空き家のままで放置している人が沢山いるのでしょうか?

空き家を放置している人たちはこのように考えているようです。

  • 物置として必要だから
  • 解体費用を掛けたくないから
  • 特に困っていないから

ですが、これ以外にも所有者側としては「空き家を更地にすることで発生する費用」があり、それが空き家を放置する理由に結びついていると言われます。

更地にすると固定資産税が高くなる?

それでは「空き家を更地にすることで発生する費用」とは何でしょうか?

それは土地の固定資産税と都市計画税です。

所有している土地に何も建物のない更地の状態に比べ、建物が建築されている土地に対しては固定資産前の減額があるのです。

小規模住宅用地(土地)の課税標準特例
課税標準特例(割引率)
固定資産税の課税標準評価額✕1/6
都市計画税の課税標準評価額✕1/3

所有している土地に建物が建てられている場合、固定資産税は1/6、都市計画税は1/3に減税されます。

つまり、建物を解体して更地にすると軽減処置が受けられなくなってしまいます。

そのため、誰も住まないような建物でもあえてそのまま放置されているケースが増え続けているんですね。

建物の固定資産税は必要無いの?

少し勘が良い人ならこのように考えるかも知れません。

例え土地部分の固定資産税や都市計画税が減ったとしても、建物部分の固定資産税や都市計画税が必要になるなら、結果的に納税額は増えてしまうんじゃないの?

とても正しい疑問だと思いますが、実際にはそうはなりません。

空き家になるような築古の物件の場合は減価償却の期間の終わってしまっているため建物についての固定資産評価額はほとんどゼロになっていることが多いはずです。

減価償却の法定耐用年数
物件の種類耐用年数
鉄筋コンクリート(RC)47年
重量鉄骨34年
軽量鉄骨27年
木造22年

例えば木造住宅を建築すると22年後には減価償却期間が終了し、資産価値は無くなります。これが空き家物件が増え続けてしまう大きな理由になっているんですね。

なお、減価償却費の仕組みについてはこちらの記事で詳しく説明しています。是非、あわせて読んで頂ければと思います。

空き家を放置する問題点

ですが、やっぱりこの状態が続くのは良いことではありません。

例えば以下のような問題が想定されます。

  • 建物自体の危険性
    • 倒壊、外壁落下などによる被害
  • 防犯面のリスク
    • 不審者や犯罪の誘発
    • 放火による火災の発生
  • 衛生面の悪化
    • ゴミの不法撤去
    • 害虫や悪臭の発生
  • 景観の悪化、地域全体の価値低下

建築されて時間が経過した建物を何年間もメンテナンスせずに放置しておくと、倒壊や外壁が落下する危険性があります。

元々管理が行き届いていない建物に対して地震などの天災により倒壊してしまう事で、近隣の住宅や歩行者に危険が及ぶ恐れもあります。

さらに、このようなメンテナンスされずに放置され続けた建物が増えると、不審者が出てきたり、何かの犯罪に使われてしまうリスクがありますし、放火やいたずらなどのきっかけになるかもしれません。

空き家の場合、無人であるために通報や消火活動などが遅れる事でより被害を大きくしてしまいます。

中にはゴミ屋敷のような状態で長年放置されている場合もあり、衛生面や景観の面でも次々と問題が発生します。その結果、街の価値(地価など)にも大きな影響を与え、地域全体にとってマイナスの要因になってしまいます。

空き家対策措置法案が施行される

このような問題を少しでも解消するために、国としても警鐘を鳴らしており、2015年には「空き家対策措置法案」が完全施行されることになります。

空き家対策措置法案によって少しでも不要な空き家が無くなることが期待されています。

空き家対策措置法案の完全施行で日本の空き家はどう変わるか?
ここ最近、日本では空き家問題がとても深刻化していています。 日本の空室数の推移としては年々増加傾向ではあったものの、ここ数年は特に社会問題として取り上げられており、加えて空き家問題もより注目されてきています。 日本の空室...

空き家バンクで解消できる?

空き家バンクについてはこちらの記事でより詳しく説明しています。

地域活性化の起爆剤?空き家バンク制度で空室率が解消できる?
2014年時点で日本の空き家率は13.5%、空き家数は820万戸と言われています。空き家バンク制度を活用することで、空き家問題を解消し地域活性化にも繋がると期待されています。
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空き家が増えても建設計画は増加傾向

それにしても、これだけ空き家率が増えていっている一方で都心では、凄い勢いで建設計画が進められています。

首都圏や大都市ではタワーマンションを中心とした建築計画が乱立されている状態です。

それでも不動産販売会社としては会社として存続するために、物件を建設して売り続ける必要があります。空き家率が増えようと、建物に供給過剰になろうと「建てる側」からしてみれば知ったことではありません。

これからも、実際の需要以上に次々と建物が建設され続けていくはずです。

本当に都心なら大丈夫?

それでは東京や大阪のような都心なら大丈夫なのでしょうか?

勿論、そんなはずありません。

少し意外かもしれませんが、何年も前から東京や大阪のような大都市でも空き家率は10%以上を推移しています。一概に「東京都」と言う括りで考えても余り意味は無いですが、地方の過疎化を他人事のように考えるのは軽率です。

このままのペースで供給過剰が続くと販売価格も賃貸価格もライバル物件との価格競争になってしまいます。つまり「何か特別な差別化」ができない物件は次々と値下げしていかなざる得ない状態に陥ってしまします。

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空室率について真剣に考える必要がある

そう考えるとやはり自分の保有物件に空室を出さないためにはいろいろと工夫が必要になります。

不動産販売会社としては不動産投資についてさまざまな利点を挙げてきます。

不動産投資をすることのメリット
期待できる効果具体的な内容
年金対策ローン返済後は家賃収入が将来の年金対策になる
相続税対策資産を不動産に変えることで相続税の評価額を圧縮できる
所得税対策減価償却へ経費の計上により申告時の所得を減少させる
低金利(住宅ローン)住宅ローンが低金利であるため返済総額を抑えられる
低金利(銀行預金)銀行にお金を預けていてもほとんど利子がつかない
物価価格の上昇都心では物件価格の上昇が期待できる

ですが、これからの賃貸経営においてもっとも大きなリスクは人口減少による空室リスクです。

しっかりとした経営を促進できればリスクは最小限に抑えられますが、それでも競争は厳しくなりますし、想定通りの運用ができなければ、最悪の場合、ローンを返済できず経営破綻してしまう可能性だってあります。

今後、何がリスクなのかを考えて「無理の無い賃貸経営は何か?」を改めて考える必要があると感じました。

プロフィール

楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
これから不動産投資を始めたい方や、賃貸経営初心者の方に対して、分かりやすい内容を心掛けています。

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