変動金利が一番おすすめ!住宅ローン金利の決められ方と金利プランの比較について

融資戦略
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住宅を購入し金融機関から住宅ローンの融資を受ける場合、どの金利プランを選択するかを決めることになります。

金融機関からの提案をそのまま受ける方もいるかもしれませんが、それでも住宅ローンを組んで不動産を購入する場合は必ずどの金利を選択するのかを判断することになります。

超低金利時代と言われてもう何年も経ちますが「どの金利がお得なのか?」「どの金利が自分のライフスタイルに合っているのか?」などと悩む方も多いと思います。

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そもそも金利の決められ方は?

僕たちが住宅ローンなどで融資を受ける際、実際に支払う金利を「適応金利」と呼びます。

「適応金利」は「実質金利」や「表示金利」と呼ばれることもあります。

適用金利は以下の計算方法で算出されます。

  • 適用金利の計算方法
    • 基準金利(短期プライムレート+1%程)ー優遇金利(時期や個人属性に依存)

そして、金利の基準を決める上で大きなポイントになるのがプライムレートです。

プライムレートとは銀行などの金融機関が一部上場企業のような優良企業に対して融資する際に最も優遇された最優遇金利のことです。そして短期(1年未満)の融資を行う場合の最低金利のことを「短期プライムレート」といいます。

「適応金利」は民間の住宅ローンの算出方法は短期プライムレートを基準として算出された「基準金利」より、融資を受ける時期や個人の属性に応じた「優遇金利」を差し引いた金利になります。

なお、適応金利やプライムレートの仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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金利の種類は3種類

金利の返済パターンは大きく3つに分けられます。変動金利型と固定金利型に加え、それの中間に位置する固定金利選択型です。

  • 固定金利型
  • 変動金利型
  • 固定金利選択型

ここ数年間の傾向としては金利の低い変動金利型がもっとも人気で続いて固定金利選択型が選ばれています。固定金利型は金利が高いため少し人気が劣ります。

また僕の個人的な考え方としても「変動金利型を選択するのが絶対にお得」だと思っているのですが、ここでそれぞれの金利の種類について違いや特徴、注意点などをまとめた上で3つのプランを比較していきたいと思います。

固定金利型

固定金利型で住宅ローン(不動産投資ローン)を契約すると、返済が完了するまでの間ずっと同じ金利が適応されます。

金利は高いけど安心感のある固定金利型

住宅ローンを契約したタイミングで返済総額(返済期間中の元金と利息の合計)が確定します。そのため仮に世の中の金利が上昇したとしても、一切影響を受けないため安心して返済計画が立てられます。

変動金利と比べると金利自体は高くなりますが、現在のような超金利時代であれば「今の間に固定金利で融資を受けていればずっと低金利のまま金利が変わらないからお得」とも考えられます。

固定金利の変動リスクは誰が取るの?

変動金利の場合、景気動向などさまざまな理由によって設定金利が変動しますが、固定金利は金利の変動がありません。

「それでは一体、誰が固定金利の変動リスクを取るっているのか?」と思うかもしれませんが、それは融資元の金融機関が固定金利の変動リスクを取ってくれているのです。

「金融機関はお金を貸す側」というイメージが強いと思いますが、金融機関としても日本銀行や預金者などから融資のためのお金を準備する必要がある訳です。

なので「35年間同じ金利でお金を貸します」ということは金融機関として言い換えれば「金利が変動することのリスクは金融機関側が負います」ということになります。

そう考えると「一定の手数料を支払えば借り換えなどで返済プランを変更できる借り手側」に比べて「ずっと固定で貸し続けないといけない金融機関側」の方がよっぽど覚悟が必要な訳で、その分、変動金利よりも固定金利の方が金利が高くなるのはある程度仕方の無いことなのかもしれませんね。

変動金利型

変動金利型で住宅ローン(不動産投資ローン)を契約すると、半年ごとに見直される短期プライムレートに連動して金利が変動します。

変動金利型の3つの特徴

変動金利型の主な特徴としては以下の通りです。

  • 半年ごとに金利が見直される
  • 返済額は5年間一定
  • 返済額の上限は1.25倍以上は上昇しない

これらのルールを知っておけば「月々の返済総額が急激に上がる可能性が低い」ことが理解できると思います。

そう考えると変動金利型を選択してもそれ程心配する必要が無いような気もします。

変動金利型のリスクは月々の返済額だけではない

変動金利型の特徴を理解すると「金利は半年ごとに変動するのに返済額は5年間一定なの?」と疑問に感じるかもしれません。

それは言い換えると「返済額は5年間一定なんだけど金利は変動するため元金と金利の割り合いが変わってくる」ことを意味します。

「返済額は5年間一定」というルールがあるので仮に金利が上昇しても返済額は変わりません。ただしその変わりに「返済額に占める元金部分が減ってしまい変わりに金利部分が増えてしまう」ことになります。

少しややこしいですね。

また「返済額の上限」についても同じような考え方ができます。

仮に(現実的にはありえませんが)適応金利が2倍になったとしても、返済額は1.25倍以上上昇することはありません。

一見「適応金利が2倍になったのに返済額は1.25倍だからラッキーだ」と思うかもしれませんが、これも同じように「返済額に占める元金部分が減ってしまい変わりに金利部分が増えてしまう」ことになります。

なお、変動金利型を選択して金利が上昇してしまった場合のリスクについてはこちらの記事でもう少し詳しく説明しています。

変動金利は変動していない

ここ数年間の変動金利の傾向としてはもう一つ特徴と言えることがあります。

それは「変動金利はここ数年間ほとんど変動していない」ことです。

下のグラフを見てみると固定金利はここ10年間で緩やかに下っているように見えますが、変動金利はほとんど下がっていないことが分かります。

※画像はフラット35の民間金融機関の住宅ローン金利推移(金利変動等)からです。

住宅ローン:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

上記の「そもそも金利の決められ方は?」でも触れた通り、変動金利は短期プライムレートを基準として算出されます。そして短期プライムレートは各金融期間ごとに独自に設けられた数字です。

確かにここ数年は史上最低金利と言われていますが、金融機関側も住宅ローンの融資による収益を確保する必要があります。

そのため固定金利は少しずつ下がっているにも関わらず、変動金利はほとんど下がらないという少し不思議な減少が続いています。

なので現段階では「変動金利は上がる可能性はあっても下がる可能性は比較的低い」のかもしれませんね。

固定金利選択型

固定金利選択型は固定金利型と変動金利型のそれぞれの特徴が含まれています。

固定金利期間修了後の選択肢について

固定金利選択型を選択した場合、まずローン融資を契約するタイミングで固定金利期間を選択します。

以下のような固定期間が選択できます。

  • 3年間
  • 5年間
  • 10年間

その後、固定期間が経過すると金融機関ごとに以下のようなパターンに分けられます。

  • 固定金利型に移行する
  • 再び固定金利選択型にするか変動金利型にするかを選択する

当然ですが適応金利は「固定金利型よりは低金利で変動金利型よりかは高金利」になります。

「現在は金利が低いが将来的には金利が上昇するのではないか?」と考える場合、変動金利型を選択するのはリスクがあるため固定金利選択型を選択するケースが考えられます。

借入当初は固定金利と比べ少しでも金利の安い固定金利選択型を選択し、金利が上昇しつつあるタイミングで固定金利型に移行するようなイメージです。

固定金利選択型と住宅ローン減税

固定金利選択型と相性の良い考え方として住宅ローン減税があります。

住宅ローン減税とは銀行などの金融機関から住宅ローンを利用し自身の入居用としての住宅を購入する場合に負担を軽減してくれる制度で年末時点でのローン残高に対して1%分を10年間納めた税金(所得税および住民税)から控除してくれる制度です。

要するに「住宅ローン減税はローン残高を基準として控除額が決まる」ため、住宅ローン減税が適応される10年間は「固定金利選択型を選択することによって、例え変動金利型より金利が高くその分、元金の返済が遅れたとしても住宅ローン減税による控除を受ければある程度金利の差をカバーできる」とも言えるわけです。

正直、この点についてはほとんど大きな効果は期待できないと思いますが、こんな考え方があるということだけでも頭の片隅に残しておいても良いかもしれません。

元利均等返済と元金均等返済

ここまでは金利の種類としてそれぞれの違いを簡単に説明してきました。

ただ金融機関から融資を受ける際に決めるポイントがもう一つあります。

それは返済方法です。

返済方法は大きく2種類に分かれます。

  • 元利均等返済
  • 元金均等返済

元利均等返済は返済額(現金と利息の合計)が均等になり一定期間(金利が同じ間)返済額が変わらないです。

一方、元金均等返済は返済額のうち「元金」部分が均等になります。当初は元金残高が多いため、元利均等返済よりかなり高額な返済額となりますが、元金残高の減少に伴い徐々に返済額も減っていきます。

特に指定しない限りは基本的には元利均等返済になると思いますが、金融機関から融資を受ける上では金利の種類と同じく返済総額に影響を与えるため頭の片隅に置いておいても良いとおもいます。

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結論としては変動金利が一番良い

その上で、どの返済計画かを選ぶ必要がありますが、結論としては変動金利が一番オススメです。

固定金利は1%以上も金利が高い

変動金利型がオススメな理由としては、まず第一に固定金利型と比べて変動金利型の方が金利が低い事が挙げられます。

金利の動向や金融機関等によっていろいろと違いはありますが、固定金利型と変動金利型とでは1%以上の差がある事も珍しくありません。そして数百万円〜数千万円の融資を受ける場合、この1%の差は金額としてとても大きな差になってしまいます。

「ずっと金利が固定である安心感」を得られるという意味ではとても魅力的ですが、その分1%もの金利差があるのはやっぱり大きな負担になります。

金利が上昇する可能性は低い?

一方、金利上昇を心配する方も多いと思います。

ですが、現在「超低金利時代」と言われつつも僕の知る限り多くの専門家の方が「数年間の間に金利が急上昇する可能性は低い」との見解です。

また今後金利が上昇し続けても変動金利による返済額の変動は返済計画が35年の場合でも7回(変動金利でも返済額は5年間変わりません)です。

返済期間を短くすればその回数も減ります。ローンを組んでからかなり早い段階で金利が上昇すれば負担は増えますが、逆に返済期間の後半で金利が上がったとしても、それはそれ程大した事では無いはず。

このようなことから、変動金利の方がお得なのでは無いかと考えられますが、金利の変動については専門家でも意見が分かれます。

将来、金利がどのような推移で上がる(または下がる)かは誰にも分からなないため、結局は性格の問題が大きいような気もします。

なので、あくまでも「金利は当分上がらないから変動でも大丈夫」ってことが言いたいのでは無く「数年後、金利が多少上昇したとしてもトータルで考えた場合、変動の方が安くなる可能性が高い」のでは無いかと思います。

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後からでも借り換えができる

ここまで金利の種類や特徴についてご説明してきましたが、これらの金利の種類は後からでも借り換えることが可能です。

固定金利型から変動金利型に借り換えを行う場合、金利自体は大きく下がりますが、金利変動のリスクを受けてしまいます。残りの返済期間が長ければ長い分、変動金利型に切り替えるリスクは大きくなります。

ですが、現在、固定金利型を選択していて、残りの返済期間が10年を切っている場合は余程金利が急上昇しない限り返済総額が下がる可能性が高いです。また仮に返済期間が残っていても「いざ金利が上がりそうになったら残りの残額を全て一括で返済できる」と言う場合にも変動金利型を選択する方がお得だと言えます。

勿論、住宅ローンの借り換えには手数料が掛かるため、返済総額が下がるからというだけで借り換えをするのは軽率ですが、自分が許容できるリスクの範囲内で少しでも返済額を抑えられるような対応を取ると良いと思います。

なお、住宅ローンの借り換えについてはこちらの記事でもう少し詳しく説明しています。

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金利の種類を選ぶ前に大切なこと

ここまで住宅ローンでお金を借りる際の金利の決められ方やそれぞれの金利の種類について比較してきましたが、それ以前に一番大切はことは「自分の収入やライフスタイルに合った適切な予算で住宅を購入すること」です。

特に変動金利の場合は、景気動向などによって多少返済額が増えてしまったりもしてしまいますが、金利が上がったからと言ってそれで生活が傾いたり破綻したりするのであればそれは金利のせいでは無くて購入金額が適切ではなかったと言い切れるはずです。

住居用や投資物件に限らず住宅を購入する時は、ついつい気が大きくなってしまうかもしれませんが、この先長い期間ずっと返済を続けていくのは他の誰でも無く自分のはずです。

まずは「無理なく返済していけるのか?」「本当にそんなに立派な住宅が必要なのか?」を冷静になって考えれるよう心掛けましょう。

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