知らない人は損してる?NISA制度の魅力と口座開設後の注意点について

資産運用
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皆さんはもう「NISA制度」を活用されていますか?

今年2014年1月からNISA(少額投資非課税制度)が開始されました。

少し内容が複雑なので、今までに投資の経験が無かった方からすると少し混乱してしまうかもしれません。

  • NISA制度の概要を知りたい人
  • NISA制度の注意点を理解し、損をしたくない人
  • 具体的なNISAの運用方法を知りたい人
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NISA制度は何が良いの?

NISAとは株式投資や投資信託などによって得られた儲け(運用益や配当金)を非課税にする制度のことです。

  • 2014年〜2015年まで
    • 年間で投資金額100万円までが非課税になる
  • 2016年〜2023年まで
    • 年間で投資金額120万円までが非課税になる

NISAとはイギリスのISA(個人貯蓄口座)制度を元に作られていて、日本版のISAなのでNISAと呼びます。

NISAを使わないとどうなるのか?

NISAを活用すると一定の投資金額(100万円または120万円)までは非課税になる訳ですが、逆にNISAを活用しない場合はどうなるのでしょうか?

配当所得にも税金が掛かってしまう

株式投資や投資信託などによって得られた運用益や配当金のことを配当所得と呼びます。

仮に100万円で購入した株式銘柄が150万円で売却できたとしたら「50万円の配当所得を得た」ことになります。

そしてその配当所得に対しては、一律で20.315%の税金が掛かってしまいます。

  • 2013年12月31日まで
    • 10.147%(所得税+復興特別所得税7.147%、住民税3%)
  • 2014年01月01日以降
    • 20.315%(所得税+復興特別所得税15.315%、住民税5%)

つまり、せっかく株式投資や投資信託でお金を儲けたのに、結局、税金として国に納めない訳です。

もし10万円の配当所得があったとしても約2万円程は税金として徴収されてしまう訳です。

NISA制度を活用しないと配当所得に所得税が掛かってしまいます。

NISA口座で儲けたお金には税金が掛からない

そこで誕生したのがNISAです。

NISA制度を活用して口座を開設すると、そこで儲けたお金には税金が掛かりません。

もし10万円の配当所得があった場合は、そのまま10万円が自分の儲けになる訳です。

この「税金が掛からない仕組み」のことを「非課税」と言います。

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NISA制度の特徴

NISAの簡単な概要は以下の通りです。

NISA制度の概要
項目規定内容
年間の非課税枠120万円
非課税期間5年間
投資総額600万円
対象商品株式・投資信託等
非課税対象配当金・売却益等
口座開設の期間2023年開設分まで
口座開設の対象者20歳以上

開設できる口座は一人につき一口座のみなので、複数の金融機関で口座を開設する事は出来ません。

また非課税枠の未使用分を翌年へ繰り越したり、売却したからといって非課税枠の再利用するようなことはできません。

※画像の出典は楽天証券のサイトからです。

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制度開始から現在の状況は?

2014年1月にNISA制度が開始された時点で500万件を越える口座の開設がありました。

内訳としては株式投資での利用が7割程なのに対して投資信託の利用は3割程です。

NISA制度については金融庁もかなり力を入れており、全国の銀行や家庭の中に眠っている預貯金(2014年の時点で総額は約860兆円以上)を少しでも長期の投資に結びつけよういう狙いもあります。

ですが、残念なことに、NISA制度の活用方法の多くがいわゆる「一括買い」であり、なかなか新規の長期(積立)投資には結びついていません。

各証券会社もNISA開設にとても積極的であり、証券会社最大手の野村證券ではNISAの口座開設に伴い2,000円をキャッシュバックするキャンペーンなども実施中です。

制度の複雑さも課題になっている

口座開設者の属性としてはその大半が高齢者であり20歳台〜30歳台の若者世代にいたっては、まだ余り浸透していません。

金融機関側は顧客の囲い込みに繋がるように必死に宣伝活動をしていますが、投資に関心の無い若者世代からすれば金融機関やメディアが取り上げている程の大きなインパクトは無く、制度の複雑さが参入の妨げになっているようです。

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NISAにも注意点がある?

基本的に「使っておいて損は無いNISA口座」ですが、注意点として他の口座との損益通算・損失の繰越控除が出来ない事が挙げられてます。

損益通算・損失の繰越控除とは

例えば複数の普通口座がある場合、片方で損失があった場合、もう片方の損益と相殺した金額が課税対象となりますが、NISA口座で損失があった場合は、その他の口座と相殺する事は出来ません。

ここが一概にNISAが必ずしも得をするとは限らないと言われる理由の一つです。

変わり続けるNISA制度

NISA制度は今までにも何度か細かな制度内容が改正されています。

  • 口座開設の金融機関を1年単位で変更可能(2015年1月〜)
  • 年間の非課税額が120万円に増額(2016年1月〜)
  • ジュニアNISAの新設(2016年4月〜)
  • つみたてNISAの新設(2018年1月〜)
  • ロールオーバーの上限額(120万円)の撤廃(2017年の税制改正)

当初は一度どこかの金融機関でNISAの口座を開設するとその後4年間(第一勘定設定期間)は同じ金融機関で運用する必要がありましたが、2015年1月以降は毎年金融機関を変更できるようになりました。

また年間の非課税枠も100万円から120万円に増額されそれに伴い5年間の投資総額も600万円になりました。

さらに2016年4月からは20歳未満の子供を対象とした「ジュニアNISA」が新設され、また2018年1月からはより長期運用に適した「つみたてNISA」が新設されます。

口座開設はどの商品を購入するかで決める

金融機関により購入できる商品は異なるので「どこで開設するか?」ではなく、「どの金融商品に使いたいか?」を基準に口座開設を考えるべきです。

NISAはあくまで運用利益に対する税金の優遇なので「どの金融商品にどれくらい投資するか?」が大切であることは、従来の考え方と同じです。

そもそも、運用利益を作り出さないと非課税になっても意味がありません。

口座開設後の注意点

投資信託のような長期の資産運用をしていると中々運用プランの見直しをする機会は少ないかもしれませんが、NISA制度については口座を開設した後もいくつか意識するポイントがあります。

NISA制度が開始された2014年から2016年までの2年間の間だけでも次のような制度の改正が行われました。

  • 口座開設の金融機関を1年単位で変更可能(2015年1月〜)
  • 年間の非課税額が120万円に増額(2016年1月〜)
  • ロールオーバーの上限額(120万円)の撤廃(2017年の税制改正)

あくまでもマイナーチェンジのレベルですが、必ず把握しておくべき内容です。

金融機関の変更が可能に

当初は一度どこかの金融機関でNISAの口座を開設するとその後4年間(第一勘定設定期間)は同じ金融機関で運用する必要がありましたが、2015年1月以降は毎年金融機関を変更できるようになりました。

金融機関への変更を検討する際は、金融機関ごと口座切替のルールや書類提出のタイミングなどが違いますので、注意が必要です。

年間の非課税額が増額

年間の非課税枠もNISA制度の新設時の2014年1月には上限額が100万円だったのに対して2016年1月からは上限額が120万円に増額されました。

つまり、月々の(単純に12ヶ月で割った)非課税上限額も増え、積立額を以下のように増額した個人投資家も多いです。

  • 改正前(2014年〜2015年)
    • 83,000円×12ヶ月=996,000(≒1,000,000円)
  • 改正後(2016年以降)
    • 100,000円×12ヶ月=1,200,000円

ロールオーバーの上限額が撤廃

ロールオーバーとは非課税期間の延長のことです。

従来の制度ではロールオーバーが可能な非課税額は120万円でしたが、2017年の税制改正によってこの上限額が撤廃されました。

ロールオーバーは少し複雑ですが、後ほどもう少し詳しく説明したいと思います。

2018年からは「つみたてNISA」が新設される

2018年1月から積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」が開始されます。

また、それに先立ち2017年10月より口座開設が可能になりました。

注意点としてはつみたてNISAと現行のNISAは併用での運用ができないことです。

なので、もしつみたてNISAを採用したい場合は、現行のNISA口座からつみたてNISAの口座へ変更する必要があります。

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非課税期間の終了後の対応について

NISA口座による非課税期間は5年間です。

2014年1月にNISA口座を開設し利用し始めた場合、2018年12月までが非課税期間となります。運用資産については、そのタイミングで売却しても良いですし、継続して運用し続けることも可能です。

移行時に取得価格が更新される

投資資産を非課税であるNISA口座から課税対象となる一般口座へ移行し、引き続き運用を継続する場合は、非課税期間中に得た運用益も含めた資産をそのまま一般口座へ移行することになります。

例えばNISA口座を活用した非課税期間に投資額100万円分の投資をし、その結果、非課税期間終了時に150万円になっていたとします。50万円分の運用益が得られた訳です。

その投資額の運用益の合計150万円を一般口座に移行することになる訳ですが、この時「投資額を100万円」としてしまうと、せっかく非課税だった運用益の50万円に対して、一般口座に移行したとたん課税対象になってしまいます。

そうならないために一般口座への移行時には非課税期間の運用益も含め「投資額を150万円」として移行することになり、このことを「取得価格の更新」と呼びます。

ロールオーバーの仕組みを理解する

非課税期間の終了時のもう一つの選択肢としてロールオーバがあります。

オールオーバーとは非課税期間の延長のことです。

上記でNISA制度利用による非課税期間は5年と記載しましたが、このロールオーバを利用することで最大10年までの非課税期間を延長することができます。

ちなみに2014年からのNISA口座を開設した場合は2018年の年末で非課税期間が終了するため2019年から2023年までの最長5年間が非課税期間としてロールオーバーできます。

ロールオーバーはあくまでも非課税期間の延長なので非課税としての投資額が拡大する訳ではありません。

ロールオーバーする金額が非課税枠の120万円より少ない場合と、非課税枠の120万円より多い場合で若干考え方が異なります。

ロールオーバー時に非課税枠が余っている場合

もし非課税期間が終了しロールオーバする金額が100万円だった場合は、非課税枠が20万円余っているため、その分だけ追加で新規の投資を行うことができます。

ロールオーバー時に非課税額を超過している場合

一方、非課税期間が終了しロールオーヴァする金額が150万円だった場合は、既に非課税枠を使い切ってしまっています。その場合は150万円全てがロールオーバーの対象となります。

上記の「制度改正を把握する」のところでも記載した通り、従来は時価として120万円を超える部分については一般口座へ移行する必要がありましたが、2017年の税制改正によりロールオーバーできる金額の上限が撤廃されました。

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オススメの運用方法

ここまでNISA制度の該当と注意点を説明してしてきましたが、それでは具体的にどのような運用方法があるのでしょうか?

「どの程度のリスクテイクなら許容できるのか?」「どれ程の儲けを期待したいのか?」によって考え方は違いますが、ここでは僕個人的な考え方をまとめてみました。

NISAと相性の良い金融商品とは?

NISAを活用出来る金融商品には大きく分けて株式と投資信託に分けられますが、次の理由により「投資信託の方がNISA制度の活用には向いている」と言えます。

  • 非課税額が再利用できないため長期的なつみたて投資が向いている
  • 株式投資は銘柄により売買価格が大きくなるため計画的に非課税枠を使い切ることが難しい
    • 投資信託は一定額つみたてればしっかり非課税枠を使い切ることができる

中にはこのように考える人もいるかもしれません。

高配当の株式投資の方が儲けが大きいので非課税の恩恵を大きく受けられるのでは?

この考え方自体は正しいのですが、高配当の株式投資には投資信託と比べて大きなリスクが課せられます。また仮に大きく損した場合でもNISAを活用した場合、損失分を損益通算できないことを踏まえると、少額から積み立てることのできる投資信託の方が恩恵を受けやすいはずです。

本来の投資リスクや損失発生時に損益通算ができないことを考えると投資信託の方が相性が良いと考えられます。

一括購入より積み立ての方が良い?

一括購入か積み立て投資かを考える場合、このように考える人もいると思います。

非課税枠を最大限に使うなら積立では無く一括購入で120万円分投資する方がNISAの恩恵を受けられるはずでは?

確かに年間120万円の非課税枠を最大限に使い切るには年の変わる1月1日に120万円を一括購入する方が効果的であることは間違いありません。

ただ、ポイントは「いかにNISA枠をしっかり使い切るか?」では無く「期待通りの利回りを獲得するためにどの購入方法が効果的か?」を考えると、ドル・コスト平均法による購入時期を分散した積み立て投資の方が、リスクを軽減する効果は大きいと言えます。

確かに、一括購入の方が非課税枠をしっかり使えますが、投資本来のリスクを考慮すると購入時期を分散した積み立て投資の方が安定した運用が期待できます。

とても保守的で面白みのない考え方ですが、NISAでは投資に関心が無かった人に少しでも興味を持ってもらおうと言う制度でもあります。

なので、一攫千金の大勝負をするのでは無く、ゆっくり長期投資でその恩恵を得られる方が、よりNISA制度を活用した資産運用だと思います。

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