賃貸よりも購入がお得?実は安くならない…チラシの情報は嘘ばかり?

大規模修繕工事の問題点 販売会社

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分 42 秒です。

賃貸マンションに住んでいると定期的に新築マンションや中古マンションの販売のチラシが届きます。基本的には「今の家賃より安い価格で購入できます!」という内容です。

僕はこのチラシを見るたびに「悪質な内容だなぁ」と思ってしまいます。

スポンサーリンク

同じ家賃を払うならば購入の方が良いのか?

住宅の話になると必ず「賃貸派?」「購入派?」という論争(?)になります。

ですが、生活スタイルや家族構成は人それぞれです。

不特定要素が多い中で「どちらがお得か?」という話をしても余り意味は無く、個人の価値観で判断すれば良いと思います。なので僕の考え方としては「どちらの判断も間違いでは無い」訳ですが、今回は「本当に今の家賃より安い負担で新築マンションに住むことができるのか?」について考えてみたいと思います。

スポンサーリンク

チラシの内容を都合良く解釈してはいけない

チラシには「間取り」「最寄り駅からの距離」「(中古物件の場合)築年数」などの他、以下のようなお金に関する内容が書かれています。

  • 販売価格
  • 月々の返済ローン負担
  • 適応金利

実際にこの内容が正しいか?間違っているか?というと、一応、正しい訳ですが、実は小さな落とし穴がたくさんあるので一つずつ理解した上で判断したいところです。

月々の費用負担以外にもたくさんの負担がある

「月々の返済ローンの普段」という意味ではチラシに書いてあることは正しいですが、それ以外にも明記されていない支出があります。例えば以下のようなものが含まれています。

  • 修繕積立費
  • 固定資産税、都市計画税
  • その他の事務手数料
    • 印紙税、登録免許税、司法書士への報酬
    • 不動産取得税
    • 仲介手数料
    • 借入ローンの手数料
  • (必要であれば)地震保険
不動産の購入にはさまざまな初期費用や維持費用が必要になります。

事務手数料は初期費用として大きな負担になる

事務手数料は不動産購入時に一度だけ必要となるコストなのでそれ程気にならないかもしれませんが、(ワンルームマンション以外の)住居用の新築マンションを購入すると少なくとも100万円程にはなります。

固定資産税と都市計画税は毎年払い続ける費用

固定資産税と都市計画税は1年に1回納税する必要があります。ただ納税するのは1年に1回ですが、仮に固定資産税と都市計画税で12万円の場合、単純計算でも月々1万円分の支出が発生することになります。なお固定資産税と都市計画税の仕組みについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

修繕積立費は計画通りには進まない?

管理費は基本的には一定のはずですが、修繕積立金は老朽化に伴う大規模修繕などのための資金であるため、築年数の経過と共に上がるよう修繕計画(例えば先30年までの計画)の中にも組み込まれています。つまり値上がりすることは最初から想定されている訳です。

新築マンションの販売時は少しでも物件を販売しやすくするために意図的に設定金額を低く設定し、その後、徐々に修繕積立金が増えていくのが一般的です。

またマンションを購入した場合、修繕積立金以外にもリフォームの費用や設備(給湯器やエアコンなど)の故障による交換費用なども全て自己負担になってしまいます。

地震保険は加入しなくても良い?

賃貸契約の場合、火災保険には加入するものの地震保険には加入しないことが多いと思います。

ですがマンションの購入をきっかけに地震保険への加入を検討する場合は「地震保険への加入が想像以上に高額」であることに悩まされると思います。

僕個人的には「地震保険は割高な割に補償金額が少ないため無理して加入する必要は無い」と考えていますが、不安な場合はその分の予算も想定しておかなくてはいけません。

設定金利は当てにならない

住宅ローン契約を結ぶ場合、基本的には以下の3種類の金利から選ぶことになります。

  1. 固定金利型
  2. 変動金利型
  3. 固定金利選択型

そして、チラシに書かれている金利は変動金利型か固定金利選択型である場合が多いです。

3年後の金利は高くなる?

変動金利型の場合、将来的に金利が上がってしまうことが予想できると思いますが、固定金利選択型の場合も購入当初から3年間だけ固定金利であり、それ以降も変動してしまうため、金利が上がればその分、月々の返済額は大きくなってしまします。

金利が多少変動したからと言って、それ程大きな影響は無いと考えてしまうかもしれませんが、金利が1%増えるだけで返済にローン返済に掛かる費用はとても大きくなってしまいます。住宅ローン金利がローン返済額に与える影響についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

また、金利の種類についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、もし良ければあわせて読んで頂ければと思います。

建物が完成する時期によって金利も上がる

チラシに記載されている金利はチラシ作成時点での情報ですが、物件が建築中(または建築前)である場合、物件の完成が1年以上先になる可能性もあります。大規模な高級タワーマンションの場合、3年以上先になることも珍しくありません。

仮に現時点ではローンの金利が低かったとしても、3年後、実際にローン契約を結ぶタイミングで金利が上昇してしまっていたら(恐らくその可能性は高い)、ローンを組んだ段階で既に大きなズレが出てきてしまいます。

適応金利は借主側の属性によって変動する

チラシや広告に掲載される金利情報は「借主側の属性がもっとも高い」ことが前提で算出された数字です。会社員や公務員として長期間勤務している場合は記載されている設定金利が適応されるかもしれませんが、個人事業主やアルバイトのように「金融機関の立場から見て属性的に不安がある」と判断された場合は設定金利も高くなってしまいます。

チラシに掲載されている適応金利はもっとも良い条件を想定した情報が設定されています。

販売価格は最安値情報が掲載

チラシや広告の物件情報に写真が掲載されている場合、このような写真が掲載されていることがあります。

  • 部屋が広く開放的な写真
  • 高級感のある設備が備え付けられている写真
  • 上層階のバルコニーから素敵な景色が写っている写真

ですが、実際に掲載されている金額のマンションは以下のような条件であることが多いです。

  • 部屋が狭かったり間取りが小さい物件
  • 十分ではあるものの最低限の設備のみが備え付けられている物件
    • 高級感のある設備はオプションとして追加費用が掛かる
  • 低層階の販売価格がもっとも安い物件

つまり「物件イメージの写真」と「記載されている金額」が別物な訳ですが、チラシを見ただけではその事実を見極めることができず、結局、来店してから初めて「自分の理想の物件を手に入れるにはそれ想像以上のお金が掛かる」ことに気付くことになります。

また、一棟の分譲マンションの中で意図的に安い金額を設定した目玉物件を数部屋設定し、その金額を前提に全ての計算が進められている訳ですが、その目玉物件を購入するにはとても高い倍率で抽選が行われたり、既に目玉物件は売り切れていて実は購入できない状態であるにも関わらず、最安値価格が記載されているケースもあります。

来場するだけで商品券が貰える?

モデルルームに来場しアンケートに回答すると商品券やクオカードが貰えるキャンペーンがあることもあります。

あのキャンペーンの費用は販売会社の好意で利益を還元して捻出している費用なのでしょうか?

勿論、違いますよね。

また、チラシを印刷するのもタダじゃありません。

新築マンション価格設定の内訳には営業のための販売費用が含められています。

言い換えると、新築マンションの購入者が自分に対する営業のための販売費用を負担していることになるわけです。

「商品券やクオカードが貰えるからちょっと見に行ってみようか?」と軽い気持ちでモデルルームに出向くのは良いですが、その費用の出どころがどこなのかはちゃんと認識しておくべきだと思います。

ボーナス払いが含まれていない?

これは最近だと余り少ないかもしれませんが「今の家賃より安い価格で購入できます!」と掲載しているのに、小さな文字で「ボーナス時は別途、◯◯万円の返済」と記載されているものあります。

チラシや広告にはある程度のインパクトを持たす必要はあると思いますが、そもそも月々の負担について比較することが前提であるにも関わらず「ボーナス払い」という別のルールを持ち込む時点で正確に評価できない情報になってしまっています。

スポンサーリンク

安くなるのは当たり前?

HOME’SやSUUMOのようなポータルサイトを見て頂ければ分かりますが、同じ立地、同じ築年数、同じ間取りのような水準の物件があった場合、ほぼ間違いなくマンション購入によるローン返済より月々の家賃の方が2割〜3割程高くなる傾向にあります。

長期の住宅ローンを抱える必要も無く、ライフスタイルが変われば引っ越しも自由にできるため2割〜3割くらい割高になるのも仕方無いことです。

それに家主の立場に建ってみても当然の話です。自分は比較的大きなリスクを追って不動産を所有して賃貸運営をしているのに、購入による住宅ローンよりも賃料の方が安くなってしまうのなら、誰も家主なんてやりたがらないですよね。

そう考えると「マンション購入によるローン返済より月々の家賃の方が高くなる」つまり、賃貸で部屋を借りている場合「今の家賃より安い価格で物件が購入できます」ことは当然なことであり、何も驚くようなことでは無いことが分かります。

スポンサーリンク

新築購入が悪い訳では無い

冒頭でもお伝えしましたが、僕は「購入するよりも賃貸の方がお得」「新築マンションは購入するべきでは無い」と言う考えは一切ありません。むしろ僕自身も新築マンション(築3年目のモデルルームとして利用されてた売れ残り物件)を購入して住んでいます。

なので「◯◯の物件は購入するべきでは無い!」と言う考え方はありませんし、そのような議論や意見には違和感を感じています。僕の住居用マンションの購入についての考え方はこちらの記事で簡単にまとめています。

また今は借入金利も安く住宅ローン減税も適応されるので購入するタイミングとしても大きな問題は無いと思います。

ですが、不動産会社の「意図的に安く感じさせるような悪質な誘導」を鵜呑みにして、情報が不十分なままミスリードされるのは残念なことですし、何より納得感が得られないと思います。

購入自体は悪いことではありませんが、チラシに大きく掲載された魅力的な文字だけを鵜呑みにするのでは無く「自分が気づけていない落とし穴は無いか?」をしっかり理解して判断すれば納得感のある良い買い物ができると思います。

プロフィール

楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
これから不動産投資を始めたい方や、賃貸経営初心者の方に対して、分かりやすい内容を心掛けています。

西本 豪をフォローする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
販売会社
スポンサーリンク
不動産投資ライフ

コメント