破綻リスクは誰にでもある 〜住宅ローンで破綻しないための注意点について〜

融資戦略
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数年前から賃貸物件の供給戸数がずっと増え続けていましたが、ここ最近は少しずつ減少傾向になってきています。

さらに、今後も着工数は減少傾向になると予想されています。

また賃貸物件に限らず一般の不動産の含め販売価格の少しずつ下降傾向のようです。

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不動産市場では何が起こっているのか?

それでは何故、今まで増加傾向だった販売戸数や販売価格が下降傾向してしまったのでしょうか。

投資用アパート物件が供給過剰になっている

現状の大きな問題点としては「物件が増えすぎて供給過剰になり賃貸経営が成り立たない物件が増えている」ことが挙げられます。

特に地方の賃貸アパートなどではさら地にアパートを建築したのは良いのだけれど、十分に入居者が確保できず空室問題が深刻化しています。

新築物件であるにも関わらず賃料を下げないと入居者が決まらない物件も沢山あります。

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楽待新聞コラムニストの初心者大家さん向け投資日記

相続税の対策

不動産投資物件の需要が拡大した背景の一つに2016年1月からの相続税の税制改正による基礎控除額の削減が挙げられます。

その結果、今まで相続税の支払いが無縁だった世帯に対しても相続税の支払いの対象となることになりました。

なので不動産を購入することにより相続税の計算基準となる相続税評価額を抑えるために、アパート経営を始めた方が一気に増えた訳ですが、それに伴う賃貸需要が確保できなかったため、深刻な状況が続いています。

アパートの建築の場合、当然販売価格も大きくなるため、マイホームや区分マンションよりも借入額が大きくなってしまいます。

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不動産会社の営業

またその結果、不動産会社による営業活動も活発になります。

不動産会社としては主に以下のメリットを謳い文句として物件の販売を進めてきました。

不動産投資をすることのメリット
期待できる効果具体的な内容
年金対策ローン返済後は家賃収入が将来の年金対策になる
相続税対策資産を不動産に変えることで相続税の評価額を圧縮できる
所得税対策減価償却へ経費の計上により申告時の所得を減少させる
低金利(住宅ローン)住宅ローンが低金利であるため返済総額を抑えられる
低金利(銀行預金)銀行にお金を預けていてもほとんど利子がつかない
物価価格の上昇都心では物件価格の上昇が期待できる

これらは全て間違いではありませんが、100%正しい情報ではありません。

購入後の年数が経過するごとに減価償却として計上できる金額は減っていきますし、都心などでの物件価格の上昇も正直なところどこまで信用するべきかは分かりません。要するにこれらは不動産投資をする理由にはならない訳です。

本当は安定した賃貸経営を継続してしっかりとキャッシュフローを得ることが大切なのですが、実際にはそうなっていないケースも沢山あります。

ただ、不動産販売会社はその名の通り物件を販売することが目的です。

なので物件を販売した時点で利益を挙げることができるため、極端な言い方をすると、その後、資産運用がどうなろうと金融機関の融資が焦げ付こうと知ったことではありません。

投資用物件の購入者が想定した通りに家賃収入を得ることができず販売元の不動産会社との間にトラブルになることは全く珍しいことではありません。

返済困難な融資が増えてきている

融資の基準が緩和された結果、返済が困難になる人が増えているため、金融庁としてもこの状況を問題視していて今後はこのようなケースが増加しないような対策が予想されます。

これらのケースは主に不動産投資と関わりの深い現象ではありますが、ただ住宅ローンの返済に苦戦しているのは必ずしも投資目的の融資だけでは無く、一般の住居用の住宅(マイホーム)にも言えることです。

金融機関からの融資基準が緩い

金融機関からの融資基準が緩くなっています。

「借りれる時に借りる」という考えは決して悪くは無いのかもしれませんが、その結果、身の丈に合わない融資を引いてしまうと後で大変になってしまいます。

ただそう考えると今の現状を「日本版サブプライム」と例えることも少し納得できます。

※厳密にはアメリカのサブプライムローンとは仕組みが異なるようです。

レバレッジを狙ったオーバーローン

レバレッジとは金融機関からの融資を利用することで、少ない手元資金で大きな投資効果(キャッシュフロー)を出す仕組みです。

レバレッジを掛けることが悪いことでは無いが、その分リスクが大きくなるのは簡単に予想がつきます。

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低金利な住宅ローンと住宅ローン減税

一般のマイホームについても購入しやすい(ローンを組みやすい)環境になっています。

金融機関からのローン融資はとても低金利で借入ができますし、それに加えて住宅ローン減税などの政策が後押ししています。

加えてフラット35などを利用すれば、借入当初(10年間)は住宅ローン減税と低金利のため比較的容易に返済可能となりますが、11年目以降は金利が上がる上に住宅ローン減税も適応されなくなり、急に返済の負担が大きくなります。

フラット35を利用した後、破産する人の割合いは意外と多いと言われます。

個人的にはすぐに金利が上昇する可能性は低いと考えていますが、もし今の変動金利が2倍、3倍と増えていくと返済が困難になる層はさらに増えてきます。

元利均等返済と元金均等返済の違いとリスクについて
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住宅ローン支払猶予者申込数の増加

物件自体が供給過剰になり経営が成り立たなくなった家主が増えたり、ローンの返済が困難な人が増えると住宅ローン支払猶予者申込数も年々増加傾向になります。

フラット35やレバレッジを狙ったフルローンおよびオーバーローンなどは物件を売却しても
借金が残る可能性が非常に高い。

対応はどうすれば良いか?

それではこのような状況に追い詰められないためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

無理をしないことが一番大切

全ての投資に言えることですが不動産投資も必ず勝たねければいけない訳ではありません、許容範囲以上に負けなければまた次のチャンスがあります。

引き分けでも全く問題無いのです。

無理をし過ぎて破綻しないように注意しなければならない。

アパート経営だけが土地の有効活用では無い

土地が余っているからと言って安易に賃貸用のアパートを建設するのはリスクが大きすぎます。

同じ土地の有効活用でのアパートの建設に比べて初期費用を抑えられるリスクの低い方法が沢山あります。

  • 太陽光発電システム
  • パーキング(駐車場)の経営
  • コインランドリーの経営

人口が減少傾向なのであればパーキング(駐車場)やコインランドリーの経営は難しいかもしれませんが、条件によっては検討の余地はあります。

また太陽光発電については空率などのリスクは無く人口減による影響が無いため比較的低リスクだと言えます。

相続税対策は万全ですか?不動産投資で期待できる節税対策について
相続税の対策は金額が大きいためしっかりと対応したい分野です。賃貸経営をしたりタワーマンションを購入することで評価額を大きく削減できます。仕組みや計算方法について解説します。
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任意売却とは?

住宅ローンの返済ができなくなると、物件は差し押さえられ最終的には競売にかけられてしまいます。

任意売却を適用することで競売に掛けられる前に物件の所有者と債権者に当たる金融機関との間に不動産仲介会社が介入し、双方の納得できる価格で売却を成立させることです。

競売に比べ物件を高く売買できるため早い段階で検討することで返済額を少しでも抑えることに繋がります。

競売で格安物件を購入する魅力とリスクについて
競売物件とは購入者が住宅ローンの返済が困難になり裁判所により差し押さえられた物件をオークション形式で一般流通物件と比較して3割〜5割程の価格で購入できる物件の事です。ここでは入札から落札までの流れや想定されるリスクなどについて簡単に纏めてみました。
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破綻のリスクは誰にでもある

不動産投資は販売価格が大きいために、何年もの間、順調に運用できていたとしても、一度大きな判断ミスをするとたちまち破綻のリスクを背負うことになります。

投資スタイルは人それぞれですし、どの辺りまでのリスクであれば許容できるかも資産状況や年齢、その他の収入によって全然変わります。

勿論、性格によってもさまざまですよね。

ただし一度破綻してしまっては「次の投資で挽回する」というのは現実的にかなり難しいはずです。

大きな成果を目指したい気持ちは誰もが持っていると思いますが、常に冷静な判断ができることが投資を続ける上でとても大切だと思います。

プロフィール

楽待新聞&不動産投資Libraryのコラムニストをしています。
普段、不動産投資家として考えていることや体験談などを掲載しています。
これから不動産投資を始めたい方や、賃貸経営初心者の方に対して、分かりやすい内容を心掛けています。

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