入居者を募集している物件で長期間空室が埋まらない場合は、不動産会社にその原因を聞いてみることが有効かもしれません。
回し物件ってどんな物件?
そもそも来店者数(時期)の問題もあるかもしれませんが、それ以外の場合は内見者数の問題なのか?
もしくは内見者数はある程度あるんだけど、あと一歩のところで成約に結びつかないのか?などなど原因を突き止める必要があります。
仮に内見者数が低い場合は仲介会社の営業担当が物件の魅力やポイントを上手く伝えられていないかもしれません。
パンフレットやマイソクなど物件を紹介する情報が充実しておらず、入居希望者をワクワクさせる情報が乏しい可能性があります。
一方、内見者数がある程度あるのに全然決まらない場合は物件自体に問題がある訳ですが、その物件の実際の実力よりさらに低く評価されている可能性があります。
不動産業界では「回し物件」と言う言葉があり、営業が入居付けしたい本命の物件を確実に決めさせるための演出として使われる物件のことです。
一 般的なお部屋選びの進め方としては、不動産仲介会社で気になる物件をいくつかピックアップしてもらい営業担当と一緒に順番に内見していきます。
物件所有者 の都合や同じ時間に他の内見者がいる場合は若干順番が前後することもありますが、基本的には最短距離で全ての物件を回れるような順番で回る方が効率的ですよね。
なのですが、それ以外にも営業側の都合(テクニック)で順番を前後することがあり、ここでポイントとなるのが回し物件です。
回し物件の役割とは?
僕が考える回し物件の役割は大きく二つあります。
一つ目は本命物件の評価(イメージ)を実力以上に魅力的に見せるための比較材料です。
前半は比較的グレードの低い人気の無い物件として回し物件を紹介し、後半に(結果的に価格も上がるのだけれど)ハイスペックな人気のある物件を回ることで心理的に入居希望者の気分を揺さぶります。
前半に微妙な物件(回し物件)を見せることで入居希望者のテンションを下げておいて、徐々にわくわくさせていく。その流れで成約に結びつける手法です。要するに本命物件の引き立て役として利用される訳なんですね。
例えば「家賃が高い」、「日当たりが悪い」、「エントランスが汚い」、「築年数が古過ぎる」と言ったような項目ごとに問題のある複数の回し物件を見せた上で 最後の最後に全ての弱点を克服した夢の物件を見せられると「これは運命の出会いだと!」思ってしまいます。少なくとも僕は思ってしまいます。
だってそうですよね。一度は「こんなボロいところに住むのかぁ…」とイメージを沸かせた後に、最後の最後に最高品質な物件を見ると「この部屋だったら是非 住みたい!」と思うもは当然のことです。
文章にすると単純なことのように思うかもしれませんが、素人(営業経験ゼロ)の僕からすると有効な方法だと思いま した。
そしてもう一つは営業への信頼を高めさせるためです。
この辺りは営業の腕や人柄によってさまざまですが、具体的には前半に内見で入った回し物件にて物件の弱点をずばずば指摘します。
中には「私ならこの物件は選びません」とか「きっとここの家主さんは余りやる気が無いんでしょうね…」と口にすることもあります。
このように入居者の立場で、かつ素人では気付きにくいようなプロの観点で物件を指摘してくれることで大きな安心感が生まれますし「この営業さんはここまで親身になって正直に自分の意見を言ってくれるのか!」と大きな信頼を寄せられますよね。
そしてその後、入居付けをした本命物件では物件の魅力を十分に伝えます。大きな信頼を寄せる営業に「この物件でこの価格だったらだったら僕も是非住みたいですねぇ」なんて言われれば、「この営業さんがここまで勧めてくれるならこの物件に決めようかな!」と考える訳です。
かなり極端な表現になってしまいましたね。。。
勿論、このような方法を取られる営業担当ばかりではありませんが、演出次第では入居希望者の気持ちを揺さぶることができる訳なんですね。
回し物件にならないために
これらのポイントを纏めると成約率を上げるためには仲介会社を見方に付けるか、敵に回すかで大きく関わってきます。
勿論、価格も含め物件自体の魅力も大きいですが、それを売るのは営業さんです。回し物件にされたら本来もともと低い物件の実力をさらに低く紹介されてしま う訳なので、余程安い賃料でも無い限り成約なんてありえないです。不動産のプロが「自分は住まない」なんて言う物件をあえて選ぶような人間は中々いません。
このように内見者数がある程度あるにも関わらず全然成約に結びつかないのは物件自体に問題がある場合も多いですが、もしかしたら回し物件として紹介さていることでさらに低い評価を受けているからかもしれません。
そして回し物件にされるのにもそれなりに理由があります。
清掃が行き届いていなかったり、仲介会社からの指摘やアドバイス(設備の修理など)を無視し続けたり、相場に合わない高い家賃設定をしたりなどなど…
経営である以上、落としどころは中々難しいですが、物件を入居希望者に進めてくれるのは仲介会社です。
普段からコミュニケーションを大切にし、少しでも自分に味方になってもらえるような考え方も必要だと思いました。
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