地震保険は加入する意味無し?出費を防いで大切な資産を守るには?

保険契約

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日本に住んでいる以上、地震の脅威から逃れることはできません。

過去10年間だけでも東日本大震災(2011年3月11日)や熊本地震(2016年4月14日)のような大規模な地震が立て続けに発生しています。

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地震から建物を守るには

日本はこれまでに何度も地震の被害を受けてきました。

そしてその度に建物の強度を高めたり、地震の影響を軽減する仕組みを取り入れてきました。日本の地震対策の構造形式は主に以下の3種類に分けれます。

  1. 耐震構造
  2. 制震構造(制振構造)
  3. 免震構造

耐震構造は昔からある地震対策の構造ですが、いろいろと課題も見つかっています。

最近ではまた制震構造(制振構造)や免震構造の建物も少しずつ増えてきていて、不動産会社や建築会社ごといろいろと工夫が続けられています。

耐震構造、制震構造(制振構造)、免震構造の違いについてはこちらの記事で詳しくまとめています。もし興味のある方は是非読んで頂ければと思います。

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地震保険の仕組みを理解しよう

日本の建物の耐震強度は少しずつ高くはなっているものの、まだ、それだけでは十分ではないと考えられています。

より経済的なリスクを軽減するためには地震保険への加入が必要になる訳ですが、まずは地震保険に加入する必要があるのか?無いのか?を判断するために、地震保険の仕組みについて理解したいと思います。

なお、最初に僕の個人的な意見お伝えしておくと「地震保険は補償金額が少ない割には支払い保険料が高いため基本的には加入する必要は低い」と考えていますし、実際に保有している投資用物件では地震保険には加入していません。

地震保険の特徴

地震保険の特徴は以下の通りです。

  • 地震保険単体では加入できず火災保険に付帯して加入する必要がある
  • 支払われる保険金額の上限が決められている
    • 火災保険の30%〜50%まで
    • 建物の場合は5,000万円まで
    • 家財の場合は1,000万円まで
  • 保険料を一括(最長5年)で支払うことで支払保険料が割引される
  • 保険料は地域や建物の構造(耐震強度)によって異なる
  • 被害の程度(損害区分)によって支払われる保険金額が異なる
    • 全損(全壊)…時価を上限に契約金額の100%
    • 大半損(大半壊)…時価の60%を限度に契約金額の60%
    • 小半損(小半壊)…時価の30%を限度に契約金額の30%
    • 一部損(一部損壊)…時価の5%を限度に契約金額の5%
  • どの保険会社と契約しても基本的には保険料や補償内容は同じ
    • 日本政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度
  • 通常の地震保険の補償内容は住宅や住宅兼事務所のような併用住宅に限られる
    • 店舗や専用事務所などは別途「地震危険補償特約」に加入する必要がある

損害区分の違いについて

損害区分ごとの違いについては以下の通りとなります。損害が大きいと認められれば、その分だけ補償金額も手厚くなります。

従来の損害区分は「全損」「半損」「一部損」の3区分でしたが、2017年1月1日以降に契約した地震保険については「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4区分に分けられています。

損害区分の基準と支払われる保険金額の違いについて
損害区分建物家財保険金額
全損
(全壊)
主要構造部の損害額が時価の50%以上
または焼失や流失の床面積が延床面積の70%以上
または地滑り等の危険性があり住めない場合
損害額が家財の時価の80%以上時価を上限に契約金額の100%
大半損
(大半壊)
主要構造部の損害額が時価の40%〜50%未満
または焼失や流出した床面積が延床面積の50%〜70%未満
損害額が家財の時価の60%〜80%未満時価の60%を限度に契約金額の60%
小半損
(小半壊)
主要構造部の損害額が時価の20%〜40%未満
または焼失や流出した床面積が延床面積の20%〜50%未満
損害額が家財の時価の30%〜60%未満時価の30%を限度に契約金額の30%
一部損(一部損壊)主要構造部の損害額が時価の3%〜20%未満
床上浸水や地面から45cmを超える浸水
損害額が家財の時価の10%〜30%未満
時価の5%を限度に契約金額の5%

また、液状化現象などにより建物が建てられた土地に対して地滑りなどの危険性があり「安心して住み続けることが難しい」と判断された場合は、仮に建物自体の損害は少なかったとしても、全損(全壊)と判断されるケースもあります。

なお、液状化現象の仕組みや影響などについてはこちらの記事で説明しています。

火災保険だけでは不十分?

火災保険は家主が加入する火災保険と賃貸の入居者が加入する火災保険とがありますが、主に以下のような損害に対して補償してくれます。

  • 火災・落雷
  • 風災(竜巻)・水災(水没)
  • 盗難

火災の他にも風災や盗難にも対応してくれるため、以外と補償範囲が広いように感じます。

ただし、逆に以下のような損害に対しては補償されないため注意が必要です。

  • 地震、噴火、津波などを原因とする火災およびその他の損害
  • 地震に伴う火災により延焼や拡大した損害

そのため「地震を原因とする火災による損害」や「地震により延焼や拡大した損害」を補償するためには地震保険に加入する必要があります。

なお火災保険の仕組みについてはこちらの記事で詳しく説明しています。また火災保険の細かな補償内容についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

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地震保険は値上げされ続ける

地震保険はこれまでも何度も値上げされてきました。

例えば2014年の7月1日には地震保険の保険料が全国平均で15.5%値上げされました。またそれ以降の更改や自動継続の場合も値上げの対象に含まれます。

値上げの理由は東日本大震災のような巨大地震を踏まえ、保険料率の算出基準となる「確率論的地震動予測地図」の見直しが行われ、その結果、損害保険料算出機構の算出する保険料率の改定されたためです。

つまり将来的に地震の発生率や被害額が上がると予想されたことが原因です。

その一方、一部の地域や耐震等級が等級3か等級2の物件については割引きとなります。

耐震等級とは、建物がどの程度まで地震などに耐えられるかを表す指数であり、建築基準法の耐震基準を満たせば「等級1」なのですが、その1.25倍なら「等級2」、さらに1.5倍なら「等級3」となります。

耐震性能の高い物件であれば、保険料は下がるってことですね。

家庭向けの地震保険は国と損害保険会社が一体となって運営しているため、保険会社による保険料の違いはありませんが、立地や構造により危険度は変わるため、リスクが高い物件に対しては、それなりに高い保険料が必要になります。

また、改定後の引上げ率は最高で30%ですが、急激な変化を緩和する暫定的な措置となります。

さらに、今回の値上げには南海トラフ地震の被害規模は想定されていないため、間違いなく再度値上げされることが考えられます。

その上、2015年には火災保険の保険料も値上げされる見通しです。こちらの理由は火災ではなく、自然災害などによる被害が増えているためです。天候おかしいですもんね。

このような一見地味な値上げでも不動産投資にとっては影響が大きく、僕のように利回りが低い場合は、結構致命的です。

保険料値上げのような外的要因に対して、物件所有者のできる防衛策は限られているかもしれませんが、実際に地震保険料が上がる前の旧保険料のタイミングで長期(5年間)の契約を結び、少しでも保険料の負担を軽減するよう対策をされた方もいるそうです。

一般的に地震保険は1年更新か5年更新から選択することになります。

このような値上げ時期を把握した上での事前の準備はとても有効だと思いますし、他にも保険内容の確認および保険会社は商品の比較など、少しでも支払う保険料を下げれるような工夫が必要になりそうです。

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地震保険に必ず加入した方が良い?

火災保険だけでは補償が不十分だと考える場合、地震保険にも加入した方が良いような気がしてきます。なのでここでは地震保険に加入するかどうかを検討する上で判断材料となる情報をまとめてみました。

地震保険の4つの軽減処置

保険料が高い地震保険ですが、条件を満たすことで軽減処置が施されています。主に以下の4種類があります。

  1. 建築年割引
  2. 免震建築物割引
  3. 耐震等級割引
  4. 耐震診断割引

軽減処置の詳細については以下の表にまとめています。

地震保険の軽減処置について
 割引率割引の条件
築年数割引10%昭和56年6月1日以降に新築された建物
耐震等級割引等級1…10%
等級2…30%
等級3…50%
住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級
免震建築物割引10%建物の構造形式が免震構造である建物
耐震診断割引10%建築基準法の耐震基準(新耐震基準)を満たす建物

建築基準法の耐震基準についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

また軽減処置以外にも負担を抑える仕組みもあります。

  • 長期契約割引
    • 契約時に複数年契約(2年~5年)を結ぶことで保険料が割引されます
  • 地震保険料控除
    • 生命保険控除や個人年金控除同様、所得金額から地震保険料を控除することで所得税や住民税の負担を軽減します

なお所得の控除についてはこちらの記事で詳しく解説しています。初心者の方でもとても分かりやすい内容になっているので是非読んで頂ければと思います。

地震保険の付帯率は増加傾向?

日本全体での地震保険の加入率は平均でおよそ30%程です。都道府県ごとに若干のばらつきがあり、東北地方や中部地方ではやや加入率が高い傾向にあります。また東日本大震災以降は付帯率(火災保険に加入している人の地震保険への加入の割合い)も増加傾向です。

今自分の住んでいる物件の耐震強度やハザードマップの情報なども参考に「地震の被害を受ける可能性が高いのか?」「大地震に耐えられるのか?」を検討し、本当に必要かどうかを判断すると良いと思いますが、今の日本で「この地域であれば地震のリスクは少ない」と言い切れるエリアはどこにも無いので、あくまで参考情報程度に考えるべきだと思います。

補償金額は不十分?

あくまで保険としての位置付けですので「住宅ローンの返済が残っている間は加入しておいた方が良い」という意見も一理あると思います。

損害区分がどのように評価されるかにもよりますが、補償金額としては不十分な場合が多く、個人的には加入する必要は低いと考えています。

また僕が物件を購入した際には保険会社の営業ですら「地震保険は補償金額の割には割高になるため契約しない人も多い」と積極な加入を勧めてくることもありませんでした。

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「不安だから加入する」では意味が無い

「地震が不安だから」というだけで「地震保険に入れば不安は解消される」と考えるのは軽率です。

何故なら地震保険の補償金額だけで今と同等レベルの住宅を再建することは事実上不可能だからです。

地震保険に加入するかどうかを考えるには以下のようなことを意識する必要があると思います。

  • 地震保険に加入すると支払い保険料と受け取れる補償金額はいくらになるのか?
  • 自分の住宅が大きな被害を受ける可能性が高いのか?低いのか?
    • 地域、耐震構造、築年数によって大きく変わります
  • 受け取れる補償金額で本当に生活は楽になるのか?
  • ローン返済のために十分な補償金額を受け取れるのか?

そして、その上で、少なくとも僕の住んでいる地域では以下の理由をもとに地震保険は必要無いと考えています。

  • いつ地震が発生するか分からない
  • 仮に地震が発生してもどの程度の被害を受けるかが分からない
  • 仮に被害を受けたとしてもどのような損害区分に分類されるか分からない
  • 想定される補償金額に比べて支払い保険料が割高である

勿論、リスクに対する考え方は人それぞれですが、地震保険へ加入するかの一つの判断基準として考えて頂ければと思います。

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