不動産投資家として10年超、関西エリアで物件を保有している僕は、すべての投資用物件に地震保険を付けていません。
2024年度の地震保険付帯率は全国平均70.4%(過去最高・損害保険料率算出機構2025年8月公表)。火災保険を契約する人の7割超が地震保険にも加入する時代になりました。それでも僕は加入しない判断を続けています。
「みんな入っているから入るべき」「不安だから入るべき」──この思考停止こそ、不動産投資家にとって最も危険な選択です。本記事では地震保険の制度を一次情報ベースで整理した上で、不動産投資家・大家が下すべき「加入する/しない」の判断軸を実務目線で解説します。
- 2024年度の付帯率は全国平均70.4%(過去最高)、世帯加入率は35.4%。関西2府4県は付帯率が全国平均を上回る
- 地震保険は実損補填ではなく定額払い。一部損は契約金額の5%しか支払われず、過去の大規模地震では支払件数の多くが一部損認定にとどまる傾向
- 南海トラフ被害想定の精緻化を反映する次回改定では関西・四国・九州の値上げが予想される
- 新耐震・耐震等級2以上のイ構造物件×キャッシュフロー薄利では「加入しない」判断が経済合理性を持つ
- 専用事務所・店舗・倉庫は通常の地震保険対象外。「地震危険補償特約」を別途契約する必要がある
- 地震保険料控除の節税効果は年間最大2.5万円のみ。控除目的だけの加入は経済合理性に乏しい
- 関西エリア(大阪・兵庫・京都・奈良・和歌山・滋賀)で一棟・区分物件を保有する大家さん
- 火災保険更新のタイミングで地震保険の要否を再検討したい不動産投資家
- 「加入しない」という判断に踏み切れる客観的根拠が欲しい方
- 南海トラフ・直下型断層リスクと地震保険のコスト対効果を冷静に比較したい方
- 専用事務所・店舗物件を法人で保有しており、地震危険補償特約の要否を検討したい方
🌏 2026年の地震保険を取り巻く現状
判断の前提として、まず最新の数値で現在地を押さえます。


📊 2024年度の付帯率は70.4%、世帯加入率は35.4%
損害保険料率算出機構の2025年8月公表データによれば、2024年度の地震保険付帯率は全国平均で70.4%(前年度69.7%から+0.7pt)に達し、2003年度以降22年連続の増加かつ統計開始(2001年度)以降の過去最高を更新しました。東日本大震災以降の14年間で22.3ポイントもの上昇です。
ただし、これは「火災保険を契約した人のうち、地震保険を付帯した割合」を示すもの。地震保険世帯加入率(持ち家含む全世帯ベース)は2024年で35.4%にとどまります。
| 指標 | 2024年度(最新) | 2010年度(震災前) | 推移 |
|---|---|---|---|
| 地震保険付帯率(火災保険契約に対する付帯率) | 70.4% | 48.1% | +22.3pt(22年連続増) |
| 世帯加入率(住民基本台帳ベース) | 35.4% | 23.0% | +12.4pt |
🗾 関西エリアの付帯率と南海トラフ被害想定
関西2府4県(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)はいずれも付帯率が全国平均70.4%を上回って推移しています。背景には以下の地理的要因があります。
- 南海トラフ巨大地震の30年以内発生確率は70〜80%(政府地震調査委員会)と試算されており、関西は震度6強〜7の想定エリアに含まれる
- 有馬-高槻断層帯・上町断層帯・生駒断層帯・中央構造線断層帯など、活断層が密集
- 1995年阪神・淡路大震災の経験から、関西の物件オーナーの危機意識が他地域より高い
- 大阪湾岸エリア(咲洲・舞洲・夢洲)や淀川流域は液状化リスクも併存
液状化リスクの詳細は【投資家解説】液状化リスクの判定軸と契約防衛|旧河道・埋立地の見分け方と地盤調査の実務で解説しています。関西の出口戦略・エリアリスクは不動産投資のエリア選定(関西の出口リスクエリア)を参照してください。
- 直近の全面改定(2021年6月届出・2022年10月始期適用)は全国平均▲0.7%の実質値下げだったが、地域・構造別では大幅な格差を伴った
- 2026年5月時点で次回の全面改定は届出されていないが、3〜5年に1回のペースで改定されてきた歴史を踏まえると2026〜2028年中に次回改定が来る可能性が高い
- 南海トラフ被害想定の精緻化を反映する次回改定では、関西・四国・九州が値上げ対象になる蓋然性が高い
- 現時点で関西物件に地震保険を付ける場合、長期5年一括払で旧料率を固定するのは合理的選択
📋 地震保険の制度を3分で押さえる
判断軸を語る前に、最低限の制度知識を押さえます。「すでに知っている」方は次章まで読み飛ばしても構いません。
📚 8つの基本特徴(要点だけ)
- 地震保険単体では加入できず、火災保険に付帯する形でのみ契約できる
- 支払保険金は火災保険の30〜50%まで(建物上限5,000万円・家財上限1,000万円)
- 長期一括払(最長5年)で長期係数(5年で4.45)の割引が効く
- 保険料は地域・構造区分(イ/ロ)で決まり、保険会社による差はない(官民共同制度)
- 損害区分は2017年から4区分(全損/大半損/小半損/一部損)
- 居住用建物・併用住宅のみが対象。専用事務所・店舗・倉庫は別途「地震危険補償特約」が必要
- 政府と民間損保会社が共同運営する再保険スキーム
- 火災保険を更新するたびに地震保険の要否を選び直せる
火災保険そのものの考え方は火災保険の補償範囲|大家・入居者・第三者それぞれの加入と責任で詳しく整理しています。
📖 損害区分4区分と「一部損は契約金額の5%」の現実
従来の損害区分は「全損」「半損」「一部損」の3区分でしたが、2017年1月1日以降の契約は4区分に分けられています。
| 損害区分 | 建物の認定基準 | 家財の認定基準 | 支払額 |
|---|---|---|---|
| 全損 | 主要構造部の損害額が時価の50%以上/焼失・流失部分の床面積が延床面積の70%以上 | 家財全体の時価の80%以上 | 契約金額の100% |
| 大半損 | 主要構造部の損害額が時価の40〜50%未満 | 家財全体の時価の60〜80%未満 | 契約金額の60% |
| 小半損 | 主要構造部の損害額が時価の20〜40%未満 | 家財全体の時価の30〜60%未満 | 契約金額の30% |
| 一部損 | 主要構造部の損害額が時価の3〜20%未満/床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水 | 家財全体の時価の10〜30%未満 | 契約金額の5% |
- 過去の大規模地震では「一部損」認定が大きな割合を占めるとされている(具体的割合は災害ごとに異なる)
- 例:建物2,000万円契約で一部損 →支払額は最大100万円(修繕費用が300万円かかっても追加支払なし)
- 「うちは半分以上壊れたから半損のはず」と思っても、認定基準は主要構造部(基礎・柱・梁・耐力壁・屋根)の損害額が時価の20%以上必要
- 外壁の亀裂・タイル剥落・室内損壊だけでは一部損止まり
- つまり地震保険は「実損補填」ではなく「定額払い」の保険であり、火災保険と同じ感覚で加入すると期待値を裏切られる
液状化現象などにより建物が建てられた土地に地滑り等の危険性があり「安心して住み続けることが難しい」と判断された場合は、建物自体の損害が少なくても全損と判断されるケースもあります。詳細は【投資家解説】液状化リスクの判定軸と契約防衛|旧河道・埋立地の見分け方と地盤調査の実務を参照してください。
✂️ 4種類の割引制度──最大50%まで圧縮可能
| 割引制度 | 割引率 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 建築年割引 | 10% | 昭和56年(1981年)6月1日以降に新築された建物(新耐震基準) |
| 耐震等級割引 | 等級1:10%/等級2:30%/等級3:50% | 住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく耐震等級 |
| 免震建築物割引 | 50% | 建物の構造形式が免震構造である建物 |
| 耐震診断割引 | 10% | 建築基準法の新耐震基準を満たすと耐震診断で確認された建物 |
4つの割引は重複適用できず、最も有利な1つだけを選んで適用します。新築・耐震等級3取得済の物件なら半額、旧耐震物件は割引なしで満額。旧耐震・新耐震・2000年基準の違い|81-00問題・上町断層・耐震基準適合証明書の実務、耐震・制震・免震構造の違いもあわせてご確認ください。
⚠️ 不動産投資家・大家が知るべき7つの注意点
競合記事や保険会社のパンフレットだけでは見落としがちな7つの注意点です。これらが「加入しない」判断の根拠にもなります。
⚠️ ① 主要構造部以外(門・塀・付属設備)は補償対象外
地震保険の建物補償は「主要構造部」が対象であり、以下は対象外です。
- 門・塀・垣根
- カーポート・物置
- 給排水設備(地中の配管含む)
- エレベーター(共用部)
- 太陽光発電パネル
- 屋外給湯器・エアコン室外機
一棟アパート・一棟マンションを所有する不動産投資家にとって、これらの設備の修繕費は地震保険では一切カバーされません。
⚠️ ② 地震発生から「10日以内」の損害が対象(請求期限3年)
- 対象になる損害:地震発生の翌日から起算して10日以内に生じた損害のみ
- 保険金請求期限:保険法上、損害発生から3年以内(時効)
地震直後に余震で損害が拡大した場合は10日以内なら対象ですが、半月後に発生した余震による損害は新たな地震として扱われます。
⚠️ ③ 火災保険と地震保険は「同時申請」が原則
地震・噴火・津波を原因とする火災やその他の損害、地震に伴う火災による延焼・拡大損害は火災保険だけでは絶対に補償されません。同一の災害事象でも、火災保険側で先に支払いを確定させると地震保険側の認定で不利になるケースがあります。
- 地震損害と風災・水災損害が混在し、認定が困難
- 10日ルール超過の可能性
- 地震保険の請求漏れ
- 事象ごとに損害を保険会社が切り分け
- 10日ルール内で認定確定
- 後日の追加損害も適切処理
火災保険の補償範囲・特約は火災保険の特約と保険会社の選び方|大家に必要な特約と大手損保・ネット系の取扱比較と火災保険の特約と保険会社の選び方|大家に必要な特約と大手損保・ネット系の取扱比較で詳しく扱っています。
⚠️ ④ 入居者の家財地震保険と大家の地震保険は別物
- 大家側:建物の地震保険(家財は対象外)
- 入居者側:家財の地震保険(自分で加入する/しないを選ぶ)
- 借家人賠償責任保険:地震を原因とする損害は免責
入居者が「火災保険入っているから地震も大丈夫」と誤解しているケースは多く、退去時のトラブル予防のためにも大家側からの注意喚起が必要です。
⚠️ ⑤ 解約時は「短期率」で戻り額が想定より少ない
長期一括払で5年契約を結んだあと途中解約する場合、未経過期間に応じた解約返戻金は戻りますが、保険会社ごとに「短期率テーブル」が異なるため戻り額が想定より少なくなることがあります。長期契約のメリットと裏腹のリスクとして契約書を必ず確認してください。
⚠️ ⑥ 地震保険料控除と火災保険料の経費計上は別物
個人保有物件では地震保険料は所得控除(後述)、法人保有物件では損金算入。同時に賃貸経営目的の火災保険料・地震保険料は経費計上できる項目もあるため、自宅兼事務所の経費按分も含めて整理することが重要です。大家・個人事業主の自宅兼事務所の経費|家事按分・住宅ローン控除・税務調査否認事例の実務を参照してください。
⚠️ ⑦ 旧耐震・木造ロ構造の物件は割引が効きにくい
耐震等級割引・建築年割引はいずれも新耐震基準(昭和56年6月1日以降)が前提。旧耐震物件は割引なしで満額の保険料を負担する必要があり、保険料負担×倒壊リスクの両面で経済合理性が崩れます。アパート購入時の構造選定についてはアパート投資で買ってはいけない物件10選もあわせて。
🏠 不動産投資家・大家が下す加入判断軸
ここまでの制度を理解した上で、いよいよ「自分の物件に地震保険を付けるべきか」の判断軸を整理します。
💪 加入を「真剣に検討すべき」ケース
- 旧耐震物件(昭和56年5月以前):割引なしで保険料は割高だが、倒壊リスクが構造的に高い
- 木造(ロ構造)の一棟物件:イ構造より基本料率が約1.5倍。倒壊リスクも相応に高い
- 住宅ローン返済中の自宅兼物件:全損時にローンが残るリスクが致命的
- 液状化リスクの高い湾岸エリア・埋立地(大阪湾岸の咲洲・舞洲・夢洲、淀川下流など):地盤による全損認定の可能性
- 南海トラフ・直下型断層付近の物件:ハザードマップで震度7想定エリア
- キャッシュフローに余裕があり保険料負担が経営を圧迫しない場合
✂️ 加入を「見送って良い」ケース(僕の保有物件はこちら)
- 新耐震基準のイ構造(鉄骨・RC造)
- 耐震等級2以上を取得済の新築物件
- 建物価値が小さい築古物件(補償上限が低い)
- キャッシュフロー薄利物件(保険料が利益を消す)
- 融資のローン残債が小さい・完済済
- 保険料相当額を「修繕積立金」として別口座にプール
- 関西エリアで分散保有(同一断層の同時被災リスク低減)
- 耐震等級・免震構造の物件のみを購入する戦略
- 火災保険の「水災・風災・破損汚損」は手厚く付ける
- 融資組成時に金利上乗せ型の団信ではなく自前の生命保険で対応
僕が物件を購入した際、保険会社の営業ですら「地震保険は補償金額の割には割高になるため契約しない人も多い」と話しており、積極的に加入を勧めてくることもありませんでした。これは保険商品としての位置づけを物語っています。
⚠️ 「不安だから加入する」は最も危険な判断
「地震が不安だから」というだけで「地震保険に入れば不安は解消される」と考えるのは軽率です。地震保険の補償金額だけで今と同等レベルの住宅を再建することは事実上不可能だからです。判断には以下の問いを意識してください。
- 地震保険に加入すると支払い保険料と受け取れる補償金額はいくらになるのか?
- 自分の物件が大きな被害を受ける可能性はどの程度高いのか?(地域・耐震構造・築年数で大きく変動)
- 受け取れる補償金額で本当に経営は維持できるのか?
- ローン返済のために十分な補償金額を受け取れるのか?
少なくとも僕の保有している関西エリアの新耐震物件については、以下の理由で地震保険は付けていません。
- いつ地震が発生するか分からない
- 仮に地震が発生してもどの程度の被害を受けるか分からない
- 仮に被害を受けたとしてもどの損害区分に分類されるか分からない
- 想定される補償金額に比べて支払い保険料が割高である
🏢 専用事務所・店舗・倉庫は「地震危険補償特約」が必要
通常の地震保険の補償対象は、住宅・併用住宅(住居と店舗が一体)に限られます。専用事務所・専用店舗・倉庫・工場は通常の地震保険では補償されません。
| 物件種別 | 通常の地震保険 | 必要な特約 |
|---|---|---|
| 居住用住宅・賃貸アパート | ○ 加入可 | 不要 |
| 併用住宅(住居と店舗が一体) | ○ 加入可 | 不要 |
| 専用事務所 | × 対象外 | 地震危険補償特約 |
| 専用店舗・テナントビル | × 対象外 | 地震危険補償特約 |
| 倉庫・工場 | × 対象外 | 地震危険補償特約 |
地震危険補償特約は通常の地震保険と異なり、保険会社ごとに保険料率・補償内容が大きく異なります。主な特徴は以下の通りです。
- 政府再保険スキームの対象外であるため、保険会社の引受姿勢に依存する
- 支払限度は通常の火災保険金額の30〜50%(保険会社で異なる)
- 保険料率は通常の地震保険より高額になる傾向(特に大都市・湾岸エリア)
- 大型物件・特殊用途では引受謝絶される場合がある
- 法人契約の場合、保険料は全額損金算入可能
法人で投資物件を保有している場合、テナント物件・倉庫物件は通常の地震保険スキームでカバーできない点に注意してください。法人化と保険料の損金処理については不動産投資の税金 実務ガイドもあわせて参照してください。
💴 地震保険料控除──節税効果は「年間最大2.5万円」と知っておく
地震保険料は所得控除の対象になります。年末調整・確定申告で申告すれば所得税・住民税が軽減されます。
| 税目 | 控除額の計算 | 控除上限 |
|---|---|---|
| 所得税 | 支払った地震保険料の全額 | 最大50,000円 |
| 住民税 | 支払った地震保険料の1/2 | 最大25,000円 |
実質的な節税効果は、課税所得別で以下の通りです(年間地震保険料50,000円を支払った場合)。
| 課税所得 | 所得税率 | 所得税の節税 | 住民税の節税 | 合計節税額/年 |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 2,500円 | 2,500円 | 5,000円 |
| 330万〜695万円 | 20% | 10,000円 | 2,500円 | 12,500円 |
| 900万〜1,800万円 | 33% | 16,500円 | 2,500円 | 19,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 22,500円 | 2,500円 | 25,000円 |
節税効果は年間最大でも2.5万円です。一方、年間支払保険料は50,000円。差し引きで「実質コストは年25,000〜45,000円」が発生していると見るのが正確です。控除目的だけで地震保険に加入するのは経済合理性に乏しい判断と言えます。
❓ よくある質問(FAQ)
Q1. 一棟アパートと区分マンションで地震保険の必要性は変わりますか?
A. A. はい、変わります。区分マンション(RC造)はイ構造で基本料率が低く、共用部分は管理組合が建物全体の地震保険を付けているケースが多いため、専有部分の家財地震保険程度で済むことが多いです。一棟アパート(特に木造ロ構造)はイ構造の約1.5倍の保険料負担になり、共用部分も含めて全て自己責任なので、加入判断はより慎重に行う必要があります。
Q2. 関西エリアで地震保険料は高いですか?値上げのタイミングを避けるには?
A. A. 全国を3区分(最高/中間/最低)で分けると、関西は概ね「中間グループ」です。最も高いのは東京・神奈川・静岡など南海トラフ沿岸の太平洋側、最も低いのは岩手・秋田・山形・福井など。次回改定で関西は値上げの可能性が指摘されているため、もし加入を決めるなら長期5年一括払で旧料率を固定するのが定石。改定届出が出てから慌てて契約するより、今のうちに長期化しておく方が経済的です。
Q3. 加入していない場合、被災後に公的支援は受けられますか?
A. A. 被災者生活再建支援法の支援金(最大300万円)、災害弔慰金、災害援護資金、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資などが利用可能です。ただしこれらは「被災者個人」を対象とする制度であり、賃貸経営をしている法人や個人事業主の事業用建物には限定的にしか適用されません。賃貸物件のオーナーは公的支援の対象外と考えておく方が安全です。
Q4. 法人保有物件と個人保有物件で加入方針を分けるべきですか?
A. A. 物件の所有名義に合わせるのが原則です。法人所有なら法人契約(保険料は全額損金算入)、個人所有なら個人契約(地震保険料控除を受けられる)。法人化メリットを最大化したいなら、新規物件は法人で取得し、保険料を全額損金処理する方が節税効果は高いケースが多いです。専用事務所・テナント物件を法人で保有する場合は通常の地震保険ではなく「地震危険補償特約」になる点にも留意してください。
📖 この記事の根拠(出典・参考)
- 地震保険付帯率(70.4%):損害保険料率算出機構「2024年度地震保険付帯率」2025年8月26日公表
- 地震保険世帯加入率(35.4%):損害保険料率算出機構「グラフで見る!地震保険統計速報」
- 地震保険基本料率(イ構造/ロ構造/都道府県別):財務省「地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)」
- 損害区分の認定基準(4区分):損害保険料率算出機構「地震保険基準料率」、各損保会社の重要事項説明書
- 地震保険料控除の上限額:国税庁タックスアンサー No.1145「地震保険料控除」
- 料率改定履歴(2014年・2017年・2019年・2021年):損害保険料率算出機構「地震保険料率の変遷」
- 南海トラフ巨大地震 30年以内発生確率(70〜80%):政府地震調査委員会「長期評価による地震発生確率値の更新について」
- 体験ベース:執筆者(楽待新聞コラムニスト・西本豪)の不動産投資家としての判断・関西エリアでの所有物件における保険契約の取捨選択
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