資産運用の最初の一歩は投資信託がおすすめな3つの理由

僕の周りにはある程度まとまった資産を持っていて、その資産をどこの銀行のどのような預金口座に預けようかと悩んでいる方が何人もいます。ただ現実問題としては、どこの銀行に預けたとしても、またどのような種類の預金口座を選んだとしても(例えば普通預金から定期預金に変えたとしても)ほとんど利子は付かず、とても勿体無いことだと感じています。

そんな方たちに「少しでも元金を増やせるように資産運用としてみてはどうか?」と聞いてみても「投資は元本割れのリスクはあるから危険」だと言わてしまいます。

個人的には「そんな事無いんだけどなぁ」と思いつつも相手が情報を求めていない以上、そこで会話は終わってしまいます。

なので今回は「元本割れのリスク≒対象外」と考えている方に対して少しでも資産運用をすることの必然性を感じてもらえるような内容を心掛けて投資信託の素晴らしさをまとめたいと思います。

そもそも投資信託の仕組みとは

投資信託とは投資家から少しずつ集めた資産を一纏めにして、専門家(ファンドマネージャ)が株式・債券・不動産などに対して投資・運用する金融商品の事です。ファンドと呼ばれることもあります。

その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配され、投資信託ごとに集めた資金をどのような対象に投資するかを方針に基づき専門家が運用を行います。

株式投資の場合はそれぞれの会社の銘柄について「買うべきか?または売るべきか?」などと判断することになりますが、投資信託の場合はファンドの中に含まれる銘柄について一つ一つ把握することはありません。

一件、少し複雑そうに感じますが、投資している側としては実はほとんど何もすることが無く株式投資などと比べると投資経験の無い初心者にはおすすめできる金融商品の一つです。

投資信託に関連する3種類の会社

現在、日本の投資信託は以下の3種類の会社によって運営されています。

販売金融機関

投資家(購入者)が投資信託を購入するための窓口です。証券会社の他に銀行や保険会社などがあります。また2005年からはゆうちょ銀行でも購入できるようになりました。

主な販売金融機関

同じ投資信託でも販売金融機関によって販売手数料が違うため注意が必要です。最近では大手の銀行や証券会社よりも比較的手数料の安いネット証券が人気です。

  • 野村證券
  • 大和証券
  • みずほ証券
  • SBI証券
  • 松井証券
  • 三井住友銀行
  • 日本生命

投資信託会社

投資信託の実際の運用を行います。投資信託会社は親会社である金融機関などが販売する投資信託を運用する「系列系」と投資信託会社に直接口座を作ることで販売金融機関を介さずに直接購入できる「独立系」の2種類に分けられます。

系列系の主な投資信託会社

系列系の投資信託会社はさらに「銀行系列」「証券系列」「保険系列」などに分けられ沢山の会社が存在します。

  • 三菱UFJ国際投信 (三菱UFJ信託銀行系列)
  • 三井住友アセットマネジメント (三井住友銀行系列)
  • 野村アセットマネジメント (野村證券系列)
  • 大和証券投資信託委託 (大和証券系列)
  • ニッセイアセットマネジメント (日本生命系列)
  • T&Dアセットマネジメント (T&Dホールディングス系列)
独立系の主な投資信託会社

自社ファンドを直接販売する会社です。系列系の会社と比べてまだまだ数は少ないですが、販売金融機関を経由しない分、購入時の手数料なども低く抑えられるため長期投資に向いています。

  • さわかみ投信
  • コモンズ投信
  • レオス・キャピタルワークス
  • セゾン投信

受託銀行

投資信託を購入した投資家の資産を管理します。投資信託が購入した株や債券などの有価証券(信託財産)が保管・管理されます。投資信託会社や受託銀行の資産とは分別して管理されているため仮に業績悪化や倒産などが起こった場合も原則的には有価証券(信託財産)は全額保証されます。

主な受託銀行

個人の投資信託購入者はほとんど意識することはありませんが、「☓☓信託銀行」などの名前の付く銀行が多いです。

  • 三井住友信託銀行
  • 三菱UFJ信託
  • みずほ信託銀行

投資信託に掛かる3種類の費用

投資信託は「購入時」「保有時」「売却時」のそれぞれのタイミングでさまざまなコストが掛かります。長期で運用する場合にはとても大きな影響を与えるためコストは少しでも抑えられる方が良いです。

購入時:購入手数料(0%〜3.5%)

販売金融機関に対して支払う手数料です。

「ノーロード型」と呼ばれる購入手数料を取らないタイプの投資信託も存在します。また独立系の投資信託会社のように自社ファンドを直接販売している場合は販売会社を経由しない分、購入手数料が掛からない事も多いです。

保有時:信託報酬(0.5%〜3%程)

投資信託を運用・管理するための代行手数料です。信託報酬が高くても運用実績も同じように高くなる訳では無いため、信託報酬はできるだけ安いものを選ぶべきです。

売却時:信託財産留保額

投資信託を解約する際に必要となるコストです。

ただし信託財産留保額は厳密には売却時の手数料では無く、自身の解約に伴いその売却手数料分を投資信託に残すようなイメージです。

純資産残高と基準価格の関係性

株式投資では対象銘柄の値段を「株価」と呼びます。一方、投資信託の値段は「基準価格」と呼ばれます。

また基準価格と純資産残高の関係性はこんな感じです。

純資産残高

投資信託に組み入れられている株式や債券を時価評価に株式の配当金や債権の利息などを含めそこから投資信託の運用に必要な信託報酬を差し引いた額です。

投資信託に含まれる株式や債券が値上がりすれば純資産残高もその分値上がりしますし、逆に値下がりすれば純資産残高も値下がりしてしまいます。

また対象の投資信託が買い増しされるとその分新しい銘柄を購入するため純資産残高は増えますし、反対に投資信託に対して解約が増えるとその分保有中の銘柄を売却する必要があるため純資産残高は減ってしまいます。

基準価格

対象の投資信託をいくらで購入できるのか?または保有している投資信託を解約するといくらになるのか?という指数となるのが基準価格です。

純資産残高から受益権総口数(投資信託を購入した全投資家の口数)で割った額です。

基準価格は株価と同じようなイメージかもしれませんが、分刻みで価格が変動する株価に比べて基準価格は算出方法が複雑であるためリアルタイムでの変動はありません。基準価格の場合は毎日1回、市場が終了する午後3時以降に価格が決まります。

アクティブ型とインデックス型

投資信託の運用スタイルとしてインデックス運用とアクティブ運用の二つに分けられます。

投資信託ではベンチマークと呼ばれる運用指数を設定し、インデックス運用ではその運用指数への連動を目指す一方、アクティブ運用はベンチマーク以上の運用成績を目指します。

一般的に日本の株式投資信託で言うTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価などがベンチマークに該当します。

インデックス運用はコンピュータにより自動で運用されている事が多いですが、アクティブ運用は積極的に市場平均を超える事を目指すため投資信託のコンセプトや運用者(ファンドマネージャー)の力量が重要になります。具体的には投資対象銘柄の将来性の調査や経済を分析し成長分野の予測・判断などさまざまであり、それに伴い手数料もインデックス運用より高めです。あえて一言で言うとインデックス型と比べアクティブ型の方がハイリスク・ハイリターンと言えるかもしれません。

 メリットデメリット
インデックス型コストが安い市場平均以上は目指さない
アクティブ型市場平均以上を目指すコストが安い

一見、アクティブ運用の方が優れているようですが、長期的な視点ではインデックス運用の方が優れている事が過去の統計から出ているようです。その大きな理由がやはり信託報酬と呼ばれる手数料(運用コスト)であり、インデックス型の方がアクティブ型の約1/2程である事も多いです。長期投資になればなる程、この運用コストが響いてきます。

投資信託を選ぶポイント

それでは実際にどの投資信託を購入するかを考えていきます。

注意点としては「自分にあった投資信託を調べてその投資信託が購入できる窓口(販売元)で講習する」と言うことです。何も下調べもせずに販売金融機関の窓口でオススメの投資信託を訪ねてそれを購入すると言うことは、単に「販売金融機関の販売したい投資信託を購入すること」であり自分にあった投資信託を購入することにはなりません。

信託期限が無期限である

投資信託で資産を形成するには長い年月が必要となります。
信託期限が無期限の投資信託を選びます。

複利の効果を大きく得るためにも期間が限定的であれば大きな効果が得られません。

時間と金利を見方につければ専門知識が少なくても資産運用ができます
30代~40代くらいの若い世代の方にとって、資産運用における最大の武器は「時間」と良く言われます。そして僕もそう強く思います。 貯金や投資...

分配金を再投資する

長期の資産運用では分配金は必要ありません。
長期投資で資産を拡大するためには分配金を再投資することで複利効果を高めることが大切です。

資産を積み立てるためには分配金なんていらない
投資信託には通常年に1回の「決算日」が設けられていて、利益の一部を分配金として保有者に支払います。中には「毎月分配型ファンド」もあり一ヶ月の...

ノーロード型で信託報酬率が低い

購入コスト、運用コストは資産の拡大に大きな影響を与えます。

また購入コストや運用コストが高いからと言って必ず高い成果を出せる訳では無いため、コストについては可能な限り安い(低い)ものを選ぶことが大切です。

純資産残高が増え続けている

資金が常に流入状態にある投資信託を選ぶ必要があります。

解約が続出しているような投資信託の場合は純資産残高もどんどん減ってしまい、最悪の場合は途中で投資信託が打ち切られてしまう可能性もあります。

一定額(一般的には30億円程)以上の純資産残高があり、かつ純資産残高が増え続けているものが安定した投資信託と言えます。

自動積立が可能

銀行口座から自動積立(自動引落)が可能なものを選びます。

自分で毎月決まった日に積立を行うのは中々難しいものです。生活が苦しい月があるかもしれませんし単純に積立することを忘れてしまうかもしれません。

ドル・コスト平均法による購入時期分散のメリット
ドル・コスト平均法とは金融商品(株式や投資信託など)の購入方法で、購入資金を分割して一定金額を定期的に継続して投資する方法です。要は「一度で...

国際分散投資

国際経済を対象にリバランスをしてくれる分散投資のものを選びます。

投資対象を一つの国や地域に絞ってしまうとその国や地域の株価や債権が値崩れした場合、大きな影響を受けてしまいます。

複数の国や地域に分散していれば例えどこかの銘柄で暴落が起こったとしても、その他の国や地域でその分を補うことが可能です。

初心者にとって投資信託がおすすめな3つの理由

ここまでで投資信託についての簡単な仕組みや購入するポイントについて触れてきましたが、次は初心者が資産運用をする場合、投資信託が最もおすすめできる理由についてご説明します。

そしてあくまで専門知識を持たない初心者の資産作りなので以下の2点を前提条件として考えたいと思います。

  • 年間の目標利回りを5%〜8%程に設定する
  • ゆっくりと資産を作るために長期的な積立投資をする

目標利回り5%〜8%という数字をどう評価するかは人それぞれですが、複利効果を十分に発揮し長期的に資産を運用するには十分な数字だと思います。

この数字を見て「20%の利回りを狙いたい」と思ったり「短期間で資産を2倍に増やしたい」と思うのであれば一般的な投資信託では少し難しいと思います。

そのような高い目標を設定するのであればより高い専門知識を活用したり多少リスクの高い投資対象を探すことになるはずです。

逆に「運用利回りは5%でも0.1%以下の利息しか付かない銀行に預けるよりかは十分マシだ」と考えられるのであれば投資信託はとてもおすすめな金融商品です。

まとまった資産が無くても少額から始められる

株式投資を始める場合はある程度まとまった金額が必要になります。

株式銘柄を売買する際の最小単位(単元)の金額は数十万円〜数百万円がほとんどです。中には十万円以下で購入できる株式銘柄もありますが基本的にはある程度まとまったお金を準備する必要があります。

また不動産などで資産運用することを考えると余程の掘り出し物件を見つけない限り少なくとも数百万円以上の頭金が必要になりますし、仮に頭金が少額であったとしても不動産投資用のローン契約を結ぶことになるため、どうしても一歩踏み出しにくいですね。

それらに比べて投資信託の場合は数千円から始めることができます。もし普段から月々に数千円〜数万円を銀行に貯金しているのであればその資金を銀行の口座では無くて投資信託への積み立てに切り替えれば良いだけなので金銭的にも気持ちの上でもお手軽です。

仮に毎月30,000円を銀行に貯金しているのであれば20,000円を今まで通り銀行に貯金して残りの10,000円を投資信託の積立に切り替えてみても良いかもしれません。

勿論、潤沢な資金があるのであれば最初にまとまった金額でファンドを購入しても良いかもしれませんし、効果的に分散投資をするためにあえて毎月積み立てていく仕組みにしても良いと思います。

高い専門知識が無くても運用できる

株式投資や不動産投資をするためにはある程度の専門知識が必要です。

株式投資の場合は経済を読み解く知識かもしれませんし、チャートの上がり下がりを予測する知識かもしれません。

また不動産投資の場合は投資価値の高い物件の購入方法だったり入居者獲得のための知識なども必要になります。

ですが投資信託の特徴は「投資から集めた資金を専門家(ファンドマネージャ)が運用して資産を作る」ことなのでファンドを購入する投資家にはそれ程高い専門的な知識は必要ありません。

あえて言うのであれば自分が購入しているフォンドに対して「何(株式?債権??)が含まれているのか?」「どこ(国内?海外?)に投資しているのか?」「どれ程の成果が期待できるのか?」「どのような方針で形成されているのか?」などが分かれば十分だと思います。

購入後は基本的に何もしなくても大丈夫

投資信託を購入すると購入後は基本的に放ったらかしで大丈夫です。

基準価格や純資産残高の推移など最低限押さえておきたい項目もありますが、それらの情報などは投資信託会社から運用レポートという形で定期的に情報が発信されます。

株式投資やデイトレードのようにシビアな観察は不要です。

積立投資の場合は「何時が買いどきなのか?」などは意識する必要がありません。

逆に「何時が買いどきなのか?」が正しく分かるのであればそんな人は自分で株式投資などを行った方が高い成果が出せる訳ですから、わざわざ投資信託を選ばなくても自分でより成果の出せる方法で資産作りする方が向いています。

投資信託を長期的に積立する場合、すぐには成果を確認できないかもしれません。ですが上でご説明した条件に従って投資信託を購入すれば、仮に運用利回りが5%程でも購入後の半年〜1年程で少しずつ成果が出て来るはずです。

投資信託購入の最初の一歩は

どの投資信託選べば良いかのある程度のポイントは分かったとしても、実際にどのようなに情報を集めていくかは難しいと思います。

やり方はいろいろあると思いますが、なるべく敷居が低くお金の掛からない方法を簡単にまとめてみます。

内容の濃い勉強会は意外と沢山ある

投資信託にはとても良い勉強会が多いです。

中には自社で販売しているモノを題材的に取り上げた偏った内容のものもありますが、外部の講師を招いて中立的な立場で開催されるものもあるので参加してもるのも良いかもしれません。

参加申し込みには会員登録が必要だったり既に口座を開設していることが条件である場合もありますが、もし購入を検討しているファンドがあるのであれば是非購入前に参加することをおすすめします。

NISAを活用しよう

投資信託で資産運用を始めるのであれば、NISA(少額投資非課税制度)の活用も併せて検討してみれば良いと思います。

株式投資の場合は購入価格が高額となるためNISA枠である120万円を十分に利用することは少し難しいですが、投資信託の場合は少額(5,000円)程から積み立てることができるためしっかりとNISA枠を使い切ることができるためとても相性が良いと言えます。

月々の積立を10万円にすると年間で丁度120万円の積立になります。

また2018年からはつみたてNISA(積立NISA)と言う新しい新たな少額投資非課税制度も始まります。

現段階ではNISAとつみたてNISAの併用はできないため、どちらか自分にあった制度を選ぶことになります。

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書籍から得られる納得感は想像以上に大きい

いきなり投資信託を購入したり勉強会に参加するのは敷居の高いことかもしれませんが、投資信託については沢山の書籍が販売されています。

ちなみにここで記載している内容の多くは書籍「投資信託はこの9本から選びなさい」の情報にもとに記事を書きました。

とてもオススメの一冊なので、さらに詳しい情報を得たい場合は一度読んでみては如何でしょうか。

投資信託はその仕組を理解すると高度な専門知識は必要ありません。

もし銀行口座などで余った資産が眠っている場合や、まとまったお金を無いけど少しでもお金を増やせるように積み立てて運用したい場合は一つの選択肢として考えてみれば良いと思います。

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