非公開情報とコンプライアンスについて思うこと 〜情報流出による個人の責任とコミュニティへの影響〜

先日、僕の所属するコミュニティで大切な非公開情報が流出してしまいました。

それは講師の方が勉強会用に作成して下さった資料の一部で、勉強会の参加者がその資料の内容を交渉の材料として使用したことで流出が発覚したそうです。

不動産や金融系の場合は特にそうかもしれませんが、講師の方は、ご自身の立場を超えて大切な情報を提供して下さっており、そこには講師の方とコミュニティとの間で一定の信頼関係が築けているからこその情報も含まれます。

中には今現在も現役で活躍されている不動産会社の方や税理士、銀行員の方もおられるため、とても精度の高く今すぐにでも使える情報も沢山出てきます。そしてその「限界ギリギリの情報」を提供できることが「他の勉強会」とは違うコミュニティの存在価値ともなっています。
僕自身も何度もこのような勉強会に参加させて頂き「他では聞けない(入手できない)価値ある情報」を得ることができています。

ただその代償としては高いコンプライアンスの意識が問われ、機密情報や非公開情報をどのように扱うかは各個人に依存します。

配布資料については基本的に外部には非公開と考えた方が無難ですし、内容によっては「撮影禁止」や「録音禁止」がルールとして明記されています。中には「この話だけは秘密でお願いしますね。僕の立場がヤバくなってしまうので(汗)」っと言うようなウラ情報を提供して下さる方もいます。

流出自体は過去にもあるのかもしれませんが、常習性(頻度)や取扱情報の影響によっては目を伏せれない場合もあり、このような状態が続くと大切な情報を発信し続けれなくなってしまいます。

学びの場の重要性

僕の本業はITですが、ITの世界ではレベル感にもよりますが、一つの課題を解決する際、参考書やインターネットを上手く活用すればある程度ベストな情報が見つかります。

※ベストかどうかを判断できるかは別の話ですが。

それに比べて投資や融資などについては参考書やインターネットなどのいわゆる自己学習では方向性は分かるかもしれませんが、中々ベストな情報にアクセスすることは難しく、どうしても人と人との信頼関係の上で良い情報に辿り着けることも多く、いわゆる「コネ」だったり、業界に精通したプロしか知らない(勿論、合法的な)「裏技」などもあります。

「コネ」は消耗品ではありませんが、信頼関係が蓄積されている事が前提となるため、仮に誰かの紹介により優遇金利での融資を受けれたとしても、もし返済が遅延したりすると紹介者してくれた方にもご迷惑を掛けます。物理的に金銭的な損害は無いとしても金融機関からみたその(紹介した)方の信頼間は下がります。

縁があって知り合った方の知識をお借りしたり特別に紹介して頂くと言う事は、(極端な言い方ですが)今までその方が長い時間とコストを掛けて手に入れた情報や既得権を瞬時に手に入れる事にもなります。要するに「学びや信頼関係のショートカット」になる訳なので、それには相応のリスクが掛かり情報の取り扱いには細心の注意が必要です。僕も分かっているようで分かっていない部分もあるので油断(?)しないように気を付けています。

コンプライアンスは難しい

僕もこのコラムを書きながら、…と言うより普段からブログやコラムで情報を発信しながらどこまでが書いて良くてどこまでが良く無いのかかなり慎重になっていますが、本当に難しいです。

繰り返しになりますが、講師の方や事務局の方は身を切る想いで、時にはリスクを冒して貴重な情報を提供して下さっています。

なので、情報流出によってこのような活動や学びの場が制限されるようなことになればコミュニティ内で不信感が広がったりしてしまいます。

本人に悪意のあるケースは少ないかもしれませんが(そもそも「悪意」の定義も微妙…)、流出させてしまった方自身も辛い立場に立たされるでしょう。

個人的な話になりますが、僕も新しく知った知識を文書として公開したいと思った場合、「この情報は掲載しても大丈夫だな。」、「この情報はNGかな。」とある程度考えて記載します。例えば具体的な固有名詞や数字(金額や金利)などは控えるべきかどうかなどなどです。

仮に個人としては講師の方への感謝の気持ちも踏まえて情報を公開したとしても、それがその方の本意と異なれば、逆に多大な迷惑を掛けることになってしまいます。ですから僕の場合、自分で判断が難しい場合は、公開時(もしくは公開前)に情報提供者の方に予め了承を得ることもあり、そうすることで信頼関係を築けることにも繋がります。

経営者や投資家としては自己の利益を最大限に(または出費を最小限に)することが重要です。ただ長期的に考えるとやっぱり周りの方やその関係者に迷惑が掛からないように最大限考慮する事が最も大切ですよね。

この辺りの判断についてもこれからより一層重要になるんだと思いました。
個人的に「コンプライアンス」と言う考え方を強調し過ぎるのは余り好きではない(?)ですが、そうも言っていられない時代です。

自分の考え方も全然まだまだ甘いかもしれませんが、情報を提供頂く立場なら尚更、アウトプットする際は注意しないといけないと感じました。


この記事は2016年07月02日に楽待不動産投資新聞に投稿された記事を転載させていただきました。

非公開情報とコンプライアンスについて思うこと 情報流出による個人の責任とコミュニティへの影響

http://www.rakumachi.jp/news/practical/149116

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