イールドギャップの考え方と自分にあった資産運用

不動産投資用の物件購入を判断する時の指数として表面利回りや実質利回りなどがありますが、同じような指数の一つにイールドギャップと呼ばれるものがあります。

イールドギャップの計算方法はとてもシンプルで金融機関から融資を受けた場合の借入金利と投資物件の表面利回りの差(ギャップ)のことを表したものです。

実質利回りだけでは不十分

不動産の販売会社から投資用物件を購入する場合、月々の家賃収入から金融機関への返済金額を差し引いた上で、手元にどの程度キャッシュが残るかというシュミレーションをして頂くことがあります。

ですが、その中で表面利回りや実質利回りのことは一通り説明しますが、イールドギャップについてまで触れられることは少ないような気がします。

返済金額に占める金利割合は意外と負担となりますし、利息分を含めた返済総額は予想以上に大きな金額になります。そう考えると物件価格(プラス購入初期費用)だけを基準とした表面利回りや実質利回りだけを計算するのは個人的には少し違和感があります。

当然ですが4%の利回りのために金利4%で借入をしているとイールドギャップは0になってしまいます。それでは全然意味がありませんよね。

表面利回りや実質利回りはとても重要な指数ではありますが、その投資に対して「どのような条件で融資を受けれるのか?」というのも合わせて抑えておかなくてはいけません。

「超低金利時代は不動産投資がお得」は大間違い

イールドギャップを計算するには金利がどれくらいになるかが大きく影響するため、少しでも低い金利で資金調達できれば多少利回りが低くても高い利益が期待できます。

ですが本当に重要なのはむしろ利回りの方ですよね。

高い利回りが見込めるのであれば、多少高い借入金利でもイールドギャップは確保できますし、逆に借入金利が安かったとしても、そもそも販売価格が高く利回りが期待できなければ
イールドギャップは小さくなってしまいます。

現在は金融機関の貸し出し金利が低い反面、不動産の販売価格は平均的に高い水準です。
勿論、安い不動産を見つけて取得することは家主としての腕の見せ所ですが、それには経験や実力や人脈などが必要になります。

そう考えると「今は借入金利が低いから不動産の買い時」と言うのはかなり説得力に欠ける主張ですね。

また、築年数が増え老朽化が進むとその分家賃収入は下がっていく傾向にありますが、一方で借入金利は今後上がっていく可能性が高いことも認識しておかなくてはいけないです。

イールドギャップの考え方は他の金融商品でも同じ

実はこの「借入金利と運用利回りの差分」と言う考え方は不動産以外の金融商品でも応用ができます。

例えば投資信託のように長期運用を想定した金融商品で考えた場合でもそうです。

もし「年間利回り5%」が想定できる投資信託を購入したいと考えた場合、「借入金利5%以下」の融資を受けることができれば、その差分が自分の利益となります。

勿論、設定通りの運用利回りが期待できるかは分かりませんし、金融機関の融資手数料や投資信託の運用手数料など様々な諸費用も掛かります。また株式投資や投資信託のような金融商品にも配当所得として20%の税金が掛かってしまうため実際にはこれ程単純な計算にはなりませんが「借入金利が低いことの恩恵を受けたい」と言うことであれば不動産以外にも色々な方法がある訳ですね。
また借入金の繰上げ返済についても同じ考え方ができます。

仮に金融機関から借入金利3%で融資と受けていて、なおかつ手元に繰上げ返済できるまとまった資金があったとします。

もしそのまとまった資金を他に有効利用できないのであれば、コツコツと繰上げ返済を進めることで少しでも返済総額を減らすことができます。

逆に「3%以上の運用利回りが期待できる金融商品」があるのであれば、繰上げ返済をせずに、その金融商品を購入する方が良いことになります。

イールドギャップはあくまで想定値

どんどん借入金を増やしより高い成果を得られる金融商品を購入することでレバレッジの効果を最大限発揮できますし、短い期間で資産規模を拡大でることは理論上は正しいのかもしれません。

ただしイールドギャップもそれぞれの金融商品の利回りも全ての数字は想定値であることは注意が必要です。

不動産にしても株式投資にしても投資信託にしても資産をたくさん持っていること(またはそれぞれの分野に精通していること)は選択肢として「打てる手」が増えるため、単純に「借入金の大きさ=リスクの大きさ」とは言い切れません。

ただ少し保守的に考えるとやっぱり資産には暴落が付きものなので、借入金を増やし過ぎて精神的な悩みや不安が大きくなってしまっては意味がありません。やっぱり借入金が少ない方が精神的に安心できるはずですよね。

どれだけ資産を拡大してどんな生活を送るかは人ぞれぞれの価値観や正確によって違うと思いますが、僕個人的には程良いリスクで程良い結果と言うが一番健全な方法かも資産運用のように思います。

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