空き家対策措置法案の完全施行で日本の空き家はどう変わるか?

ここ最近、日本では空き家問題がとても深刻化していています。国土交通省の調査によると平成25年時点での空き家総数は820万戸に上り、全総住宅数の13.5%を占めると言われます。この数字は年々増加傾向で10年後には20%を超えるとも言われております。

空き家対策措置法案とは

「空き家」の判断基準についてはまだ明確に定まっている訳ではありませんが、受け入れ準備が出来ているのに中々入居者が決まらないいわゆる「空室物件」とは少し意味合いが違います。

一般的には長期間使用された形跡が無かったり、公共サービス(水道・ガス・電気など)の利用実績の有無などが基準となる他、管理状況や所有者の主張なども踏まえて客観的な視点から空き家かどうかが判断されます。

さらに、倒壊や火災(放火)の危険性が高かったり、不審者の侵入などが予想されるような建物については対策を行う必要があるため、今年(平成27年)5月には「空き家対策特別措置法」が全面施行されました。

具体的には景観を著しく損ねたり地域内に危険を及ぼしかねないような悪質な空き家を「特定空き家」と認定します。その後、一定の猶予期限内に修繕処置などの指示に従わなかった物件所有者については地方自治体の権限で強制撤去される事もあります。(勿論、解体費用などは所有者の自己負担となります。)

また、課税標準の特例として、1戸あたり200㎡以下の小規模住宅用地については、固定資産税は評価額の1/6、都市計画税は評価額の1/3になっていますが、その軽減処置についても解除されてしまいます。
そのため、今まではさら地のまま保有するよりもボロ物件でも建てておいた方が軽減税率の都合上お得だった訳ですが、今後は特定空き家と認定された場合、この減免措置が廃止され、所有者としてはより大きな負担増を強いられる事になります。

空き家率の持つ意味がよりリアルになってくる

固定資産税を適正に納めてもらう事に加え、地域の景観・治安も良くなり活性化が期待できるのは良い事です。ですが、その結果、空き家の所有者としては物件を放置しておくメリットも無くなるため(むしろデメリットが大きくなる)、高額な修繕費が必要となるのであれば安値でも良いから売却を検討したいと考えるはずです。

今まで問題視されてきた高い空室率の原因は空き家を放置し積極的な不動産経営を行ってこなかった家主(物件所有者)の割合いが多かった事が一つの理由ですが、今後はそのように放置された空き家の数は減っていくはずです。
ですが、その反面、誰も住みつかなかったような空き家に対して実力(ノウハウや人脈)のある家主や不動産業者が修繕やリフォームによって健全な物件に蘇えらせる事になります。と言う事は、既存物件を所有している一般の家主からすれば「ライバル物件が増える」訳なので、それは脅威になるかもしれません。

さらに加えれば、今まではしっかりとした管理や修繕を行ってこなかった(放置されていた)物件が空室物件の大半をしめていた訳ですが、今後はしっかりとしたメンテナンスと行っても空室になってしまうと言うリスクが増えてきます。

こうした可能性を秘めた物件(土地)を見極められる経営者からすれば魅力的な投資対象物件はどんどん増えていきます。当然、不動産業者としても空き家ビジネスに積極的に取り組む事になるでしょう。

空き家対策措置法案をチャンスと捉えるかピンチと捉えるかはそれぞれ考えがあると思いますが、これからはより良い(中古・築古)物件を識別する力がより一層大切になります。
不動産経営者の方の中には「宅地建物取引主任者」を保有されている方も多いですが、今後はむしろホームインスペクター(住宅診断士)のような物件そのものの価値を評価できるスキルを持つ事も面白いかもしれませんね。


この記事は2015年10月12日に楽待不動産投資新聞に投稿された記事を転載させていただきました。

空き家対策措置法案の完全施行で日本の空き家はどう変わる?
実力により家主間での二極化も生まれるかもしれない!

http://www.rakumachi.jp/news/archives/114615

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告
レクタングル(大)広告
PVアクセスランキング
PVアクセスランキング にほんブログ村
人気ブログランキング
にほんブログ村 その他生活ブログ 不動産投資へ
スポンサーリンク
レクタングル(大)広告