生活保護の住宅扶助の基準見直しで家主への影響は?

2015年7月1日より生活保護受給者へ対する住宅扶助の基準が見直され、支給上限額が削減されます。住宅扶助とは生活保護受給者が住居にかかる費用を負担するための経済的援助で、7月以降の新規受給者は新基準が適用され、すでに住宅扶助を受給している場合は次回の賃貸借契約を更新するタイミングから適用されるとの事です。支給額の下げ幅は諸所の条件によって異なりますが、地域によってはなんと9,000円近くの値下げになるケースもあるとの事です。

現状、住宅扶助の支給額が入居する事のできる家賃上限額となっている訳ですが、一番問題視されているのは見直し後、現在入居中の家賃が支給上限額を超えてしまう場合は基本的に転居指導を迫られる事です。

なので、その場合は生活保護受給者の入居者は家主に対して自分で値下げ交渉をしなければならなくなり、またそれでも住宅扶助の支給額が家賃を下回る場合は、支給額で家賃が支払える範囲で新たな入居場所を探さなければならないのですが、その対象となるのは生活保護受給世帯の161万世帯のうち、およそ44万世帯、約1/4程とも言われています。生活環境や健康状態などに応じて例外処置も検討されるそうですが、まだまだこれからの段階なので不透明な部分も多いです。

今回の見直しによる支給額の引き下げ基準は、今までの地域や世帯人数に加え、新たに「床面積」が加わります。その背景としては少しイメージしづらいかもしれませんが、1区分のワンルームマンションに対して何人もの生活保護者を入居させ、住宅扶助の支給限度額の家賃を不当に得るような「貧困ビジネス」の抑制が狙いとされています。

本来、生活保護の位置付けとしては「健康で文化的な最低限度の暮らし」を支えるためのものですよね。そしてその定義としては「最低居住面積水準」(単身者の場合25㎡)やキッチン・浴室・トイレなどの設備が整っているものとされています。にも関わらず1区分のワンルームに区画分けをして何人もの入居者が暮らす事はその定義から大きく外れてしまう訳で、そのような悪質な不正受給にメスを入れる意味合いがあるのです。

なので正当な家賃設定をしている大家には大きな影響は無いとの意見もありますが、「物件に対して支給水準が妥当か」をどこまで細かく判断出来るかが重要になり、場合によっては正当な経営を行っている家主にもマイナスな影響を与え、入居者の退去を防ぐために値下げせなざる得ない状況に追い込まれるかもしれません。

どちらにしても、生活保護受給者の入居者割合が高い大家からしてみれば影響があるはずです。生活保護受給者の方が住んでいる物件には築古物件も多く、次の入居者探しには時間が掛かるかもしれません。また、生活保護受給者の方は転勤やマイホームの購入などの環境の変化する機会が少ないため、入居期間が長い事も一つの特徴です。なので、多少家賃収入を下げてでも安定して住んで頂きたいと考える大家も沢山いるはずです。

もっとも最悪なのは、値下げを渋って現在の入居者を退去させた後、次の入居者が見つからず空室期間が続き、結局家賃を下げてしまう場合かもしれません。当たり前の事ですが、空室期間の家賃は永遠に戻らないですからね…

今回の見直しに関して、一番の犠牲者は生活保護受給者では無く部屋を貸している家主だと言う意見もあります。。。下げ幅にもよりますが、大家は難しい判断を迫られるかもしれませんね。

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